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第30話 王子のいたずら ※
シュカ王子に出会い、王宮へ連れてこられてからはや2日は経とうとしていた。
僕は王宮の離れにある、小さな小屋で過ごしていた。何年か前に、獅子を育てていた小屋らしい。その獅子は、数年前に流行病で死んでしまいそれ以来この小屋は使われていないのだという。
小屋といっても小綺麗な小屋で、獅子が暮らしていたとは思えないほど人間向けの小屋だ。僕は備え付けのベッドに横たわり、ジスからもらったネックレスを撫でる。こうしていると、ジスとの楽しい思い出が蘇ってきて、少し落ち着く。そのかわり、とてもジスに会いたくなってしまうのだけれど。
小さな窓から夕焼け色の空が見える。1日2食の食事を与えてもらいながらも、テルー城で過ごした日々とはまるで違う扱いに、僕の身体にはストレスが蓄積されていく。
「……ジス」
ベッドの中で、自分の身体に触れる。前に、ジスがしてくれたみたいに。人差し指と中指を口に含み、唾液をつける。それを自分の胸の飾りに馴染ませていく。くるくると軽く撫でていれば、胸の突起はすぐに勃つ。洩れでる声を潜ませながら、そろそろと下のものに手を添える。筒型にした手の中に、腰を埋める。先端から溢れる先走りを滑りにして、何度も腰を揺らす。そのたびにベッドがギシギシと音を立てる。
「……ん……ぁ」
もっとしてほしい。ジスの手の中で吐精したい。
そんな欲望を想像しながら、自分の手はジスの手だと念じる。そうすると、本当にそう思えてきて僕はぐちゅぐちゅと鳴る手の中に屹立を押し挿れる。
片方の手で蕾を撫でていく。お腹の奥底がぐつぐつと煮立つような感覚に、下半身が欲を解放したいのだと訴えてくる。僕もすぐに果ててしまいたくて、手を動かすのを早める。
「おい」
「っ」
不意に小屋のドアが開き、シュカ王子が入ってきた。僕は慌てて下げていたズボンを上げる。
見られた!?
「続きはしなくていいのか?」
シュカ王子は、僕の隣に腰掛けてくる。僕は目線を合わせられず、びくびくしながら俯いていた。
「なら俺がする」
シュカ王子が僕のズボンを下ろしにかかる。抵抗したけれど、シュカ王子の力にはかなわなかった。シュカ王子は既に張り詰めているそこを手で包む。その指淫は僕の腰に甘く響き渡る。
「……ぁ……」
「どうだ? ここはさぞ気持ちいだろう?」
「……ぁぁあ」
シュカ王子の指先が僕のものを優しく包みながら動く。裏筋を優しく撫でられ、今にも達してしまいそうだ。
「イけよ」
シュカ王子が僕の耳元でささやく。悪魔の声に聞こえる。
ぬる、と僕のものの先端に温かいものが触れた。見ればシュカ王子が僕のものの先端をちろちろと舌で舐めている。そうして、僕の目を見つめながらじゅぷ、じゅぷと口を動かしてくる。くびれの部分を舌で舐められて腰が跳ねる。
「あ……だめ……イっちゃう、からぁ」
「イけよ」
「イ……くっ」
びゅ、びゅく、とシュカ王子の口内に吐精してしまった。
「ふん。溜まっていたのか」
直接的な表現をされ、僕は顔を覆いたくなってしまった。出してしまった。王子の口の中に。
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