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【追記】登場人物紹介 ※ネタバレ含む※

◎|椚木《くぬぎ》マヤ(摩耶)(170くらい)女  《見目》 153㎝ 35㎏ 小柄で細身。ワンピースを着こなしているイメージ。 日本人形のような真っ黒な長い髪、前髪はパッツンで姫カットかな。 《出自と所属》 白川家→椚木家(華族・侯爵家) 警察庁公安部特殊係13課オカルト担当 《性格と概要》  幕末に公家の娘として生を受ける。白川家(花山院の流れをくむ)家柄で、明治に入り姓を椚木と改める。堂上華族で侯爵家の令嬢だったが、十七の時、怪異に巻き込まれ死にかける。強い法力を受け継ぐ白川家の中でも魂繋術を駆使する稀有な家柄である椚木家を狙った襲撃だった。魂のみを魂魄師の墨に救われ、傀儡師の黛に体を与えられる。  巻き込まれた怪異でマヤ以外の家族は全員死亡。家の存続も危うかったが、13課に助力する約束で椚木家の存続を約束される。以来、令和に至るまで13に所属している。  マヤの霊能は怪異の欠片から繋がりを見付けて大きな怪異を探し出す。命脈の欠片を繋いで命脈を手繰り寄せながら、その先に起こる未来を予言する。命脈をコレクションするのはマヤの趣味だが、忍はその趣味を頼りにしている。  昔は侯爵令嬢にありがちな「世間知らずなお嬢様」だったけど、百七十年も人間やってるうちに、今のような淡々とした性格になった。動じたりしないのは元々の性格で、知識欲や好奇心が強かったのも昔から。自分の霊能を理解してからは、命脈の欠片探しに没頭するようになる。13課はマヤにとって生き易い場所。忍を信頼している。死にかけた時の怪異の恐ろしさが、13課に所属する、もう一つの大きなきっかけだった。  実は『まやかし命脈コレクター』というタイトルで独立した話を書く予定だったのを、仄暗に取り込みました。そのうちスピンオフ書くと思います。 《性》  セクシャリティとしてはパンだと思うけど、きっとセックスとかは、今更しないんだろうと思う。 ◎|黛《まゆずみ》|由依郎《ゆいろう》(190くらい)男 《見目》 198㎝ 85㎏ 体重は傀儡の重さ。身長の大きさは相手を威嚇するため大きめにしている。 綺麗な黒髪をオールバックにして片眼鏡《モノクル》をしている。 暗めの色味のスーツが好き。 《出自と所属》  適塾で育った孤児だが、白川家に引き取られた。  故に国学、医術、剣術の嗜みがある。傀儡術は白川家で習得。  白川家→椚木家  警察庁公安部特殊係13課オカルト担当 《性格と概要》  椚木家が白川家だった頃から仕えていた執事。幕末の白川家での黛はマヤ(摩耶)の身辺警護をする侍であり勉学を教える先生だった。椚木家が怪異に巻き込まれ一家が全滅しかけた事件で、黛も死にかけた。魂魄師である墨に救われ、白川家で覚えた傀儡術でマヤの体を再現した。それ以降、椚木家とマヤを守るために、生きている。黛の魂のメンテも墨がしている。自分の傀儡の体は自分でメンテしている。  下の名前は恥ずかしいのであまり名乗りたくない。 《性》  HL。昔はマヤに密かに恋していた。幕末当時でマヤは十七歳、黛は三十八歳だったけど、淡い恋心はあった。令和の今は完全なる主従だけど、マヤを想う気持ちは恋情なんかより遥かに重い。  黛もマヤと同じで傀儡だからセックスとかはしないんだろう。出来なくはないんだろうけど。 ◎|墨《すみ》(?)女 《見目》 160㎝ 45㎏ 黒髪を後ろできゅっとたばねてメイドさんらしいヘッドドレスをしている。 落ち着いたデザインのメイド服に編み上げブーツ。 なるべく人の印象に残らないような平坦な顔(に化けている)。 《出自と所属》 熊野 白川家→椚木家 警察庁公安部特殊係13課オカルト担当 《性格と概要》  椚木家が白川家だった頃から仕えていた給仕係。  