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19話(4) #
よし、頭を洗ってあげよう!!
服を脱ぎ、下着姿になり、如月と一緒に浴室へ入る。
如月を浴室の床に座らせ、手のひらにシャンプーを付ける。指先で優しく地肌を洗っていく。なんていうか、俺と違って、髪の毛が長くて、洗いづらい。これ、トリートメントいるの?
「如月、トリートメント付けてるの?」とりあえず訊く。
「うん」適当に言ってない? まぁいいけどさ。
シャンプーを流し終わり、トリートメントをたっぷり付ける。しっかりつけとこ。このまま放置して、先、体洗っちゃおう。
あわあわ、ごしごし。ふぅ。後ろは終わり。前も洗って良いですか、如月さんっ! どきどき。
「前も洗うよ~~」はぁ、えっちぃ。
「下も洗っちゃうからね?」えへ。
「自分であらうー」……そっかぁ。
「流します!!」頭から全て流していく。おけおけ。トリートメントも落ちた。
「湯船入れる?」如月の顔を見る。寝そう。
「うん」如月は湯船の中に入ると、浴槽の淵に頭を乗せ、うとうとし始めた。
「寝るなよ、危ないから」如月の頬を軽く叩く。
「うん」うんしか言わないし。なんか動かないし。
もう寝かせた方が良いのかも。如月を湯船から取り出し、バスタオルで水滴を拭く。抱き上げて、ベッドまで運ぶ。中々重労働。目半開きになってる。寝る寸前。
「如月、歯磨きしよ? ね?」磨いてあげよ。
「あーーして、あーー」アメニティの歯ブラシで口内を磨く。歯並び綺麗。できた。
「ゆすご? 洗面所いこ」如月の体を起こす。
「うん」あぁ、もう! 如月を抱きかかえ、洗面台まで連れて行く。
お世話大変なんだけど!! こんだけお世話したんだから、俺にも何かしてよ!!
口をゆすぎ終わった如月を再び抱き上げる。
「…………」ベッドに寝かせ、顔を見る。にこぉ。かわいい。もぉもぉ! 限界!!
「キスしちゃうよ?」如月の両手に自分の手を被せ、覆い被さる。
「うん……んっ」顔を近づけ、唇を重ねる。もう、可愛すぎ。顔を傾け、強めに何度も唇を押し付ける。
「パジャマ、ボタン外していい?」『うん』が聴きたい。
「うん」あぁっ! 如月のパジャマに手をかけ、ボタンをひとつずつ外していく。
「触るよ」優しく、パジャマの隙間から手を入れ、胸の突起に触れる。
「あっ……」如月の肩がビクッとなる。いつもより敏感!
「あっ……ぁっあっ……ん~~っあっ…ん」親指の腹で突起を擦る。
やばい、いつもより声出てる。頬赤くなった! 今日、目とろとろだし。可愛い。爆死しそう。我慢できないんで、次行きますね、如月さん! パジャマのズボンに手を入れ内腿を触り、脚を広げる。
「んっ……」これだけでも反応っ。下着の隙間から指を入れていく。
「指、挿れるよ?」如月を見つめる。如月は変わらず、微笑んでいる。
「うん、いいよ」
疑問。如月って開拓されてるの? 知っとかないと、俺がいつか挿れる時(?)困るんだけど!! 元カレ(?)居たよね。如月は受けと攻めどっちだったのかな。
「……ぁあっ…あっ…あっ…だめっ…あっ」中で指を動かす。いつもより喘いでくれる~~。かわい~~。
如月に挿れたいけど、『うん』しか言わない人に挿れるのは気が引ける!! 如月が俺に挿れる分にはいいのか? それはアリでしょ!! 誰が俺を慣らすの!! 自分?!
「あっ……あっ…んっ…あっ…ぁっあっ…挿れたい…あぁっ」挿れたがってるし。ちょっと涙目になってる。はぁ、その潤んだ瞳、やば。
「じゃあ、慣らして?」一応訊いてみる。
「うん?」顔傾けられても。ダメじゃん。自分でやるしかない的な?
