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◉2◉思惑_4(⚠️強⚪︎有り、SM・暴力系です)
「えっ、どっ……、なんで? て、鉄製なのに……嘘だろう?」
男の顔は、ものすごいスピードで青ざめていく。
それはそうだろう。俺は色白の細身で中性的な顔をしている。一見すると頼りなさそうなこの見た目のせいで、体に自信のある男にいいように扱えると思われがちだが、そうはいかない。俺は生まれつきのクラッシャーだ。人も物も、いつも上手に壊していく。今回はそれが手枷のチェーンだった。ただそれだけだ。
「残念だったなあ。こんなもんすぐ壊せるんだよ。こう、手首をスナップさせてバキーンってな。——で、どうだった? 毎日支配したつもりの生活は。いやぁ、俺も楽しかったンだよ。だからさあ、お返しに……」
男は蒼白な顔のまま、何が起きているのかを理解出来ていないようだった。この阿呆っぷりがまた俺を昂らせる。逃げようとするその情けない姿を見ていると、その手足をバキバキに折って閉じ込めてやりたくなった。
これまで散々痛めつけていた相手が、実は自分より力が上だと知った男は、恐怖の中に突き落とされたのだろう。これから自分がどういう目に遭わされるのか、それを考えるだけで震えているようだ。
「——ああ、そんなイイ顔するなよ。まだ突っ込んでないのに、もう出ちまうだろ? 勿体無い」
俺はそう言って、これから男の中へ入るものを握らせてやった。すると男は、小さな悲鳴を上げる。逃げようとしているのか、体を左右に大きく振って暴れた。
「っ……。おい、握ったまま動くな。じっとしてられないなら、仕方がない」
俺はそばに落ちていた縄を使って男の両腕を後ろ手に拘束し、片手で尻たぶを割り開く。騒ぐ男の口に指を突っ込んで黙らせると、時折使ってくれていたローションを男の体にぶっかけた。その意味を察してさらに大きな恐怖に呑まれたのだろう、男はピタリと動きを止める。そこを一気に穿った。
「——ンっ……ぐううう!」
痣だらけになった俺の体の下で、がっしりとした大男がもがいている。その姿をみていると、ぞくりと体が震えた。
「ああ、いい反応だ。たまんねえな」
ギチギチと音が聞こえそうなほどにキツイ場所を進みながら、俺は激しい興奮に溺れていった。
初めての衝撃に震えている男の体に手を回し、胸の尖を摘んでやる。すると、大きな口を開けて喘いだので、俺の指が口からずるりと抜け落ちた。
「あっ……!」
「やっぱりなあ。あんた、俺を嬲りながら羨ましくなってったんだろう? だからここつねっただけでそんなになるんだよ。ほら、見てみろ。被虐嗜好なのは俺じゃなくて、あんただよ」
そう告げながらシーツを濡らしている男の鈴口を指で擦る。男はそこで初めて自分が痛みに反応していることに気がついたようだ。
「え? あっ、何っ……で」
「何でも何も、あんたがMだからだろう?」
そう告げられた時の男の顔は、抜かずにどこまでいけるだろうかと思わせるほど俺を興奮させた。
「お、おれ、が……?」
「そうだよ。だから、思いっきり絶望させて、目一杯嬲られるデビュー日をあげようと思ったんだ」
「デビュー……? どういうことだ?」
「——Mとしてのデビューだよ。俺は今から嫌がるあんたをめちゃくちゃにしてやる。ドSでMを虐めることが生き甲斐だと思ってたあんたを、豚のように泣かせてやる。もうやめてって言いながら嬉しくて出しちまうような毎日をあげる。——逃がさないからな」
その言葉に、男は泣き出した。
それはそうだろう。一月の間暴力に耐え、反撃の時を狙っていたのならまだしも、立場を入れ替えるチャンスを狙っていたなんて、正気の沙汰じゃない。
自分がその支配される側に回ったのだという絶望が、男の心を完全に折ってしまったのだ。俺はそれを見ているとまた昂り、うっかりそのまま射精してしまった。
汚ねえ泣き顔はやっぱりいい。
そのまま、昂るままに肩を思い切り噛んだ。
「っぎゃあー!」
「ははは、いい声だなあ。——さあ、楽しもうぜ。お前がしてきたことの全てを、俺がお返ししてやろう」
絶望に満ちたその顔をみて、俺は息を切らす。
俺は、この瞬間のために生きている。この瞬間のためだけに一月耐えていた。
今はただ、この喜びに浸ろう。
そう心に決めて、俺は男に腰をぶつけることに専念した。(了)
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