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君と同じ空を見ていたい 2

「邪魔しちゃったかな……」 東のクラスは次の時間が体育な様で、東はTシャツにハーフパンツという体操着姿で立ちすくんでいた。 僕らが関係を結んだ日も、東とこんなやりとりをした気がする。 僕は急に乾いた声を絞り出す。 「邪魔じゃ……ない。」 千春は何やら察した様で、意外という表情で、僕と東の顔を交互に見比べる。 「おい、穂影……まさか、あいつが?」 まぁ、普通如何にも純粋無垢な東が僕の恋人だとは思わないよなぁ。 「心配すんな。あたしはただの幼馴染だよ。……二人で話すべきことがあるんだろ?邪魔者は退散するよ。」 流石、男前と言うか何というか。 千春はすぐに退散する準備をする。 「ここのゴム好きに使っていいから。」 「ちょ……」 去り際に要らない気遣いを耳元に囁くあたりは、空気が読めるのやらなんなのやら。 千春は去り際に戸惑う東の肩を叩いて、大事にしてやれよ。と一言呟いて去ってしまった。 風の様な女である。 「えっと、東……こっち入ってきて。」 「う、うん……」 東は体育倉庫の扉を閉めて、ひょこひょこと僕の座っているマットの隣に腰を下ろした。 お互い、何を話したらいいのかわからず、無言の時間が続く。 春の麗らかな陽気とは裏腹に、僕は緊張とよくわからない罪悪感で、胸が張り裂けそうだった。 「俺……穂影と奏が二人でくっつくなら、それでいいと思う。」 「……」 きっと、東ならそう言うだろうと思っていた。 東なら自分の気持ちを押し殺してしまうと分かっていた。 だから、僕と東の二人ではうまくいかない。 三人揃っていないとダメなんだ。 「穂影と奏が幸せになってくれたら、それで俺も幸せだから。」 いや、東は我慢などしていないのかもしれない。 他人が幸せである事が東にとっても幸せなのだ。 自分よりも他人の幸せが嬉しい。 僕や奏にはない、東の優しさ。 そんな東の優しさに僕は惚れているのかもしれない。 「だから、奏と二人で付き合いなよ。」 微笑んでいた。 大事な人を二人も失うかもしれないのに、それでも東は微笑んでいた。 そうだ。 僕や奏だけじゃない。 東も不器用なのだ。 「……東……好き。」 「……穂影……ズルいよ。」 「奏にも言われた。自分でもズルいと思う。でも、僕は、東も、奏も、三人揃ってなきゃイヤなんだ。ズルいんだ。ワガママなんだ。奏と僕二人でも、東と僕二人でもダメなんだ……」 都合のいい事ばかり言っている気がする。 端から見れば可笑しいのかもしれない。 それでも、三人でいることが、僕らの幸せなんだ。 東は優しい微笑みを浮かべたまま僕の言葉をひとつひとつ頷いて聞いていた。 「俺も……そう思うよ。でも、奏は同じ風に考えてない。奏は穂影だけを愛してる。奏には穂影が、必要なんだ。俺は二人の友達でいいからさ。だから……」 僕は東の口を自分の唇で塞いだ。 終わりのない議論なんて、する気にはなれなかった。 勢いのままに押し倒して、服の上から東の胸の突起も弄る。 「んっ……あっ……ちょっと……穂影……んっ……まだ話して……」 「やっぱ東エロい。」 「んっ……穂影。こんな事………してる場合じゃ……ないのにっ……」 快楽に流されやすい東が、必死に抵抗をしている。 それだけ東も思い悩んでいるのだろう。 「奏が、俺の事好きだっていうなら、奏に東も惚れさせる。東は……俺の一部だから。」 再び、東に口付けをする。 僕の言葉に緊張の糸が切れたのか、胸への愛撫で東の目は蕩けてくる。 「んっ……ちゅっ……ほら、東の顔はこんなにエッチで可愛いんだから。」 「ほかげっ……んっ……」 「やばい……抑えきれない。」 こんな時にまで発情するのは自分でも情けないと思うが、東がエロすぎるのが悪い。 というより、自分らしくもなく重く考えすぎていたのだ。 なんの事はない。 いつもと同じ様に、相手を落とせばいいだけ。 今回は自分ではなく東を使ってだが。 自分の一番得意な事ではないか。 「大丈夫……こんなにエッチで可愛い東なら、直ぐに奏を落とせるよ。」 股間を撫でると既に東のモノは勃っていた。 数日間もセックスをしていないのは久々なので、一度始まったら歯止めは効かなかった。 東のベルトに手をかけ、早々とハーフパンツもパンツも下ろす。 東の可愛らしいモノがピンと張った姿は、背徳感といやらしさが相まって、いつ見ても淫靡だ。 というか、体操着ってエロいよね。 白ソックスと、Tシャツだけとなった東の姿はなかなかマニアックでそそる。 「ほかげぇ……だめっ……んっ……」 小ぶりなモノを咥えると東の身体は大きく跳ねる。 二人で普通にヤることも実は少なかったので、意外に興奮する。 いや、実際エロい。 「んっ……ちゅぱっ……んっ……どぉ?気持ちいい?」 「あっ……だめっ……ダメだってばぁ」 「こんなところでエッチしてバレそうで興奮する?もしかしたら奏も来るかもね。」 その言葉に口の中の東のモノがピクリと反応する。 やはり、東は僕も奏もどちらも好きな事は変わっていないのだ。 絶対に奏に東を惚れさせる。 モノを咥えながらの最低の格好で、僕は心に誓った。

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