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1-7【※】
「ぅ、ぁ」
寝台に突っ伏して、荒くなった呼吸を整える。
大きく肩を揺らしていると、後ろの窄まりになにかが押し付けられて。
質感からして、ルーの指だろうか。
「――んっ」
ルーの指が、後ろの窄まりをこじ開けていく。
一度絶頂したためか、粘膜が引くついているのがわかる。後孔はルーの指を容易く呑み込んだ。
「ユーグ」
二本の指が俺の身体の内部をかき回す。腸壁を刺激されて、自然と喉がなる。
「ほら、どうだ? 気持ちいいか?」
ルーは俺に問いかけると、ナカで指をぐっと折り曲げた。身体が跳ねる。
――気持ちいい。気持ちよくてたまらない。
「あぁあっ! ルー、そ、そこ、そこっ……!」
「ユーグはここが好きだもんな」
容赦なく感じるところを刺激され、またあっけなく昇りつめてしまいそうになる。
淫らな水音は俺がルーに身体を暴かれている証。潤滑油に含まれている媚薬のおかげで、異物感なんて一つもない。
気持ちいい。おかしくなりそうなほどの快楽が俺を襲う。
「んっ」
シーツを手で掻き、快楽を逃そうとする。なのに、上手くいかない。必死に枕を抱きしめて、顔をうずめる。
「ひぐっ、ぁ、うぅぅ」
わざとらしく音を立てられて、身体が震えて止まらない。
萎えたはずの陰茎がまた勃ちあがっていくのがわかる。痛いほどに張りつめたソレは、今は放置されているにも関わらず先走りを垂らしていた。
「声、我慢するな。思いきり、喘いでいいんだぞ」
「や、だぁっ!」
枕に顔をうずめて、俺は拒否する。
喘ぐのが嫌というわけではない。もしも隣室に聞こえてしまったら――という不安があるのだ。
この時間、隣室の住人は帰ってきていることが多い。
「そ、と聞こえるっ――!」
「いいじゃん。聞かせてやれよ」
ルーはぐっと指を折り曲げて言う。さらに、後孔に埋まる指の数が増えたのがわかった。
あぁ、もう、三本も――。
「やめ、やめっ、だめ、ルー、ルー!」
「ダメじゃない。ほら、イっていいんだぞ。今度は後ろで思いっきりイケ」
駄々をこねる子供をあやすかのように、優しく声をかけてくるルー。かといって、言葉が優しいわけじゃない。むしろ鬼畜なことを言っている。
「ルー、ルーっ――!」
「俺も早くユーグのナカに挿りたい」
耳元で低く艶やかな声で囁かれ、快楽が爆ぜた。
「ひ、ぁああっ!」
粘膜がぎゅうぎゅうとルーの指に吸い付くのがわかる。身体に一瞬力が入り、すぐに抜けた。
シーツに身体を預けると、もう一度身体をひっくり返されて。視界いっぱいにルーのきれいな顔が映る。
「キスするぞ」
ルーはいつだって一方的だ。
俺の身体を蹂躙し、快楽を強引に覚えさせて。
嫌になりそうなのにルーを拒めないのは、俺が本当に嫌がることをしないから。それがセフレ関係を続けている理由。
「んっ、ルー」
何度か唇を合わせて、俺はもぞもぞと手を動かした。ルーの下肢にスラックス越しに触れてみる。もう、硬い。
「ははっ、ルーも興奮してる」
俺はルーのモノをスラックス越しに撫でた。あぁ、もっと硬くなってきた。
「ね、ルー。俺もルーのを舐めたい。いい?」
上目遣いになりつつ問いかけると、ルーは無言で頷く。
(俺はルーほど上手にできないし、及第点かもだけど)
感じていないわけではないのは、わかるんだけどな。
露骨な反応ではないけど、身体がぴくぴくと跳ねているのはわかるし、最終的には達する。ただ、時間がかかる。
身体を起こし、ルーのスラックスと下穿きをずり下ろす。すっかり昂った陰茎に指で触れてみる。
俺のよりもずっと太くて大きい肉棒が、てらてらとしている。先走りでぐっしょりだ。
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