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死神の夜
死神はその日、珍しく悲しい気持ちでいっぱいで縁側にポツリと一人、座っていました。
なんと美しい七夜だったことだろう
ずっとあのまま・・、死神はほんの少しそう思ってしまいました。
そんなことは決してできはしないのに。
濃く漂っていた庭の霧が少しずつ晴れてきます。
その先にぼんやりと人影が浮かんできました。
やれやれ、感傷に浸る間もなく次のお客様が来ましたね
次はどんな姿になりましょうか
死神はゆっくりと縁側を降りると影に向かって歩き出しました。
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