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第37話※

 晴也の熱い囁きを肌で感じて。息つく間もなく、秀一は晴也の唇にかぶりついた。 「んぅ……っふぅっ」  重なる唇は少しかさつく。晴也は動揺したときや困ったとき、たまに唇を舐めるからだ。  わずかに荒れた唇を貪りながら、押し倒してめくれたシャツの隙間に手のひらを差しこむ。秀一の手に馴染む肌を隅から隅まで愛撫した。  ぷっくり膨らむ乳首が、秀一の指先にくに、と引っかかる。立ち上がる突起を平らに潰し、指の腹でふにふにとつついたら、敏感な乳首はすぐに硬く勃起した。  胸を弄る秀一の手へすがるように、晴也の細い指先が、快楽に弾けてびくびくと重なる。 「んっんっんっ……っ、そこばっか、やぁ……、てっ」 「ん、知ってる。ここを俺が弄ってあげたら、感じすぎちゃうからやなんだよね。でも俺は、感じてる晴也さんが見たい。可愛い、から。もっと、俺に可愛がられて」 「あぁ……っ」  器用な秀一の指先で、肌色の乳輪の根元から摘まみあげる。芯が入った胸の突起を、乳輪ごとぐりぐりとこね回した。真上から伸しかかり、晴也の首筋に流れた汗をれろんと舐める。  悶える胸に体重を乗せ、平べったい胸に絡まるシャツを鎖骨までたくし上げた。服を脱がせるのもじれったい。  絶え間ない秀一の責めに、びくっと浮きあがらせた白い胸へ舌の先を這わす。嫌でも目に入る刻印を、がぶがぶと甘噛みした。 「あぅっ」 「こいつ……この晃司ってやつ。晴也さん、あいつについていったりしないよね? 何が運命で結ばれてるだ。満足できないくらい気持ちいいだ。むかつく。俺が晴也さんのこと、もっと、気持ちよくさせてあげる」  だから運命なんかにいかず、そばにいて。甘噛みした晴也の胸を、今度は優しくしゃぶってあげる。  晴也を責め立てる秀一が沈痛な声をだせば、晴也は黒髪をぱさぱさ乱して首を振った。 「ぁ……っひっ、ひだかさぁ、だって運命、いぃ……っ、うんめの人きたら、そっちいく……っ、おめがのひと、いるから……ぅっ」  秀一の手がぴた、と止まる。秀一が、運命のΩにいくと言ったのか。きっと喫茶店で、晴也を振り払ったことを言っているのだ。晴也は秀一に運命の番がいたと気づいたから。  予期せず現れたΩに、秀一がなびくと思ったかも知れない。心から求めるのは晴也ひとりだけなのに。 「いかないよ。晴也さんがいてくれるから、俺はここにいる」 「や……ぁっ、う、そ……ぁっ」  反対側の乳首も同じように、ぷくっと突起した先端を圧し潰す。こりこりと芯をこね、指の腹で先っぽの表面をさわりと撫でた。  指と舌を使い、両方の乳首を違う方法で同時に責める。我慢できないと晴也の腰がくねくねと揺れた。自覚はないみたいが、晴也が下を触ってほしいとねだる仕草だった。  秀一の手のひらが晴也の滑らかな肌を滑り落ち、じわ…と濡れる下肢に触れた。 「んぅ……っ」 「晴也さん、腰上げて。下着が汚れちゃう。ちゃんと、触ってあげられない」

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