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同級生の隣人に三大欲求を満たされそうになっている
「あれ、健ちゃんじゃ~ん!」
「は?ってか健ちゃんって呼ぶな」
長い通学時間に耐えられず始めた一人暮らし。大学から近いマンションへと引っ越した当日、隣の部屋からパリピの同級生が顔を出した。
正直苦手なタイプだ。悠斗は軟派な口調で交友関係が広い。人づきあいが上手くて、よく校内で女子とダンス動画を撮っているのを見かける。同じ学科じゃなければ、交流もなかっただろう。なのに今、お隣さんという関係値が出来上がろうとしていた。
「なになに、隣引っ越してきたの?やった~!うるさくしないでね?」
「こっちのセリフだわ。宅飲みでやかましかったら苦情入れてやる」
「その時は一緒に呑もうよ」
へらりと笑って揺れる悠斗の赤髪は、寝不足の目には眩しかった。
やっと荷解きが終わった。飯より優先したいゲーミングPCも組みあがり、まだマットレスのないベッドになだれ込む。夕飯どうしようか、近くにコンビニあったっけな……。配達アプリを見ながらぼんやりしていると、換気のために開けた窓から良い匂いが入ってきた。どこかの夕飯の匂いだろう。匂いの飯テロはタチが悪い、と窓を閉めようとしたときに犯人から連絡が入った。
『健ちゃん、からあげ好き?』
自分の部屋の間取りをそのまま左右逆転した隣の部屋。想像よりも物が少ない悠斗の部屋に、俺はまんまと誘い込まれていた。そこまで広くない、一人暮らし用のキッチンから運び込まれてきた山盛りの唐揚げはキラキラと衣が輝いていて、思わず喉を鳴らしてしまう。
「引っ越し祝いー!どうせ夕ご飯のこと考えてなかったっしょ?」
「うるせー。けど、マジで美味そう」
「でしょでしょ?あ。お酒飲む?」
「どっちでも。何でも飲めはする」
キッチンから戻ってきた悠斗の手には冷えた缶ビールが2本。プシッと音を鳴らせば呑気な声で乾杯をさせられた。
出来立ての唐揚げを一口齧れば、一つ、もう一つと自分の皿に確保する。
「どうどう、美味しい?」
「うん。これは美味い」
少し濃いめの味付けに、パンチのあるニンニク。苦みのあるビールで口内の油を流し込むルーティーンから抜け出せない。男の胃袋を掴んだもん勝ちと言うが、俺はまんまとこの軟派男に掴まれてしまった。
これが約二カ月前の話。
「ちょっと健ちゃん!いつまで寝てんの!」
「うるせー……健ちゃん言うな……」
自分の家のようにズカズカと入ってくる悠斗に背を向けるよう、布団の中で丸まる。ちらりと見た時計は14時を指していて、あぁ午前の授業を飛ばしたんだなと他人事のように思った。
悠斗は今日も派手な色の服を着ていて目が痛い。色落ちしたんだと嘆いていた髪は、今はピンクアッシュという色らしい。
「もー、レジュメ渡してあげないよ」
「じゃあお前の課題も手伝わねー」
「それは困る。じゃあご飯作らない」
「それは困る」
胃袋を掴まれた俺は飯を食うために悠斗の部屋に行くようになり、課題やゲームをするために悠斗は俺の部屋に来るようになっていた。チャイムを鳴らして待つのが面倒くさくなり、お互いに部屋の鍵を持っている。
悠斗からありがたくレジュメを受け取り、グッと身体を伸ばした。今日は特にバイトもないし、ゲームでもするか。
「サークルまで時間あるから、ここで課題してくわー。マジで関数とか覚えてない」
「おー、数学以外聞いてくんなよ」
ここ二カ月で分かったことは、意外とこいつは真面目な学生だということ。1限もちゃんと出席するし今まで単位は落としたことがないらしい。苦手な理系科目を俺に聞いてくるときだって、写すんじゃなくて解き方を聞いてくる。朝に弱くて出席数ぎりぎりな俺とは大違いだ。
