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今までよりもずっと

 かーさんず情報網は速い。  眞知子さんは、京介が玄関で鉢合わせした父親から話を聞いただけで走り出して行ったことを、グループラインで速攻回し、その話はまっさんにも銀次にも速攻伝わった。 「割と早かったな。さっきまで俺らいたのにな」  自宅の自室で柾哉にそう言って、まっさんは淹れてもらったコーヒーを口にする。 「ね、仲直りできたかな」  柾哉も随分心配していたから、これで元通りになったらいいな、と胸を撫で下ろした。  そこへ銀次から電話が入り、 「京介戻ったらしいな」 『だから言っただろー?俺は絶対大丈夫って』 「そりゃ俺だって思ってたさ、あいつら離れんの無理無理」  笑って話している二人を柾哉は黙って聞いていたが、 『今から襲撃しようぜ、俺らに心配かけた恩をいっぱい着せ…』 「だめっ!」  電話の向こうで銀次が言った言葉の途中で、聞こえていた柾哉が大きな声で制する。 「二人とも、デリカシー持ちなよ〜。今あの二人のとこに行ったらどうなると思ってる?」  まっさんと銀次は色々想像して、二人してーああ…ーとうんざりする 「あの二人が1週間近くも離れてたんだからさ、それはもう…あんなんでこんなんで」 「柾哉…?」  眉間に皺を寄せて、心底心配そうにまっさんが柾哉を呼ぶ。 『うわっ!柾哉エッロ!ソンナコダッタンダネマッサンタイヘンソウ』  揶揄うような銀次の声に柾哉は 「ちょっ!そう言うんじゃなくて、そう言う想像がたつだろうって言う話だろ!」 「柾哉顔真っ赤だぞ」  まっさんまで揶揄ってきて、柾哉はーもう帰る!ーと立ち上がる 「あー待て待て、もう遅いからダメだぞ」  まっさんが柾哉のパーカーを引っ張って止めるのを電話の向こうの銀次は 『はー!こっちも馬鹿らしいや。玲香ちゃん、早くこっちに住まねえかな…』 「お?そんな話出てんのか?」 『二人の間でだけな。まだ親とかには言ってない』 「その気はあるってことか」  柾哉を膝に乗せて、そのまま話し込む 『まあな。玲香ちゃんさ、店の仕事早いとこ覚えたいって言ってて』 「は?それって…」 『いやいや、まだまだそんなことにはなってないけどさ。まだ出会って一年弱よ。去年のロードが出会いとしたら…ん?1年経ってないや。流石にそこまで軽率にはさ』 「玲香ちゃん(向こう)は超乗り気に思える…」  柾哉がぼそっと言った言葉に、銀次は凍りつく 『やっぱり?俺催促されてる?』 「お前随分惚れられてんな〜〜」  まっさんはあぐらをかいた真ん中に柾哉を座らせて、お腹を弄るように撫で回している。 ーちょっ、まさなおくん!ー 『うちのかーちゃんも、なんか乗り気でさ、早く決めちゃいなさいってせっつくけど、これってさ俺的にはもう少し恋人同士楽しみたいって思っちゃダメなん?』 「まーそうだよな〜。去年のクリスマスが正式に付き合った日だもんな。もう少し楽しみたいよな。今だってまだ遠距離だしなぁ」  コーヒーの乗ったテーブルに突っ伏して、柾哉は乳首までいじられてるのに声を出さないように耐え、身を震わせている。  その姿を微笑みながら見つめてまっさんは、より強く弄り始めた。 『そうそう、せめてこっちにきて部屋でも借りてさ、そこで少しは恋人気分味わいてえ』 「うんうん、わかるわかる」 『おまえらみたいにな!さっきから何やってんだよ!真剣な話してんのに。はいはい、切るからお楽しんでくださいませだよ。俺も玲香ちゃんに電話するからいいよじゃあな」  電話が切れた途端に 「まさなおくん!」  顔を真っ赤にした柾哉が振り返るが、その顔にちゅっ  もうどこのカップルも楽しむ時間ですね。  朝。  てつやを抱き枕に寝ていた京介は、いつも会社に行く日の起床時間ちょいすぎに目が覚めた。  そして今日は金曜日なので会社は勿論ある。  昨夜は10時半頃この部屋へ戻り、色々話しながらイチャイチャしていたが、夜効果で次第にお互いが求め合い本当に今朝方まで体を合わせていた。  