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27話(3)#神経衰弱の新ルール?!溜めて使われたらおかしくなっちゃう?!
「次は私ね。これとこれにしようっと」如月のカードが揃った。
「如月、どうする?」倦怠期が改善されているようで、楽しい。
「いちゃ溜めします。もう少しカード溜めてから使いますね」いちゃ溜め?
「何その新ルール……」
溜めてから使うって何? 毎回使わなきゃ、いちゃいちゃ出来なくて意味ないような……。それに急に如月の顔が明るくなった。何か吹っ切れたみたいに感じる。
でもこの妖しい笑みは危険だ。
カードを2枚捲る。
「あぁーーっ!! またハズレ……」今のは如月のヒントになった。
「では、私はこれとこれで」カードが揃う。
「2いちゃいちゃになりました」カードを見せられる。
「使うの? 溜めるの?」溜めるというのは少しこわい。
「1枚使います~~Tシャツ脱いで?」訝しみながら、Tシャツを脱ぐ。
「これは……いちゃいちゃなの?」
如月の倦怠期を吹っ飛ばすための神経衰弱なはずなのに、なんだか神経衰弱が如月に乗っ取られて、いるような気がするのは気のせいだろうか?
黒いタンクトップ1枚になった。妖艶な瞳にじぃっと見つめられ、頬が赤く染まる。裸ではないとはいえ、気恥ずかしい。
「次は睦月さんの番です~~」俺は如月に勝てるのか?!
「じゃあ、これとこれ」捲っていないところを2枚捲る。
カードは揃わなかった。
「くそがぁぁあぁあぁあぁあ!!!!」睦月は立ち上がり、捲ったカードを畳に叩きつけた。
「自分が考えたゲームでしょうが~~」ぺら。如月はカードを捲った。
さっきのカードで如月にヒントを与えてしまったため、如月のカードが揃った。なにこれ、俺全然カード、ゲット出来ない。誰が考えたの。くそげーじゃん。
「はい、いちゃいちゃゲット~~」揃ったカードで扇いでいる。イラ。
「使うの? 溜めるの?」2セットになった如月のカードを見つめる。
「溜めます」どんだけ。
「次は俺、捲るね」どこを捲るか考える。
いや、考えるべきはそこではない。いちゃいちゃカード溜めしてどうするの? 使っても俺の服脱がせただけとか。これって、実はまだ倦怠期?
溜めて最終的に使わないとか……あり得る!!! スキンシップしたくないから、服脱がせただけとか?!?! このままゲーム乗っ取られたら、倦怠期をぶっ飛ばせ作戦が台無しに?!?!
「これにしよう」1枚捲る。あ、これどこだっけ?!
「これじゃありませんでした?」如月があるカードを指差した。
「なるほど」カードを捲った。
カードは揃わなかった。
「だ、騙されたぁあああぁあああ!!!!」めきょ。持っていた手札を握りつぶす。
「別に騙してないですって~~捲ったのは睦月さん自身ですし」なんて悪魔!!!
結果有益な情報を如月に与えてしまった!!!! なんてこと!!!
