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「ユーグ。もしかして――イった?」  ルーが腰をゆるゆると動かしながら問いかけてくる。  首を縦に振った俺を見下ろすルーが、意地悪そうに笑う。 「そっか。そりゃあ、こんなにナカがうねっているはずだな」 「ぁっ、うぅあ!」  達したばかりの身体に容赦なく快楽を叩き込まれていく。  粘膜がうねって、ルーのモノを締め付けている。自分でもよくわかる。 (ルーの形も、大きさも、全部わかるぅ――!)  曲げられている脚がぴくぴくと動く。俺の陰茎は最奥を突かれている間にまた勃ち上がっていて、腹につきそうなほどに反り返っていた。 「ユーグ、ナカめちゃくちゃ気持ちいい――!」 「そ、それ、それだめぇ!」  最奥をぐりぐりと刺激され、ほぼ真上から串刺しにされてしまう。  頭がくらくらとして、馬鹿になったみたいになにも考えられなくなる。 「んぁ、ルー、だめ、だめだってぇ!」  耳に水音が届く。まるで耳まで犯されているみたいだった。 「っはぁ、すっかりナカでも感じられるようになって」  ルーが息を漏らしながら、つぶやく。  それは俺のせいじゃない。ルーのせいだ! 「ルーのせいだ! こんなに、感じるようになったのは!」  だって、後孔を犯されて気持ちいいと思うようになったのは、ルーに出逢ったからだ。  俺のせいじゃない。ルーのせい。 (だけど、責任を取れなんていえない)  喉元まで出かかった「責任を取ってほしい」という言葉を呑み込む。これを言ったら、俺たちの関係は跡形もなく崩れてしまう。  気楽なセフレという関係じゃいられなくなる。それだけならばいい。鬱陶しいと吐き捨てられ、もう関係をやめようと言われてしまうのが一番恐ろしい。 (俺は、ぬくもりが欲しいんだ)  抱かれている間は、ぬくもりに浸ることが出来る。ルーの頭が俺のことでいっぱいになる。この瞬間が、とても好きだ。 「ユーグ、一回出しても、いいか?」 「いい、よ」  だから、俺はルーにめちゃくちゃに愛されて、汚れていくのが好きだ。外には出してほしくない。どれだけ翌日が辛くても、俺はルーのものがナカに欲しい。  ルーがいつものように熱杭を俺から引き抜こうとするから、阻むようにやつの腰に脚を回した。 「いつも言ってるがっ!」 「男は、ナカに出すのが好きだろ?」  出来る限りの強がった笑みを浮かべると、俺の中に埋まる肉棒がぐっと大きくなったような気がした。  自ら腰を動かし、ルーの吐精を促す。 「ぁ、ユーグっ! 出るっ――!」  ルーがうめくとほぼ同時に、俺の身体の奥に熱い飛沫がほとばしった。あぁ、出てる。 「ルーの、熱い……」  頭の中がふわふわとしていて、現実味がない。  無意識につぶやいた俺に対し、ルーは前髪を掻き上げてやれやれという表情を浮かべた。おまけに俺の唇にキスを落とす。 「お前は本当にわがままだな」 「呆れた?」 「いや、全然」  雨のように降ってくる口づけ。互いに舌先をこすり合わせ、唾液を交換する。 「ふふっ、ルーのすっごく大きくなってきた」  未だに俺のナカに埋まるルーの屹立が硬さを取り戻していく。それは幸せを俺に与えてくる。  ルーの首に腕を回し、頭を引き寄せた。 「ルー、もっと乱してよ」  自ら口づけると、ルーがまた腰を動かし始める。  今度は初めから激しい動き。肉同士がぶつかり合うようなぱんぱんという生々しい音と、大きな水音。先ほどよりも水音が大きいのは、ルーが出した欲望のせいだろうか。 「ふぁあっ、るー、るー!」  舌ったらずになりつつも、ルーのことを呼ぶ。  セックスの際中だけは俺は自分を好きになることが出来る。  誰かに強く求められているというのが、好きなのだ。  こうしてこの日も俺たちは途方もなく互いを貪り合った。
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