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『大きくなったら、僕と結婚してね!』
愛らしくそう言われたあの日、ただの子どもの冗談だと思っていいよと返事をした。
それから何年経ったことか。
今俺の後ろにいるのは、愛らしさはなんとなく残ってはいるものの、それ以上にかっこよくなった裕貴 である。たまの休日だからと家でのんびり過ごしているはずなのに、俺は裕貴にもたれかかる格好になっている。
「あのさ……疲れないの?」
「んーん。まーちゃんとくっつけて嬉しいからもっと寄っかかって」
「……俺が落ち着かないんだけど」
すっかり背の伸びた裕貴は、気付けば同棲する恋人になっていた。成人した途端、裕貴の方から熱烈に告白してきて、俺はあまりの勢いに受け入れて。いつの間にか裕貴に堕ちて。
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