寝起きの身体を覚ますために顔を洗い終わると、悠斗から間延びした声が飛んできた。
「僕ココア~」
「へーへー」
いつの間にか増やされたマグカップを2つ用意してココアの粉を入れる。牛乳を注いでレンジに入れれば、あとは待つだけだ。冷蔵庫に持たれながらぼんやりと課題に取り組むピンクを見つめる。
思った以上に絆されている自覚はあった。性格も正反対で、交友関係もぜんぜん違う。好きなことも出来ることも重ならないからこそ、互いに居心地がいいのか。
いや、悠斗は別に何も考えてないか。ただ隣の部屋に同級生がいて、暇だから絡んできているだけだろう。友人がそこまで多くない俺からしたら一人が占める割合は大きいが、悠斗は違う。大勢の友人の一人。それだけ。最近冷えてきたからか、布団で高まっていた体温は足の裏から逃げていった。
チン、と電子レンジが音を鳴らす。湯気の立つマグカップを二つ持ってリビングへと戻った。
「ほら、ココア」
「ありがと~。あ、今日サークルの飲み会だから夜いない!」
「そんなによく飲み渡れるよな」
「だってお酒好きなんだも~ん」
今日の夜は何を食べようか、何のゲームをしようか。そんなことを考えながら、悠斗が間違えている問題を指摘した。
あれからもう一度寝て起きて、ゲームをして課題をしてゲームをしていれば日付はとっくに超えていた。隣の部屋の電気はまだついていないようで、悠斗はまだ帰ってきてないらしい。遅くまで飲んで帰ってきた悠斗は8割くらいの確率で二日酔いになる。明日はどっちだろうな、とゲームを再開しようとしたとき、あることを思いついた。
みそ汁でも作っといてやるか。
二日酔いのときに飲むみそ汁は美味いって聞くし、俺も朝からみそ汁を飲みたい気分になる。PCの電源を切って5秒で着く隣の部屋の鍵を開けた。
泥酔して玄関で寝てる可能性もあったが、靴もないしまだ帰ってきていない。電気をつけて台所に立った。なぜ悠斗の部屋に来たかと言うと、俺の部屋には食材も鍋もないからだ。
スマホで調べたレシピを見ながら調理を進める。それっぽい見た目と匂いになってきた。いい感じじゃね?と、火を止めて片づけをしていれば、玄関の方が少し騒がしい。
少し近づけば扉の向こうで酔っ払いが騒いでいる。やれ起きろだ、鍵はどこだと。しまいにはドアノブをガチャガチャ……。眉間に皺を寄せつつもドアスコープを覗けば、見たことのある家主とその友人がへらへらと笑っていた。
面倒なことに巻き込まれたくない、が近所迷惑だ。中から鍵を開けて扉を開くと、目が開いていない悠斗と肩を貸しているその友人。相当飲んでいるのか顔は真っ赤で、足元もおぼつかないようだった。
「あれー!?もしかして健ちゃん!?」
「なになに一緒に住んでんの!?」
「住んでない。おい、お前友だちの前でも健ちゃんって言ってんのかよ」
声を掛けても目を覚まさない悠斗を見て、また二人がゲラゲラ笑う。頼むから大声出すなって。
「こいつさー、途中から健ちゃん呼べってうるさいの!電話繋がらなくてやけ酒したら潰れちゃって」
「え?悪い、スマホ見てなかったわ。呼ばれも行かんけど」
「そっからずーっと健ちゃんは可愛いだ、健ちゃんはいい奴だって惚気やがってよぉ~」
なんだ惚気って。俺に可愛げなんてないだろ。更に苦い顔をした俺にまた笑って、二人は悠斗を引き渡してくる。ほぼ全体重がのしかかって来てふらつく。ここまで送ってくれたことに礼を言ってドアを閉めて、酔っ払いの背中を強めに叩いた。
「ほら、お前起きろって。ベッドまで歩け」
「ん……あれ、健ちゃん?」
「健ちゃん健ちゃん言いふらしやがって」
