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(すごい――)  視線を逸らすことが出来なかった。  先端からは先走りがこぼれていて、てらてらとしている。僕のよりもずっと立派な屹立は僕のナカに挿りたいと主張しているみたいだった。 「あんまり、見るな」  キリアンが僕の顔を前に向けさせて、言う。  そして、僕の腰を持ち上げた。臀部だけを突き出すような体勢になってしまって、頬にカーっと熱が溜まる。 「や、やだ……これ、恥ずかしいよ」 「けど、これが楽だろ。――腕にも力が入りそうにないし」  そりゃそうなんだけど……。 「それに、すぐにそんなことどうでもよくなる」  キリアンの屹立の先端が僕の窄まりに押し付けられたのがわかった。  息を呑んだとき、陰茎の先端が僕の窄まりを押し広げて――ナカに挿ってくる。 「う、ぁっ――!」  窄まりを強引にこじ開けられて、僕の身体が跳ねた。  指よりもずっと太いモノが僕の体内に挿ってくる。内臓をぐぐっと押し上げられているような感覚に、僕は苦しくなった。 「ジェリー、狭いな……」  当然だ。僕は今までここで誰かを受け入れたことなんてない。 「は、初めて、だからっ――!」  首を横に振って必死に訴える。 「だから、だからっ――ぁっ!」  言葉の続きは出てこなかった。苦しくてたまらなくて、僕は首を横に振る。苦しさを逃そうとした。 「あぁ、そうか。――俺が、初めて、か」  キリアンがぐっと腰を押し進めた。僕は身体を跳ねさせることしか出来ない。 「ひぐっ――」 「そうだな。俺が最初で最後だ。――ジェリーを知るのは俺だけでいい」  またぐぐっと腰を押し進められる。 「だから――な、よくしてやるから」  キリアンの声に反応しようとして、一気に突き上げられる。  耳を覆いたくなるようなどちゅんという音がして、目の奥に火花が散る。 「ぁ、ああっ!」  大きな声を上げて、僕は絶頂を迎えた。  挿れられただけでイクなんて、淫らなことこのうえないだろう。  でも、耐えられなかった。僕の腸壁がキリアンのモノをぎゅって締め付けているのがよくわかる。 「ははっ、気持ちいいな――俺も、すごいよ」 「はっ、ぁ、あっキリアン、キリアン――!」  身体を震わせて、跳ねさせて。僕は必死にキリアンの名前を呼ぶ。  僕の陰茎の先端からは、白濁が零れている。最初のような勢いはない。 「きりあん、きりあん」  うわごとのようにキリアンの名前を繰り返すと、キリアンが僕の腰を持つ手を移動させた。  しっかりと僕の腰を固定したかと思うと、腰を引いていく。  太いモノが抜けていく感覚に、少しの寂しさ。が、すぐに最奥まで一気に押しこまれて。 「うぁっ!」  引くときはゆっくりなのに、突き上げるときは激しかった。  キリアンはまるで僕の身体を作り替えようとしているみたいだった。僕のナカで快楽がぱちぱちと火花のようにはじけていく。 「やっ、きりあん、も、だめ、もうだめ――!」 「ダメじゃないだろ。いいんだ、ジェリーのナカは悦んでる」  たとえそうだったとしても、僕自身が本当にダメなんだ。  このままだったら、本当に、本当に――おかしくなる。 「おかし、くなっちゃうからぁ――!」  甘い絶頂に押し上げられて、身体が震える。  そんな僕の背中に抱き着いて、キリアンが最奥をぐりぐりと刺激してきた。 「な、気持ちいいだろ――?」  キリアンの声が確かな色欲を孕んでいる。  必死に首を動かして、キリアンのほうを見た。キリアンが愛おしくてたまらなくて、僕は舌を出してキスを強請る。 「んっ、わかった」  キリアンが僕の舌先をちゅうって吸ってくれて、身体に甘い快楽が走る。  舌を絡め合って、互いの唾液を交換するみたいな激しくて甘い口づけ。 「ジェリー……あとで、始末するから。ナカに出していいだろ――?」  唇が離れて、キリアンがそう言って。  また抽挿が始まって、がつがつと僕の身体を貪り始める。 「ふぁあっ、あんっ!」  甲高い声。洞窟内ということもあり、声が反響している。  僕の甘くて、快楽にとろけているような声が耳に届く。まるで、他人の声みたいだった。 「ジェリー、可愛いな。こんなに、可愛い」  キリアンが僕の背中に口づける。かと思えば、今度は肩を噛まれた。多分、痕がついているだろう。  抗議をする気力なんてなかった。 「きりあん――」  奥をガツンと穿かれて、僕が達して。それと同時に、お腹の奥に熱い飛沫が放たれたのがわかった。  ――キリアンが達した証拠だった。 「ぁ、っ」  キリアンが僕の腰を離すと、僕はその場に倒れこむ。瞼が思い。このまま眠ってしまえそうだ。 「――きりあん」 「ジェリー、寝ててもいいぞ。あとは俺が全部しておく」  そんなの悪いって――ということも出来ずに、僕はあっさりと夢の世界へと落ちていく。  僕の初体験は、洞窟の中だったけど、甘くて刺激的で幸せなものだった。

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