「はぁ~~まぁいいけどぉ……起きたらこのこと絶対忘れてよ? 如月」ベッドから降り、如月のスーツケースからローションを取り出し、手につける。
「ちょーー恥ずかしいんだけど……」ベッドに仰向けに寝転がる。はぁ、勇気いる。ぐちゅ。挿れちゃったぁ。
「……少し待っててね……はぁ……あっ…はっ……ん~っ…はぁ…如月? なんで起き上がるの? はぁ……もう…大丈夫……かなぁ? はっ」
なんで正面に座るの? 如月。やばい。肩がビクビクする。顔が熱い。自分でやってるのにめっちゃ感じちゃう。
「……めっちゃえっちです、睦月さん」如月は頬を赤く染め、睦月に覆い被さる。
「え? ゴ、ゴム、どうぞ……」ゴムを手渡す。恥ずかしくて死にそう。頼むから明日には忘れて。
「挿れる~~」まだ酔ってるな、うん。
「あっ……っんん!」きた。大丈夫なの? 動けるの?
「あっあっあっんっ……はぁっ…きもちっ…あっはぁっ…ちょっ…んーー~~っん…はぁ…んっはぁっふ…ん…んふぁ…ふっ……ん」動きながら、いきなりキスしないでっ。舌激し。ほんとに酔ってるの?
「…はぁ……むつきさん…はっ…わたし…… でちゃいそうです……はぁ」如月は睦月を抱きしめ、体を近づけた。
「ーーはぁっ…はっ…出していいよ…はぁ……はぁ…ん」如月の背中に腕を回す。
「…はぁ…ちょっぁっあっあっちょっあぁっきさらぎはやっあっはあっあっ奥あっきもちぁっあっぁあっおれさきっいっちゃあっぁあっ」急に動き激しい。目がきちんと開かない。涙が。肩がすごく震える。もぉ。如月、そんな強く抱きしめてやられたらーー。
はぁ~~っ。満たされ。
やっぱり好きな人とのえっちがいちばん。
如月動かないんだけど。
顔を見てみる。
寝ておる。
甘えたさんの如月可愛かったぁ。普段もあれくらい、素直になればいいんだって。いつも強情なんだから。
如月の顔をじーーっと見つめる。気持ち良さそう。乱れてるけど、このままでいっか。
お風呂入ろうっと。
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*
「んーー」
すっきり爽やかな目覚め。しかし、体が怠い。んーー。断片的にしか覚えてない。旭さんにお姫様だっこされて、帰ってきて……。
ん?
……睦月さんとえっちした。
え? うそ。したっけ? いや、したな。したかも、パジャマ乱れてるし。なんか頭、痛くて、あんまり思い出せない。なんだっけ? ものすごくえっちな睦月さんを見た気がしたんだけど……。
なんだっけ? 思い出したい!!
なんか忘れちゃいけない気がする!! 今後のえっちのために!!
寝ている睦月の顔を覗く。
「よだれ出てる……」
思い出せないから、本人に聞こう。睦月の頬を叩き、起こす。
「睦月さぁ~~ん、おはようございます」ぺしぺし。
「ん~~。ねむ~~」起きない。
「起きて、睦月さぁ~~ん」ぺしぺし。もう一度叩く。
「如月? おはよ~~」睦月は目を擦りながら体を起こした。
「昨日夜、睦月さんってどんなプレイしたの?」睦月の目を見つめる。
「えっ……いやぁ……普通に正常位だと思いますけどぉ……」目が泳いでる。何かある。
「すっごいえっちなものみた気がしたんだけど、思い出せなくて……」睦月の表情が固まっている。
「あーー……えっとぉ……何もないと思われます……」目を合わせようとしない。おかしい。
「う~~ん? 知りたいなぁ? 一体何をーー」あ、思い出した。思わず口元に笑みが溢れ、ニヤニヤしてしまう。
「……いやぁ、もう2度とあれはやらないよ? 無理無理無理!!!」睦月は枕をキツく抱きしめる。
「もう思い出しちゃったもん~~今度はシラフでみたいです」思い出すだけでゾクゾクする。
「無理無理無理!! 勘弁して!!」睦月は枕で顔を隠した。