俺より少しだけ小さい身体を引きずって、短い廊下を歩く。ベッドに放り出すようにすれば、まだ酩酊しているのか服を引っ張られた。
「おい離せ。水持ってくるから」
「やだ……寝よ?」
「バカ!ちょ、おい!」
そのままベッドに引きずり込まれる。男二人で寝るのにシングルベッドは狭すぎて、抱き枕のようにすっぽり包み込まれてしまった。悠斗の柔軟剤と、外の匂いが鼻腔に広がる。苦しくて胸を叩けば少しだけ力が緩んだ。
「分かったから、一回離せ。電気つけっぱ」
「戻ってくる?」
「はいはい戻ってくるよ」
一度布団から出て部屋の明かりを消す。このまま帰ろうとも思ったが、情けない声で名前を呼ばれてしまうとどうにも帰りづらい。もっと詰めろ、と言いながら俺はまた悠斗の隣に寝転がった。
「ふふ、健ちゃんだぁ」
「はいはい、酔っ払い」
「へへへ……。かぁいいね……」
「何見てんだよお前は」
いつもは声がデカい悠斗がぼそぼそと喋るのにつられて、俺も小声で返事をする。狭いため背中に腕をまわされても振りほどけず、抵抗するのを諦めた。明日小言を言う方が早い。
その諦めが良くなかったのかもしれない。
「んー?僕がゲーム誘ったら絶対断らないとことかぁ、ご飯すっごく美味しそうに食べるとことかぁ」
「んっ、ちょお前」
「寝てるとき眉間に皺寄ってるとことか、たまに爆笑したとき眉毛が下がるとこも」
「なあってば、あっ」
まわされていた腕が頭を撫で始め、指がたまに耳を掠める。最初は当たっただけかと思っていたが、少しずつ指先が意図を持ち始めていた。まずい、と胸を押し返しても囲い込まれる力が強くなるばかりで、バタつかせた脚は抑え込まれてしまう。少し身体を浮かせて、悠斗は耳に吹き込むように囁いた。
「普段はツンツンしてるのにさぁ?僕には気を許してるんだなぁって思うと、かわいくて仕方ないよ」
「あっ♡も、耳元で、喋んな」
すりすりと耳を撫でられながらそんな言葉を聞かされたら、身体の力が抜けてしまう。居心地のいい場所が、少しずつ甘いココアに沈み込んでいくようだった。
そのままふぅっと息を吹き込まれて身体が跳ねる。思わず顔を悠斗の方へ向けると、今まで見たことないくらい優しく笑っていた。なんだその顔、もっといつもみたいにヘラヘラしてろよ。
内心パニックの俺を置いてきぼりにして、するりと頬が撫でられる。そのまま顔が近づいて、軽く唇が触れ合った。ビールの匂いがした。
「んっ♡」
「口、開けて?」
「も、ここまでに……んん♡」
互いに寝転んだまま緩く舌を吸われて、そのまま口内を蹂躙される。今まで意識したことのない上顎をなぞられると腰が浮いた。鼻から抜ける高い喘ぎ声が自分のものなんて信じたくない。なのに、頭を撫でられながらする悠斗とのキスが気持ちよくて、俺は抵抗を完全に辞めた。
「あっ♡んん……は♡」
「きもちい?」
「んあ♡」
ちゅ、ちゅっと唇を吸われて顔が離れる。口を開いたまま頷く俺は、バカみたいな顔だろう。電気を消しておいてよかった。閉め忘れたカーテンから入ってくる月明りが、俺まで届いていないことだけを祈る。
服の裾から冷気が入って来て身体を震わせる。悠斗の熱い手がひたりと上半身を優しく這うのに合わせて鼓動も早まった。酒なんて飲んでないのに、さっきのキスで酔ったのかと錯覚するほど顔が熱い。腰のあたりを意味ありげに行き来した手は、そのまま胸の突起を触った。
「ここ、弄ったことある?」
「ねぇよ、そんなとこ……ん♡」
「男でもさ、気持ちよくなるんだって」
芯の周りをなぞる指は、肌に触れるか触れないかギリギリのところで動く。感じる場所じゃないのに、どこか期待を持つような錯覚に陥る。服の下で動く手に目が離せないでいたら、悠斗は起き上がって俺に覆いかぶさってきた。もう片方の手がまた耳を触り始める。
