「やあっ、まだ、イって…あっ、ん」 トコロテンしていつもより絶頂してる時間が長くて辛いのに、八雲さんは容赦なくナカに入ってきた。 しかもゆっくりじゃなくて確実に前立腺目がけてくるから、気持ちいけど辛い絶頂がなかなか終わってくれない。 「んっ、ふぅ、んっ…」 「すごい、こんなにとろとろさせちゃって…」 「んんぅ…んっ」 肩を噛む力がどんどん強くなっていって、口の中に鉄の味が広がり始めた。 八雲さんが突いてくるたびにイきながらイって、歯はどんどん食い込んでいって…もうなにがなんだかよくわからなくなってくる。 さっきまで気持ち悪く残ってた山本の感触も、とっくになくなっていて。 今はもう、八雲さんのことしか感じられない。 「はっ、南、キスしたい」 余裕のない声でそう言われて、応えないわけがない。 「んっ、あっ、オレ、もぉ…」 八雲さんは相当焦っているのか、オレの髪を掴んで肩から離す。 理性なんかなくて欲丸出しの八雲さんも、すごい男っぽくて好き。 優しくしてくれるのも好きだけど、たまにこういうことされるとギャップがすごくて、その度にまた好きになる。 「南っ」 「ふ、あ…やくもさ…ん」 お互いが相手を求めてやまないような、子どもみたいな深いキス。 八雲さんはいつものキスより下手くそで、でもそのぶんオレを求めてくれる。 潰れちゃうんじゃないかってぐらい身体をくっつけて、しっかり抱きしめて。 八雲さんの腰は、相変わらずオレのいいところを狙って外さない。 浴衣はとっくにお互い肌蹴てて、八雲さんの細身だけど筋肉がしっかりついてる胸元なんか丸見え。 誰もが羨むようなモデル体型だと思う。そこももちろん大好き。 「んっ、んっ、や、ぁ…きもち…！」 「俺も…すっごい気持ちいい」 嬉しい。 オレで感じてくれてることが、すごく。 首に回してた左腕をするする下ろして、八雲さんの腹筋の割れ目をなぞる。 好き。この身体にいつも抱かれてるんだと思うと、すごく興奮する。 しばらく胸板から腹筋を撫でて堪能してたら、八雲さんの方から唇を離した。 激しいキスをしたあとの2人の口元には、銀糸が繋がっている。 「あ……」 キスが終わって、つい物足りなそうな声を出してしまった。 「なに？さっきから誘ってんの？」 「ひ、あああっ！？」 八雲さんが腰を捻じ込むように押しつけてくる。 前立腺をぐりぐりされて、もう意識がとんじゃいそう。 「や、あんっ…も…！」 また一段と強い刺激に、八雲さんを締め付けながらイってしまう。 「んっ、」 八雲さんも少し苦しそうな声を出しながら、アツイものがナカに注ぎ込まれるのがわかった。 「ぁ…すき…やく、さ…すき…」 「もうっ…そんなこと言われると止まんないから…！」 「ん――っ！」 もう外でシてるなんてお構いなしに、八雲さんはオレの片脚を持ち上げてさらに打ち付けてくる。 もう、気持ち良すぎてしんどい。 オレに対してこんなに欲を打ちつけてくれるのが、嬉しい。 オレが着てる浴衣は、もう服としての意味を為していなぐらい乱れてて。 「お、く…あたっ、て…んあっ」 「ほんと、たまんないっ…」 八雲さんの肩を噛むことも忘れて、ただただ感情のまま泣きじゃくる子どもみたいに喘いで。 静かな境内には、オレの喘ぎ声とぱちゅんぱちゅんと肌がぶつかるやらしい音だけが響いていた。