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第69話 (2) ※
「くそ。そんな仕掛けがあったとは……。だが、俺のほうが阿月を愛している。そうだよな? 阿月?」
「えっ……あ……」
必死の形相のシュカ王子にもたついていると、ジスが助け舟を出してくれた。
「シュカ王子よ。そのようなわかりきったことは、言葉ではなく行動で示すほうがよいとは思わないか?」
「行動?」
僕は頭にはてなを浮かべていたが、その一言で2人は初めて通じ合い、同意した。
「「阿月を抱いて確かめる」」
「え?」
2人の熱い眼差しが僕に注ぐ。
え……ほんとにするの?
「ほら。おいで」
ジスの部屋のベッドの上。左側から僕に手を差し伸べるジス。
「こっち来い」
右側から肩を回してくるシュカ王子。
その2人に挟まれて身動きがとれない。
「え、あのう。ほんとに3人で……その……する、の?」
「そなたはいやなのか?」
しゅん、と目線を落としてジスがこぼす。しょげてるみたいだ。
「い、嫌って言うかなんていうか……3人でどうやってするのかわからないから……」
「心配するな。その辺は俺とこいつがリードする。お前はただ、感じてればいいんだよ」
「あっ」と声を洩らしてしまう。ジスが僕を抱き寄せたから。右耳を舐められ、身体がぴくぴく動いてしまう。それを、じーっとシュカ王子に見つめられ恥ずかしさ2倍だ。
見られるのって恥ずかしい……。
「ほら阿月。こっちもしてやる」
今度は左耳の耳たぶをシュカ王子がはむはむとする。
わっ、両方から。……くすぐったい。
する、とジスが僕の服の隙間から手を差し込んでくる。それは何度かお腹の辺りを往復すると、右の胸に辿り着いた。準備万端、というようにジスの指が僕の胸の突起を弾く。
「ん……っ。ゃ……ジス」
「ふふ。やはりそなたはここが1番敏感で、1番好きなのだな」
「うん」と意志を込めて頷く。僕はぼうっとしていて気づかなかったのだが、王子が僕のズボンを下ろしにかかっていた。太ももが露わになり、舌で舐められる。下半身が熱くなり、下着の中のものが反応し始めてしまう。
「ゃら……待って。シュカ王子……恥ずかしいから」
シュカ王子の頭を静止すると、獣のような飢えた瞳と目が合った。
「そうは言っても、こんなに勃たせて。どの口が言ってんの?」
ぽんぽん、と僕の昂りを下着越しに撫でてくる。僕はその間も下着の中を濡らしてしまう。それに気づいた王子は、僕のへそから下へ口付けをしていく。ねっとりと濃厚な舌に舐められながら、王子の手が僕の下着の中に入る。直に触れる王子の手は冷たくて、その温度差に背筋が跳ねた。
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