「んんっ♡おい耳……っ♡」
「耳はきもちいんだ。いいこと知れたなぁ」
「あぁ!?♡や、それ、むり……♡」
耳たぶをあぐあぐと甘噛みされる。ピアスも開けたことが無いまっさらな耳。初めての刺激が快感なのか理解できない間に、どんどん事は進んでしまう。
ベロリと舐めあげられたかと思えば、尖らせた舌が耳の淵をゆっくり行き来する。逆の耳は穴に指を突っ込まれてざりざりとほじられた。親指で耳の裏を撫でられて、もう何をされているのか分からない。
すりっすり♡ちゅ、じゅる♡
「うぁ♡は、あんっ♡あ、あ……♡や、め♡あ、んぁ……」
「きもちいねぇ。かわいー、ほらここも」
「んぐっ!!?♡あぁっ!♡」
ぴんっ!こりこり♡
優しく撫でられていた乳首を、急に弾かれた。聴覚に直接刻み込まれた快感は全身に回っていて、乳首への刺激が快感と認識するのに時間はかからない。捏ねられるように弄ばれると、もっとと強請るように胸を突き出してしまう。
「ひ、あぁ♡や、ば……んぅ♡」
「おっぱいも気持ちよくなってきた?えらいね」
「あ、♡う、るせ♡あ……んぅ♡あああああぁっ!?♡」
きゅっと乳首を摘ままれて腰が跳ねる。欲を吐き出すには足りない快感が、腹の下でぐるぐると渦巻く。乱れた呼吸を整える暇もなく、ずりっとズボンと下着を下ろされた。既にとろとろと先走りを流しながら芯を持っている陰茎を見られて、思わず顔を逸らす。
「見んなよ、くそ……」
「やば、僕がこうさせちゃったんでしょ?超うれしい」
「……変態」
ぐちゅぐちゅ♡ちゅこちゅこちゅこ♡
竿を握りこまれて扱かれる。先走りを利用されてぬるぬると上下に刺激されれば、髪を振り乱して快感を受け止めるしかできない。自分じゃコントロールできない、緩急のある刺激に頭が溶けていく。
「あああああっ♡そこ、さきっぽ♡♡あ、あぁ……♡はや、あぁ♡♡ん、んん……♡」
「男ってね、ここでも気持ちよくなれるんだって」
すり、と秘部を撫でられる。だめだ、そんなとこ。理性がまた戻って来て、反射で逃げようとシーツを掴む。けど、酔っ払いはそんなこと関係なく、どこからか出してきたローションを身体に垂らしてきた。
「ひっ、つめた……っ♡」
「ゆっくり広げようね」
「そんなとこ、おい!あ、ぐっ……♡」
ちゅぷ……♡
自分の体内に異物が入ってくる気持ち悪さに、身体が追い出そうと力が入った。少し萎えた俺の陰茎をまた愛おしそうに扱いてくる。痛みと快感がいっぺんに押し寄せて、もう頭が回らない。このバカに身体を預けるしかない現実を受け入れ始めている。
ぐっと悠斗が身体を折った。あ、と気づいた時のはもう遅い。
「ちょ、まっ!あ、あああああぁぁぁ!!?♡♡」
「ん、じゅる、きもひいでしょ?」
「しゃ、べんな♡♡あ、あ、あっ!!?♡♡♡やだ、こ、れ♡んあああ♡♡」
じゅぽじゅぽ♡ずる、ずる♡
いつも大口を開けて飯を詰め込んでいる悠斗の口内に肉棒がおさめられる。鈴口をちろちろと舐めながら頭を上下に動かされた。熱くてぬかるんだ口内で、下品な音を立てて吸われて、目の前がバチバチと光る。
「健太は先っぽが好きなんだぁ」
「あっ、はっ♡や、めて♡♡すわな……あぁん♡♡あ、あぁんっ♡むり、こ、れ♡♡でるぅ……♡♡♡」
あと少し、快感を拾い集めようと力が入ったとき、悠斗の指がキュッと曲がった。
「あ……?♡あ、あ、あ!!?♡♡ひ、うっ……~~~~~~~~~~っ!?♡♡」
シーツを手繰り寄せて身体を反らす。腹の奥で感じ取った快感がそのまま痺れるように脳まで駆け巡って、白濁を吐き出した。よがる腰は止まらなくて、何度も悠斗の顔にすり寄せてしまう。