「ぇえ~~どれにしようかなぁ、これにしよう~~」カードが揃った。
「不公平!!!!!」畳の上のカードをもう一度混ぜる。ぐしゃぐしゃ。まぜまぜ。
「何するんですか!!!! 覚えてたやつ分からなくなった!!!」
「これで平等!!!!」重なったカードを広げていく。
「もう!! 自分が弱いからって!!!」如月は口を尖らせた。
「どうすんの? そのカードは使うの? 溜めるの? 3いちゃいちゃになったよ?」如月を見つめる。
「3いちゃいちゃ使っちゃおうかなぁ? 1つ目は後ろからハグで」急に抱き寄せられ、如月の脚の間にすっぽりはまった。
「ちょ……」如月の変化に戸惑う。
「2つ目は胸元触らせて?」タンクトップの下から、如月の手が入ってくる。
「え? 待っ…どうしたの? ぁあっ……」胸の突起が指先で弾かれ、身体がビクッと反応する。
「んーー? 何? 睦月さん?」如月に顔を覗き込まれ、赤く染まる顔を手で隠した。
「ぁっ……ゃっ…んっ…ぁ…あっ……んっ…ぁあっ」突起が弾かれたり、擦られたり、指先で遊ばれ、上手く喋れない。肩が刺激に合わせて小さく上がる。
「あ、睦月さんちょっと待っててね~~すぐ戻って3つ目使うから」如月は立ち上がり、隣の洋室へ入った。
ぎゅ。
「はぁ……ん……はぁ……」戻るの早い。座ったまま後ろから抱きしめられた。
「3つめ使うね。あ、でも、せっかくの可愛い顔、隠さないで」手首が掴まれ、顔を隠していた手が剥がされる。
カサ
何かを破く音が聞こえ、振り返る。指先にゴムをはめ、ローションを付けている。3つ目って、もしかして。え、嘘でしょ。腿に如月の手が添えられ、脚が開いた。
「ふふ、3つ目使いま~~す」お腹に如月の手が触れ、這うように手はどんどん下がり、下着の中へ入る。少し触れただけで、下半身が熱くなる。
「こ……これは…ズル…んぁあっ……ぁっ…」指先が閉じていた中へ進む。
「え? なぁに? 睦月さん? 次は睦月さんの番だね」ぐちゅ。奥まで入ると、指が動き出した。
「あっ…んっ……ぁ…あっ…捲れな…あっ…んっ」快感で肩がビクビクする中、手首が如月に掴まれる。
「ほら、捲らないと。カード、どれにする?」強制的にカードの前へ手がいく。指は動き続ける。
「っん…ぁっ……やっ…んっ…これと…あっ…これ…」微かに震える手でカードを捲る。
カードに視線を落とす。揃っていない。良いことなのか、良くないことなのか、気持ち良さで、まともに考えられない。指先から蕩けるような気持ち良さだけが体を巡る。
「はい、私の番。睦月さんが混ぜちゃったからもう分からないなぁ、適当に捲ろうかな」半開きの目で、如月の捲ったカードを確認する。
数字が揃っている。
「あっ、偶然。揃いました」
「っ……ん…あっ…はぁ…使…ぁあっ…ん…はぁ…あっ…使…うのぉ…?」しっかり開かない目で、後ろに居る如月を見つめる。快感で瞳に涙が溜まる。
「すごくトロンとした顔だね。じゃあ、キスで」如月は捲ったカードを宙へ捨て、睦月の顎を掴み、むさぼるように口付けした。
「~~~~っはぁっ…んっ…ぁっやっ…んっぁっ…」食べるようにキスされ、また指先で刺激が始まる。激しくは動かない、緩急をつけながら、突く指先は焦ったい。
早く挿れて欲しい。
完全に神経衰弱 の主導権を握られている。もうこの辺でカードを揃えなければ、気持ち良さでおかしくなりそう。
「睦月さん、どれにする?」耳元で囁かれ、吹き掛かる吐息にゾクッとする。
「これと……んっ…ぁっ…あっ…ん…これ…」如月に手を添えられながら、震えた手でカードを捲った。
カードが揃った。
「睦月さん、揃ったね? どうする?」急に、指先が前立腺を突いてくる。
