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テスト2 《剣介》

「お邪魔しまーす」 家に着いた。 ほぼ毎日うちに来ているのに、こうして律儀に挨拶するようなとこも好きだなとか、しみじみ感じてしまう。 一緒に過ごしているとどんどん早苗のことを好きになる。 「先にケーキ食うか?」 「うんっ!」 上機嫌で笑ってる姿が愛らしくて、俺もつられてにやけてしまう。 意味もなく頭を撫で回すと、早苗は不思議そうに見上げてきた。 ちょうど弟たちも帰ってきていない時間帯で、早苗と二人きりでのんびりできるのはすごくいい。 冷蔵庫から箱を取り出しテーブルに乗せて開くと、早苗は嬉しそうな声をもらした。 「わぁ、美味しそう!」 「好きなの選べ。飲み物どうする、紅茶でいいか?」 「うん、紅茶でお願いします」 紅茶をいれてケーキを選んで、最早本来の目的も忘れて早苗とティータイム。 早苗はチョコケーキで、俺はショートケーキ。 「いただきまーす!」 一口食べると、早苗はめちゃくちゃ幸せそうな表情になった。 ほんと可愛い。 「おいしいねー」 「ああ、うまいな」 「はい、一口あげる」 一口分をフォークにさして差し出してきた。 間接キス。 なんて不純な思考を頭の隅においやって、差し出されたチョコケーキを食べる。 こっちが間接キスだとか、あーんってされてるのとか勝手に気にしてるのにきっと早苗は気になんてとめてもないんだろうな。 「こっちのも食うか?」 「うん!」 まぁ、けどいつものことだ。 一口大のショートケーキをフォークにさし早苗に差し出す。 無防備に口に含み、また幸せそうに微笑む。 その口元にクリームが残ったまま、気づく様子もない。 「ついてる」 「ん?」 そっと手を伸ばして指でクリームを拭い、一瞬迷ったけど指についたクリームをそのまま口に運んだ。 我ながらどうかと思うけど、友達の範囲は越してないよな? なんて思いつつ早苗の反応を待ったけど、なぜか黙ったまま。 『あ、クリームついてたんだ。えへへー』 なんて笑うかと思っていたのに、ずっと黙っているものだからさすがに舐めたのは引かれたのかと思って見ると、意外にも早苗は頬を染めて、俺と目があうとぱっと俯いてしまった。 こんな風な反応は初めてで戸惑った。 というか、この反応まるで……。 俺の事を意識してるみたいだと気付いて、俺の方まで顔が熱くなった。

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