顔に飛び散った俺の精液を拭う悠斗は嬉しそうで、そのまま指を増やしてくる。
「まって♡ねぇ、ああぁ♡♡む、りむりむり!!!♡♡イった!♡イったからぁ……♡♡」
「もうちょっと解さないと。ね、ちんこも一緒だと気持ちいね」
「あう♡ん、あ、あああああぁぁぁ!!♡そこ、やばっ♡」
「きもちい?やめる?」
「あ、やだ♡やめ、んな……♡♡きもちぃ♡んあ……っ♡もっ、と……♡♡ああっ!また、イぐっ♡♡イ……♡♡♡」
「はは、素直でかわい」
パッと竿から手が離された。あともう少しだったのに、なんで。悠斗の方を見ると、そこにはバキバキに勃起した肉棒がぶるん、と下着から顔を出したところだった。
待て、嘘だろ、そんな。
「おい、まて、無理だってそんなの」
「ふふ、だいじょーぶだいじょーぶ」
「やめ、おい、んぅっ!!」
ぬぷ……っ♡♡
唇がふさがれて酸素が頭に回らなくなる。肉壁を押しのけて進んでくる肉棒は熱くて硬くて、デカい。痛い、苦しい、のにやめてほしくない。上顎をくすぐってくる舌に吸い付いて、助けを求めるように首へ腕をまわした。
「んちゅ♡は……、おい、まだうごく、な……ぐっ♡」
「え~無理とまんない」
「うっ、はぁ……う、んちゅ♡」
ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅ♡
汗で張り付いた前髪を払われ、頬を撫でられながら舌を絡める。少しずつ身体の強張りが緩んできたのをいいことに、悠斗は好き勝手に腰を振り続けた。まだまだ苦しさが勝つ中で、もっととキスを強請れば酔っ払いは嬉しそうに目を細めて顔を近づけてくる。
「あっ!♡ちが、みみじゃ……♡ひっ♡♡んんん!!♡♡」
「健太は耳好きだもんね?ちゃんと覚えたよ」
「それっ♡♡あ、やだっ!♡♡なめる、の……きもち、い♡♡からぁ……、ああああぁ……♡」
「かわい。ふ、ふふ、すきだよ健太」
じゅるじゅる♡ちゅ、ちゅぽっ♡
耳の穴にぐりぐりと舌先をねじ込まれる。甘い言葉をささやいて、熱い息を吹き込んで。酔っ払いの言葉なんて信じられない。なのに、なんでこんなときは健太って呼ぶんだよ。
きゅうっと俺のナカが締まるのと、悠斗の亀頭がイイところを同時に捉えた。ぐりっ♡と前立腺がつぶされる。
「あ”っ!!?♡♡♡まって、まっていや♡♡むりむり、む、り”ぃ……!!♡♡」
「ね、健太は?すき?」
「お”っ、お”っ……?♡あ”、あああああぁぁぁ!!♡♡♡ん、あぁ……♡」
「ねぇ、おしえて?」
「あうっ♡あ、あ”あ”あ”……んんんんん!!♡♡は、むり、し、ぬ♡♡♡あっ、お”っ……♡はっ、そこ、やば♡あ、あ、あああああぁぁぁっ……♡♡」
パンパンパン♡どちゅどちゅどちゅっ!♡
締まるのが気持ちいのか、執拗にしこりをめがけてガツガツと腰を振られる。身体も脳も揺さぶられて、碌な受け答えなんてできない。優しい手つきと激しい腰つきで脳みそが処理落ちしそうだった。
そんな俺が面白くないのか、悠斗は俺の半勃ちしている陰茎をまた擦り上げる。
「ばかっ!!♡♡いっ、しょ、は!!!♡むり、むりむりむりぃ!!♡♡あああああぁぁぁ……♡お、かしく、んぁっ♡な、るぅ……♡♡♡」
「ほら、健太は僕のこと、すきっしょ?」
「あぅ♡うん、うん♡♡すき、すきぃ……♡♡♡あ、も、でかくすんなぁ……」
「かわいいのが悪い」
ミチミチと音をたてるかのようにまた入っている質量が大きくなる。ぐりぐりと最奥に亀頭を押し付けられると痛みの奥に快感が見えて怖くなった。そうしてるのは悠斗なのに、引き寄せて縋りつくしかできない。しかし悠斗は俺の竿から手を離さず、そのまま律動を早めた。