白川家は日本で唯一魂繋術を操る家柄であり、魂に関わる術が禁術と定められるより以前から、その術を駆使してきた家系。白川家だけが魂繋術を合法として許された理由は、花山院が使役していた式がいまだに仕えていたから。  墨は花山院が使役していた白と黒の狐の黒い方で、魂を繋ぐ魂魄術を使う。花山院の頃から白川家、ひいては椚家を支え続けている。  マヤを愛してやまず、毎日マヤを可愛らしく飾り付けるのが大好き。魂を磨いて絶対に朽ちないようメンテナンスしている。 《性》  パンセクシャル。だけど今はマヤしか愛してないから、レズかな。  マヤが好きだから、マヤを愛している黛もついでに大事にしている。 ◎|喜多野坊《きたのぼう》(1000以上)  月山連峰・鬼面山に住む天狗の頭領。  白髪ながら筋肉隆々の大きな体躯を誇る体力自慢の爺さん。勿論、神通力も強い。祓戸の神々とは仲良しだが、特に気吹戸主神とは飲み友達。直日神とも面識アリ。  お調子者だが気の良い爺さんで、決めるところは決める。智颯が可愛くて仕方がない。 ◎|南月《なんげつ》(1300以上かな?)女  そもそもは東北地方に住んでいた人狼だったが、住処を追われて伊吹山に避難していた。たまたま出会った花笑調と共に旅をして武蔵に落ち着く。調の従者として共に生き、その子孫たちとも生きてきた。  大正期、花笑正が南月山に人狼の里を作り、種を封じてからは、主を待つ日々を送っていた。  円が連れ帰った三匹の人狼は南月の一番若い子供たち。  今は正が作ってくれた人狼の里で仲間たちとのんびり暮らしながら、毎日サキイカを供えて、連のお墓参りをしてくれている。 ◎|茶々《ちゃちゃ》(700くらい)女  北温泉の管理人に飼われている猫。実は何百年も生きている猫又で、|妖《あやかし》宿・岐多温泉の管理者。月山連峰の妖怪を束ねる代表でもある。空間術が使えるくらい妖力が強い。 ◎|朱華《しゅか》(2か月くらいか?)  直桜の神力と護の血から作った|厭魅《えんみ》。呪具技工士の垣井穂香が作った呪具であり、人形の眷族。初めは話せなかったが、護が鬼力を得て話せるようになった。  面倒見の良い兄貴肌の格好良い性格ながら、見た目は可愛い猫のあみぐるみ。色は落ち着いた感じのサーモンピンク系。穂香の趣味。  何のかんのと保輔と良いコンビになりつつある。 ◎|伊吹《いぶき》|弥三郎《よさぶろう》  伊吹山に住む鬼。三十年前に陰陽師連合に討伐され絶滅したが、遺体の腕と目玉を綾瀬が理研に持ち込んだために保輔の一部となった。  化野の鬼と同じくらいに歴史が古い鬼で、直日神の惟神であった伊予が嫁いでからはその霊元に神力を宿した。  それ以降、伊吹山の鬼が喰うのは人間の霊力や霊元。故に弥三郎は人と距離を取り、霊力が強い人間の女を嫁として娶っていた。  住処を追われた妖怪が身を寄せる最後の砦だった伊吹山には多くの妖怪が集まった。故に知り合いも多い。  先代の弥三郎と化野の宗主・善治(護の父親)は親友。 ◎|伊予《いよ》 女  直日神の惟神。まだ惟神が直日神と枉津日神しかいなかった頃、千年くらい昔の惟神。姉御肌で気風が良い性格。伊吹山の鬼に嫁いだ。弥三郎を尻に敷いていたけど、仲良し夫婦だった。 ◎|花笑《はなえみの》|調《しらべ》  熊野生まれで京に上り宮仕えをしたが性に合わず旅に出る。旅の途中で知り合った弥三郎と伊予に「折伏の種」を貰う。その後、東北などを巡り最終的に武蔵に落ち着く。多くの人々を救いたいと考えた調は主を持たない草となり、一族は呪禁術を使う草として現代まで続いている。 「弔いの弓」は調個人の能力で、子孫に引きつがれていない設定だけど、今後どうするかは現時点で未定。  