「あっ…だめっ…んっ…ぁっあっ…やっ…んっ…きさらぎっあっ…挿れ…んっ」長い時間攻められ続け、身体が小刻みに震える。気持ち良さで漏れ出てしまう喘ぎ声が邪魔して、上手く伝えられない。
「なに? ちゃんと言って? 分からないよ?」顎が掴まれ、如月の方へ顔が向く。うっとりした瞳が自分へ向けられている。愛情に溢れた眼差し。倦怠期なんて、的外れ。
「やっ…ぁっ…あっ挿れ…はぁんっ…あっ挿れてぁあっ…きさらぎぃっあっ」快感で涙が溢れ、頬を伝う。だらしなく開いた口からは唾液が垂れた。
「そんな顔されたら我慢出来ないよ」ぐちゅ。指先が抜かれ、溢れ出たとろみが腿へつくのを感じる。如月はトランプの広がった畳の上に睦月を寝かせ、脚の間に入り、覆い被さった。
「すごくとろとろになってる」下着が脱がされ、先端から蜜を滲ませる、跳ね上がる幹が露わになった。
「あっ……見ないで…」恥ずかしさで頬が赤く染まる。
「見るでしょ~~こんなにおおきくなって可愛いんだから」手が添えられ、震える体が更にビクッと動く。
「ぁああぁ~~っ」如月の顔が近づき、根本が先端まで一気に舌で舐められた。あと少しでも何かされたらイッてしまいそう。
「そんな声出しちゃって。可愛い。挿れるね」優しく当てがわれ、ゆっくり中へ入ってくる。
「っんああっ…あっ…あっ……あっ…」奥まで入ると、如月の腰がゆっくり動く。
「もう脚震えてる。大丈夫?」動きが止まる。
「…だいじょぶ……もうイキそうなだけで……」如月を見つめると、優しい笑みを浮かべ、抱きしめられた。体が密着し、全身から如月を感じる。幸せ。
「ふふ、じゃあ、いこっか」優しい笑みが心を誘うような艶かしい笑みに切り替わり、止まっていた腰が激しく動く。
「ぁっああっ…あっはぁあっあっぁっあっきもちいっあっ」何も要らないと思えるぐらい、全身が快感で溶け始める。
もっと、もっと欲しい。今、この瞬間はお互いがお互いを必要とし、求めている。そんな幸福な抱擁に包まれながら、溢れ出す欲望を曝け出す。
「きさらりっあっあっんっもっと奥っ…あっああっ~~っきもちぃあっんっゃっあっ」望めば甘く溶かされ叶えられる。瞳に溜まっていた涙がボロボロと溢れた。
「はぁ…出してもいい?…はぁ」如月から先に言うのは珍しい。
「あっ…はぁ…うん…いいよっぁっあっあっんっあっ」絶頂へ向け、深く刺さった。
「あっあっやっだめっはぁあっやっぁあっ待っあっぁっあっはぁおかしくなっちゃう~~っだめっあっだめぇ~~っ」何度も何度も深く奥へ突き刺さる。気持ち良さで身体は震え、ゾクゾクとした寒気が走る。
「ぁあっあっやっもうっあっだめぇっきさらりはあぁっああぁあぁ~~っあっ…」
「はぁ…睦月さん…はぁ…出るっ…はぁあっ…」
この繋がりから伝わる全てが愛情だと感じる。愛と快楽が混ざり合い、視界がぼやけていく。
腕の中でぐったりして、動かない如月。ぎゅっと抱きしめると、顔を上げ、こちらを見た。
「ふふ。涙いっぱい。ほっぺ赤くて可愛い」
ぺろ。涙が舌で拭われる。如月の両手が頬を包む。
ちゅっ。ちゅっ。
「あっ…ちょ…ん…待っ…んっ…なにっ…んっあはっ…んっくすぐったいっ…もぉなに~~っ」
唇や頬に何度も何度も可愛がるようにキスが繰り返される。愛しくて首の後ろへ腕を回した。
ちゅっ。ちゅっ。
「睦月さん、好き。好き。大好き」
ちゅ。
「わかったってばぁ~~っ俺も好き、大好き」
両手で如月の頭を挟み、顔を近づけ、口付けした。
ちゅ。
繰り返される口付けは、自然ともう一度、身体を重ね合わせ、甘美なひとときへと|誘《いざな》った。
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