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第60話 サプライズ

 そんな甘い声で呟かれたら、了承するしかないじゃん。下について、彼に手を引かれて観覧車から降りた。  僕は嬉しくなって腕を組んで、遊園地から出る。近くのホテルを予約しているから、そこまで連れて行く。 「どんなホテルか、楽しみだね〜」 「帝系列以外のホテルに、泊まるの初めてだな」 「そうなの?」 「ああ、特に理由もないからな」  やっぱ、御曹司なんだよな……彼は僕が思っているよりも、辛くて悲しい経験をしてきている。  少なくとも、僕と一緒にいる時は忘れてほしい。僕のことだけを、考えてほしいなって……。  ホテルに入って、部屋に案内してもらう。部屋に入ると、後ろから抱きしめられた。僕もその手を掴んで、後ろを振り向いて見つめ合う。 「この後、ディナー予約してるんだ。その前に、スーツに着替えて」 「持って来てないぞ」 「準備したから大丈夫だよ」  スーツを新調しておいたから、それを彼に渡すと驚いていた。それでも笑って、スーツに身を包み始める。  黒いスーツが、彼の金髪にぴったり合っていた。ネクタイが曲がっていたから、直すと嬉しそうにしていた。  その表情がいつにも増して、綺麗でドキドキしてしまう。僕もスーツを着て腕を組んで、夜景の見えるレストランに連れて行く。  夜景の見える席に案内されて、僕たちは座る。コース料理を頼んでいるから、料理が来るのを待つ。 「綺麗な夜景だな」 「うん、ネットで見つけて綺麗だなと思って」 「気に入ったよ」 「よかった。ここのコース料理は、人気なんだよ」  僕たちはコース料理に舌鼓を打って、終始和やかな雰囲気が漂っていた。デザートのオレンジのソルベを食べ終わった。  そんな時に彼に声をかけられて、見てみると何やら箱を差し出された。僕が不思議に思っていると、パカッと開いて中には時計が入っていた。 「カッコいい時計」 「クリスマスプレゼント」 「貰っていいの?」 「もちろんだ。俺とお揃いだ」  カッコいいシルバーの時計で、僕は直ぐに自分の手首につけた。嬉しくなって、鼻歌を歌ってしまう。  嬉しそうにしている僕を見て、彼も嬉しそうにしていた。お揃いの時計をつけていて、指輪と合わさっていい感じにキラキラしていた。  やっぱどんな夜景やアクセサリーよりも、彼の方が綺麗で美しい。どうしよう……キスしたくなった。 彼はいきなり、立ち上がってこっちに来た。そして耳元で囁かれて、鼓動が早くなってしまう。 「そんな物欲しそうにしなくても、ちゃんとさっきの続きするから」 「う、うん……」 「部屋に行こうか」  彼に手を差し出されて、僕たちは部屋へと向かう。部屋に着くなり抱きしめられて、激しいキスをされた。  腕を掴んで僕も彼のペースに合わせて、舌を絡ませた。いやらしい水音と柑橘系の香りが充満し始める。  もっとしたかったが、僕はゆっくりと彼を引き離した。この後にとあるサプライズを、用意している。  そのために僕は彼に優しく微笑んで、もう一度抱きついた。そして顔を見上げて、笑って言ってみる。 「ちょっとだけ、待ってて。準備してくるから」 「準備? 俺も」 「ダメ、サプライズだから」 「ちぇ、分かった」  不貞腐れている彼に微笑んで、僕は脱衣所の方に向かう。スーツを脱いで、置いておいた紙袋に手を伸ばす。 「気に入ってくれるかな?」  軽くシャワーを浴びて、僕は用意していた下着を着てみる。鏡に映った自分は少し、恥ずかしかったけど彼のためである。  黒いレースのついた上下セットで、所謂エロい下着である。ほんとはこんなの着たくないし、恥ずかし過ぎてヤバいんだけど……。 「クリスマスの時ぐらいはね」  その上にガウンを着て、部屋の方に向かった。彼はベッドの端っこで、不服そうに体育座りをしていた。  僕はなんか可愛いなと思って、後ろから抱きついた。直ぐに振り返って、笑顔で見つめてくれる。 「お待たせ」 「風呂入ったのか?」 「軽く流しただけだよ」  そのまま僕は触れるだけのキスをした。すると腕を掴まれて、そのままベッドに押し倒された。  ネクタイを緩めて舌舐めずりをしていて、妖艶な雰囲気を纏っていた。柑橘系の香りが、より一層強くなる。 「焦らされたから、余裕ないんだけど」 「いいよ……続けて」  僕が頷くと、首筋にキスを落とされていつもよりも感じてしまう。ガウンの結んでいる紐を器用に脱がしていく。  僕の着ている下着を彼は、マジマジと見つめていた。やっぱ変かな……そう思っていると、耳元で囁かれる。 「こんなエロいの自分で、買ったのか」 「うん、似合わないかな……」 「めっちゃ、俺好み」  よかった……そう思ったら、胸の辺りを重点的に触られた。しかも肝心なところには、触れずに敢えてズラしているようだった。  この下着のせいか、いつもよりも敏感になっているようだった。体がビクンと跳ねて、変な声が出てしまう。 「んっ……そ、こじゃなくて」 「え? どこがいいの? 言ってみて」  イタズラな笑みを浮かべて言われて、モジモジしてしまう。少し恥ずかしかったけど……意を決して言うことにする。 「む……ねを」 「ここかな?」 「もっと下……」 「ここ?」 「んあっ……」  右胸を舐められて、左胸は摘まれていた。しかもこの下着、今気がついたけど……胸のところが開く仕様になってた。  ネットで買ったんだけど、ちゃんと見るべきだったな……ちょっとだけ、後悔してしまった。  それでも彼が、喜んでくれたようでよかった。今日は胸ばかり攻めてきて、いつもよりも敏感になってしまった。  もっとして欲しかったのに、彼は直ぐに刺激を止めて僕を見つめていた。まるで獲物を見る動物のような目をしていた。 「な……んで」 「この端っこじゃ、危ないからもっと奥に行って」 「うん、分かった」  確かに端っこの方に、座っていたから危ないもんね。僕は素直に四つん這いの体制で、奥の方に向かう。  すると何故か後ろから抱きしめられて、ガウンを脱がされた。待って……この体制、丸見えなんじゃ。  そう思って、慌てて手で隠そうとした。しかし、彼に両手を後ろから繋がれてしまう。どうしよう……色々とヤバい。 「んあっ……」 「エロっ」  その体制のままで首筋にキスをされて。変な声が出てしまう。しかも僕のお尻に、彼のものが当たっている。  それだけでもかなり恥ずかしいのに、この下着でこの体制はかなり恥ずかしい。彼はそのまま首筋や、背中を舐めてきて声を我慢出来ない。  必死に抑えようとしたけど、どうしても隙間から漏れてしまう。すると次は首筋を舐めながら、僕の胸を摘ままれた。 「はあ……んっ」 「マジでエロい……最高」 「んっ……あっ」

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