誰かに持たせてもいいかな、円の兄ちゃんの始とか。ただ、始が出てくる予定がないのでわからないですね。 ◎花笑|正《せい》(19)女  大正期の人。花笑の種を有していたが、大事な友人である人狼に妖怪を殺させるのが辛かった。また、バディである隼人が折伏を嫌っているのも知っていたので、人狼にゆかりの地である南月山に里を作って放った。二度と種が芽吹かぬように、鬼面山の天狗と契りを交わし、種を封じた。(それについては花笑の一族に口止めをしていたので、喜多野坊は内緒にしていた)  力を落とした正では隼人を支えられずに、ある事件で隼人を死なせてしまう。この事件で負った傷が元で正も死んでしまう。 ◎|峪口《さこぐち》|隼人《はやと》(20)男  大正期の気吹戸主神の惟神。正のバディだったが、花笑が妖怪(人狼)を折伏して使役する術に嫌悪を持っていた。自分の想いがきっかけで正が種を封じ人狼を捨てた経緯に心を痛め、考えを改めて迎えに行こうと話そうと思っていた。その矢先の事件で、隼人は正を庇って大怪我を負い死亡。その後を追うように正も亡くなった。 ◎|穂積《ほつみ》|連《れん》(15)男  理研生まれの少年。霊元がなく生殖能も平凡だったためにbugのレッテルを張られる。(理研でbugのレッテルを張られる個体は、正確には生存に必要な何かが欠損している場合が多いが、それは本人たちには知らされていない)  集魂会送りになり逃げだした所を一度、保輔に保護されるも、更に逃走。結局理研に連れ戻され、天磐舟送りに。『穢れた神力』を長期間流し込まれ(何なら風呂に入れる勢いで全身に浸潤させられ)、霊元がないのに穢れた神力が使えるようになる。  本人は戸籍がもらえたと思っていたが、実際は処分前提の被験体だったので、貰えたのは名前だけ。  理研にいた頃は、保輔と一緒に研究所を抜け出してサキイカを買いに行っていた。本当は保輔が大好きで保輔の特別になりたかった。一緒に幸せになりたかった仲間の一人。気持ちを拗らせてあんな感じになりました。理研には連と同じ思いを抱えてる子らがたくさんいます。  最初から殺す前提で作ったキャラだったけど、連が死ぬシーンは泣きながら書きました。保輔ごめんね。 ◎|猫鬼《びょうき》  蠱毒で生み出された呪いが妖怪化した。妖怪連に属する五妖の一人。人間の負の感情を吸うほどに強くなる。  |惚《とぼ》けた性格の、ちゃっかり者。強い相手に取り入るのが巧い。一応、名前もあるんだけど、本編に出てきたら書こうかな。 ◎|阿久良王《あくらおう》  鬼ノ城に参する鬼。妖怪連・五妖の一人。温羅の命令で妖怪連に属している。  吉備国喩伽山に住んでいたが坂上田村麻呂に討たれ、白狐となり喩伽大権現の使いになっていた。元は人間で、桓武天皇の皇太弟である|早良《さわら》親王だったが、その頃の記憶はない。  温羅の妖術で現世に呼び戻され、悪鬼として蘇った。  小柄な体形で俊敏な、霧使い。霧に自分の妖術を混ぜて霧散して相手を弱らせたり、霧に乗って移動したりできる。  一見、淡々としているけど、戦闘が楽しいし強い相手とやり合うのも好き。  鬼が人を喰うのは普通だし、それに対して罪悪感もない。むしろ何故非難されるのかなくらいにしか思っていない。  同じ鬼には仲間意識があるので、鬼ノ城に連れ帰りたい。護のことが気に入ったので、迎えに行こうと思っている。 ◎|温羅《うら》  吉備の鬼ノ城の頭領であり、「吉備の|冠者《かじゃ》」たる鬼。強い妖力を持つ。妻は阿曽姫、弟は|王丹《おに》。他にも当時は自分を討伐した吉備津彦命や稚武彦命などの反魂をして鬼化し、従えている。兵力を蓄えるため、鬼を中心に豪の者を集めている。  温羅が今になり兵を集めている理由や、阿久良王を妖怪連に配置している理由は、後の本編で。 ◎|澱《おり》  角ある蛇の長であり、稜巳の父親。