「は”、あ”っ♡♡♡も、やだっ♡あ”♡あ”、お”っ♡こわ、い!こわいぃ♡きも、ちよすぎて♡♡あああぁんっ!!♡も、ちんこ、やめ♡♡んんんんんん!!!♡♡♡」
「かわい、だいすき、すきだよ健太」
「はっはっ♡イぐ……!♡ふっ、んん♡♡も、イく、からぁ!!♡やめ、ま、うう♡♡あっ♡あ、あぁ、イ……っ!あああああああああああぁぁぁん!!あ”、あ……っ♡ね、まっ、とまれ、よぉ!!♡♡」
どぴゅっ♡パンパンパン♡ぐりっぐり♡
寸止めされていた熱が解放され、二人の服を汚した。そんなのお構いなしにまだ腰を振り続ける悠斗。ぎゅうっと抱きしめられて激しく打ち付けられてしまえば、与え続けられる快感から逃げられない。シーツを蹴って足掻いても無駄で、自慰じゃ見えない向こう側に引きずり込まれていく。
「やめ♡とまって、ねぇ!♡♡ああぁぁんッ!!♡♡イった!!イった……っ♡♡て、ばぁ……!」
「は、かわいい。きもちぃ?」
「きもちぃ!♡きもちぃからッ♡♡や、め……あ”ああああああああああぁぁぁ!!!♡♡う”っ♡んあっ♡しぬ♡」
もう顔中が涙と汗と涎まみれでぐちゃぐちゃ。気持ち悪いのになにもできず喘ぐことしかできない。ふっと乗っかってた重さが無くなる。ぼんやりと見える悠斗の顔は酒か興奮かで赤くて。揺れる視界が悠斗の顔で埋まるのと同時に、両耳を隠すように手のひらが頭を包み込んだ。
あ、これヤバい♡
口内を蹂躙される水音が頭の中に反響する。生々しい音がダイレクトに送り込まれて腰が痙攣した。容量オーバーの情報が流し込まれてくる。やめさせようと腕を掴んだって、碌な力が入らないそれは強請っているようにしか見えないだろう。
唇が離される。もう舌を仕舞う余裕もなく、犬のように酸素を取り込む。すりすりと両耳の穴をほじられて、背中にビリビリと逃がせない快感が走った。
「ね、僕もイってい?」
「はぁ、はぁ♡♡ふ、うん♡いいよ、あっ♡あ、はげし……っ♡♡ん”んんんんん!!♡♡み、み!やめ♡♡ああぁぁんッ!♡あ”っ♡きもち……♡♡」
「もう、ちょい……」
がちゅんっ!♡♡♡どくっ、ぐりぐりっ♡♡
「あ”ぁっ……♡」
「はっ……きもち……♡」
「んっ、あ……♡あぁ……」
熱いものがじんわり腹の中に広がっていく。塗り拡げるように動く肉棒に合わせてまた嬌声が漏れた。
ずるりと引き抜かれるのを見やれば、俺の陰茎からはとろとろと勢いのない精液が流れていて、何も考えたくなくて目を閉じた。
「で、なにか言うことは?」
「健ちゃん声がっさがさだね」
「ちげぇだろ……」
先に目を覚ましたらしい悠斗に起こされ、昨夜のことを話したらこれだ。記憶はあるらしいのになんでこんなケロッとしてんだこいつは。普段運動をしない俺の足腰は使い物にならず、ベッドに寝そべったまま文句を垂れていた。
「腰いてぇ……」
「お腹空かん?とりま何か食べよー」
「あー、もういいよそれで」
二日酔いもなく元気そうにキッチンへと向かう足音を聞き流す。尻の違和感をどうにかしたいが、正直腕一本動かすのが億劫だ。溜息をついて枕に顔をうずめていると、どたどたと忙しない家主が嬉しそうに戻ってくる。
「ねーねー!あのみそ汁健ちゃんが作ったの?!珍し!」
「あー……忘れてた……」
「温めてるから食べよ!ご飯もチンしちゃお~」
なんかめっちゃ嬉しそうだし、めんどいことは後回しでいいか。あいつ全然変わらないし、このままでも。とろ、と流れ出る感覚とその奥の快感を忘れようと、また目を閉じた。
そのあと、俺が作ったみそ汁はとてつもなく味が薄くて笑われるのはまた別の話。
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