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3-13【※】
「ぁっ」
今度はぎゅっと渡刈を強くつままれて、身体が跳ねる。そのままぐりぐりと刺激されると、さらに乳首が硬くなっていく。
「ほら、ユーグ。可愛いな」
耳元でささやかれて、耳朶を甘噛みされる。
今までの性欲処理のための行為じゃない。愛し合う者同士の、とろけるような甘い行為だった。
その証拠に、俺の身体はルーが少し刺激するだけで跳ねてしまう。
もしかしたら、ずっとこんな関係になりたかったのかもしれない。
「っはぁ、ユーグ。めちゃくちゃ興奮してるな……」
俺の下肢に手を這わせたルーが興奮を煽るようなことを口にする。
確かにそれは間違いない。下肢には熱が溜まっていて、先走りで下着がドロドロだ。
わかる。嫌というほどにわかってしまう。
「ルーも、興奮してる?」
「あぁ、もちろん」
ルーの手が俺の手首を掴んで、自身の下肢に導く。
布越しに触れるだけでわかった。すっかり昂って、硬くなっているソレ。ごくりと息を呑んでしまう。
「な、なぁ、ルー」
正直、もう繋がりたくてたまらない。
欲望を口にしようとするのに、踏みとどまってしまった。
なんていうか、今更羞恥心が湧き出てきたというか。
「――もしかして、もう我慢できない?」
俺の顔を見下ろして、ルーが問いかけた。
いたたまれなくなって、首を縦に振る。
すると、ルーの手が俺のベルトにかけられた。するりとベルトを引き抜き、スラックスと濡れた下着を取り払う。
「いつも通り、慣らすから」
「……うん」
ルーが寝台の隣にある棚から、小瓶を取り出す。
手早くふたを開けたのを見て、俺はのそのそと起き上がってうつぶせになった。
瞬間、ひやりとした粘液が後孔にぶちまけられた。驚いて身体を跳ねさせるけど、すぐに指が挿ってきて、中をかき回される。
「やぁ、ルー……いきなり、すぎっ――!」
シーツを強く握って、ひやりとした指の感覚から逃れようとした。なのに、すぐに指は増えた。
指はバラバラに動いて俺の後孔をかき回した。粘膜を容赦なくさすられて、身体が震える。
「ぁあっ! や、だめ――!」
かき回す指の動きがどんどん大胆になる。ぐちゃぐちゃにかき回されていくうちに、淫らな水音が寝室中に響いた。
逃れようとするのに、ルーが俺の腰を掴んで抱き寄せるから。逃れることもできなくて、俺は与えられる快楽を享受することしかできない。
「ひぃっ! るー、だめ、だめだって――!」
指を何本呑み込んでいるのかもわからない。首を横に振って、やめてやめてと訴える。
このままだと、本当に――。
「も、イク、からっ!」
本当はルーに貫かれてイキたい。だから、指で達するのは不本意なのに――。
「あぁ、イケばいい。いっぱい感じてくれ」
ぐるりと中をかき回す指。身体の中に蓄積した快感が爆発寸前になって。
「――ぁあっ!」
身体をしならせて、達してしまう。
後孔だけで達するのもはじめは戸惑っていた。けど、今はこの感覚がなによりも好きだ。
ルーに絶頂に導かれるのは途方もなく心地いい。もっと、もっと。貪欲になっていく。
「ユーグ、挿れてもいいか?」
興奮で息を荒くしたルーが問いかけてきた。ルーの真っ赤な髪が額に張り付いている。上気した頬がルーの興奮を伝えてくるみたいだ。
「うん、でも、正面からがいい……」
「わかった」
俺の言葉にルーはうなずいた。俺の身体をひっくり返してあおむけにする。
その後、手早く自身のスラックスと下着を取り払って、俺の脚を抱え込んだ。胸につくほどに折り曲げられた脚を自ら抱えて、ルーが挿れやすいようにする。
「――ユーグ」
俺の名前を呼んだルーが、先端を後孔に押しつけた。くちゅりという生々しい音が聞こえてくる。
――お腹の奥底が熱い。早く、早くって――。
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