武蔵一帯がまだ沼地だった頃に住んでいた一族。人間がなだれ込み、埋め立てて住めなくなってからは日本中を転々とし、最終的に伊吹山に居を移した。神格化した蛇であり、土地神だった。角ある蛇が去った武蔵は神力が落ちて結界が弱っている。  強い妖術を持ち武力に長けるが、穏やかな種族。一度、戦が始まると強いので、好戦的と勘違いされがちだが、本当は静かに暮らしたい。  武蔵では反魂香の群生地の管理者でもあった。角ある蛇が武蔵を去って以降、武蔵の地の反魂香は絶滅した。 ◎イト   土蜘蛛の一族の長。角ある蛇と同様に古くから武蔵に住んでいた。沼地でなくても暮らせるが、角ある蛇と共に生きるため武蔵を去り、伊吹山に移った。  人間とは昔から反りが合わず、西方に住んでいた頃(神話の時代)から討伐やらされているので人間が大嫌い。話し合う気はないし、何なら全滅すればいいと思っている。仲良しの弥三郎や澱が止めるからしないだけ。伊吹山討伐の時は気に喰わない人間をガンガン虐殺出来て、イト的にはスッキリした。 ◎|稜巳《いづみ》  角ある蛇の長・澱の娘。封印がすべて溶けて本来の姿に戻り、同時に記憶も戻った。反魂香を飲み込んでその身に宿す特異体質だったため、両親に大事に育てられすぎた箱入り娘。世間知らずだが、気が強い。  封印されていた稜巳が英里や紗月に話した記憶は、あやめに呪術で移植された記憶だった。  今後の扱いに困る性格だなぁと作者的に思うが、できれば稜巳には優士の隣にいてほしい。  立ち位置的には今後も確実にキーになるキャラだから、絶対に登場します。   ◎|暁《あかつき》|薫《かおる》(20)女  綾瀬明和に霊能を見いだされ13課に所属する。綾瀬が13課を去った時に一緒に引き抜かれたが、本人はずっと13課の仕事だと思っていた。  伊吹山の討伐の事後処理で山に入って以降、行方不明になる。幽世の住人に誘拐されました。  作者の別作品『現代で異能無双してたら手違いで異世界に連れていかれて魔王の城を護る羽目になった挙句、奥手の魔王にやんわり愛を注がれ続けている』(←HLです)の主人公・ミュゼです。  弥三郎の助言通り、記憶を喰ってくれる妖怪に会えました。薫には幸せになってもらいたいよねぇ。 ◎|綾瀬《あやせ》|明和《めいわ》(内緒)男  三十年前の天磐舟のリーダー。陰陽連に裏切られ天磐舟ごと消されかけるが、理研の安倍忠行に匿われる。それ以降、理研の研究に貢献している。天磐舟に入る以前は13課の術者で修吾の父親・佐和のバディだった。  理研に囲われ静かに生きてきた綾瀬が何故、今になり動き出したのか。久坂部真人は何者なのか、他にも魂を分け与えた人物がいるのか。修吾の父親である|榊黒《さかぐろ》|佐和《さわ》は本当に綾瀬に殺されたのか。綾瀬の本当の目的とは何なのか。  書き出したら解決していない伏線ばっかりでビックリ。Ⅴ以降の本編にご期待ください。 ◎|饒速日命《にぎはやひのみこと》  物部一族のの先祖神。天磐舟に乗り、最初に葦原中津国に降り立った神様。土着の民だった|長脛彦《ながすねひこ》と新地開拓をしていたのに、神武天皇を受け入れて、邪魔になった長脛彦をあっさり討伐しましたね。そういう神様です。  本作の中では、ソコソコ優しい神様に書くと思いますが、優しさを吐き違えた神様になりそうな気がします。大勢を救おうとして、もっと大勢を危険に晒す愚鈍というかね。そのくせ、ちゃっかりベスポジに居座るのが饒速日であり物部だけど、この話の中では、どうでしょうね。そうはならないかな。饒速日命が物部の血筋になっていくわけだから、この国にはなくてはならない神様ですよ、と言い添えておきます。

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