「睦月さん、朝から元気だねぇ~~」視線がおのずと睦月のズボンへいく。
「はぁ?! ちょっと見ないで!! しばらくすればおさまるから!! やらないよ?! 絶対やらないから!!」睦月は枕で下半身を隠す。顔が赤い。かわいい。
「手伝うから良いでしょ」ローションを片手に持ち、睦月へ近づく。
「何を手伝うの?! やだって! ぇえ! ほんとにやるの? え~~やだよぉ~~ちょっとやめてよぉ~~」全部下ろしちゃお。
「はい、ローション。何って、絶頂までイケるようにだよ、睦月さんっ」睦月にローションを手渡す。ふふ。楽し。
「もぉ~~っ……はぁ……あっ……はぁっ……」
いいね、いいよ、睦月さん。恥じらいながら触ってる感じ、最高にそそるよ。あとは私に任せて。
「えっ、ま、前…触るの?」睦月は頬を赤らめながら如月に訊く。
「もちろん。睦月さん、手、止めないでね」そっと手を添え、軽く握る。
「はぁ……んっ…はっ…両攻めとか…あっ…はぁっ…俺すぐ…あっ…イッちゃ…はあっ…ぁっぁあっ…あっだめっ…ぁあっ…あっはぁああっ!」ふふ。ビクビクして可愛すぎ。
「イッちゃった? 朝からえっちだねー、睦月さん」手の中にあたたかい温もりが広がる。
真っ赤な顔で体を震わす睦月の姿に全身が身震いした。
情事が終わり、ペットボトルの水を飲む。ふと、我に帰り、思い出す。旭さんとデートの約束しなかったっけ? と。
ここここここれはまずい!!!
デートとか…デートとか……デートとか!!! 睦月さんと喧嘩する未来しか見えない!!!
「ぁああぁあぁああぁあ!!!」頭を抱えて叫ぶ。
「如月?」怪訝そうに睦月は如月を見つめる。
「あ…………」
どうしよう!!! いや、でもあれは、帰るために致し方なかったんだ!! 酔ってたし!! でも睦月さんになんて言おう!!
①『旭さんとデートしてくるね(ウインク)』怒りの顔しか思い浮かばない!!
②『ちょっと用事が出来たので出掛けてきます(嘘)』バレた時、死亡フラグ!!
③『旭さんにちょっと会ってきます(伏し目)』誤解され、すれ違いパターン!!
良いパターンが思い浮かばない!!!
「ぁあああぁあぁあぁあ!!!」如月は頭を押さえながらしゃがみ込んだ。
「……急にどうしたの?」かなり怪しんでいる!
どうする?! 如月弥生!! でもこれは正直に言ったほうが身のためのような気がする!! それはそれで一波乱ありそう!!
「あーー……えっと……」言えない。
「あ。旭とデートって何?」何故それを?!
「え゛」
「どういうこと?」素直に言おう。うん。
「……食事の料金代と私が自分のホテルへ帰るために致し方なく約束しました……」顔見れない。
「何それ!! ぇえ~~やだぁーー……」顔が曇る睦月を抱きしめる。
「大丈夫、好きになったりしない。睦月さんが好き」睦月の後頭部を撫でる。
「そんなの、当たり前でしょ……俺も如月が好き」背中に回された腕が愛おしい。
気持ちを抑えない。愛情を注ぐと決めてから、どんどん好きになる。少しのことでも愛おしい。
睦月さんが私のことを知りたがるように、私も睦月さんのことがもっと知りたい。旭さんとデートするのは、ある意味知らない睦月さんを知るキッカケになるのかも。
腕の中でしゅんとしている睦月を見つめる。
「睦月さん」
「なに」睦月は顔を上げる。
「ふふ、大好き」
目を瞑り、唇を重ねる。
ぎゅう。
背中に回した腕に力を入れ、キツく抱きしめた。同じようにキツく背中が締まる。体が密着し体温を感じる。睦月の心臓の音が伝わった。
その温もりから『愛してる』と言われてるみたいで、幸福感に包まれた。
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