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第33話
「この部屋に存在していいのは、冴に選ばれた俺だけ。そう思ったから、俺は士道を部屋に来てほしくなかった」
次の日のオフ、世一とキングサイズのダブルベッドで微睡みながら話をした。
「あのときにメタ・ビジョンを展開してたら良かった。そうすれば士道が後を付けてきたことにも気付けたし、関係も持たなかったと思う」
試合中に世一は能力を使い過ぎる、だから私生活では使ってほしくない。
「あのときは仕方がなかった。世一のせいじゃない」
「でもそのせいで俺は士道にも興味を持ってるし、それは申し訳ないと思ってる」
きっと世一よりも士道のほうが興味を持っているだろう、適応能力に長けている世一でも自分のこととなると緩くなる。
「この部屋には冴と俺だけ、二人だけ存在していたい」
だから世一は拘っていたようだ、そう思うといじらしい。
「それと俺の中で凛は冴と兄弟だからノーカンってことになってる」
これからは訪ねてきたら意地でも凛を追い出そうと心に誓った。
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