枕元のスマホを見ると6時半。  起きて身支度して、朝食抜きならギリ間に合う時間…だが、今日は腕の中にいる人が愛しくて仕方なく、離れることは不可能だなと思ってしまう。  後ろ向き抱っこで寝ているてつやの髪を撫でて頬にキスをすると、一瞬起きて 「おぁよう…いってらっしゃい…」  と、ほぼ1週間のブランクなどなかったかのようにいつもの挨拶をして、再び寝息を立て始めた。 「ん〜、離れ難いな…だめだ、無理、今日は一緒にいたい…」  少し上を向かせててつやの唇にキスをし、誘うように舌で舐めると反射のように舌が迎えてくれて、無意識ながらもちゃんと応えてくれる。 「ん…んぅ…なに…」  てつやが細く目を開けて京介を見てきた。 「おはよ」  ニコッと笑って朝の挨拶をすると、ーうんーと言ってまた寝入りそうになる。  まあそれも可愛いけど…でもなぁ…朝と言うことで元気になってしまったものをどうしよう…と思っていたが、今ならてつやの眠りは浅いかもとてつやの腰を持ち、元気になってしまったものを、昨夜の名残で充分解されているところへ静かに挿入していった。 「んっ…ぁあ…」  向こうを向いているてつやの顎が反って、寝ているであろうに甘い声が漏れ出す。 「起きてんの?」  腰をぐいぐいと押しつけ反応を見ると、 「んっんっぅ」  と声はあげるけど、まだ本調子ではなさそう。では今の間に…とスマホを手に取り、小林小林…と探し当て電話をかけた。  電話はすぐに出てくれて 『なあに?今食事中なんだけど』 「朝早く悪いな…今日ちょっと所用で休むから、課長にいいように言っといて」 『嘘つくんなら、風邪ひいたとかでも言いなさいよね…あれでしょ?てつやくんと仲直りでもしたんでしょ』  鋭い。さすがしごでき女だ。でも、 「いいや、風邪風邪、ゴホゴホ」  教えるわけがない、今の段階ではね。 『うっそくさっ。解った、伝えとくわ。別居中だった恋人と久しぶりに会って離れたくないそうですってね』 「ありがてえ。じゃあよろしく」 『はいはい、今度は最中にかけてこないでね』  そう言って切れたが、なんでばれたんだろう?まだ本格的でもないのに… 「京介…おまえな…ぁ…」  さっきのゴホゴホでちょっと刺激され、覚醒してしまったてつやは挿入感を享受し始め、声が漏れ始めていた。この声聞こえちゃったのかぁ、となんだかますます愛しくなって(おかしい)てつやに頬ずりして 「会社休んじゃったよ。今日はてつやと離れたくなかったから」  優しく懐いてゆく。 「んっんんっ…そん、な理由でいいのかよ…」  京介の動きで挿入部分が刺激されるが、嬉しそうでもある。 「あぁ…いいなてつやの中…帰ってきたって感じする…」 「気色悪い言い方すんな…んっ…も…何回めだよ」  横向きで挿入されて少し押しつけられたものに、てつやも押しつけ返して額を撫でている京介の指を手で引き寄せ口に含んだ。 「うわ…それやられんな…」  てつやの中で少し膨らんだ感のある『京介』が、その行為でもっと奥へと押しつけられ、てつやの口から少しくぐもった声が漏れた。 「そ…こ、ぁ…ぁう…んっうぅ」  最奥の、それ以上行ったら怖いところまで攻められて、てつやが声にならない声をあげ、 るとそれに応じて京介はてつやに含まれた指で口の中までも犯すようにちょっと奥まで入れてみる。 「んぐっ…んっんぅぅっ」  流石に首を振って、てつやは自分でその指をひきだし、適当な場所で指フェラを始めた。 「だから…それ…やらしいって…」  体勢的に激しく打ち付けられなくて、そこでの限界の速さで突いてみるが、それでもてつやは感じいってくれて、指を舐めるのもおろそかになる程息をあげ、喉をそらす。  その頭をほんの少し強引に曲げて、京介が唇を重ねるとそれを待っていたように舌を突き出し絡めて空いた手で京介の頭を抑えてまで貪った。 「お…まえ…んっ、ずっとこんな…ちゅ…熱烈だな…」 「だめ…んちゅ…なのか…?」  キスをしながら言い合って、もっと欲しいとてつやは腰を揺らし、京介ももっとてつやを感じたいとうつ伏せにし、寝たままの挿入で激しく打ち付け始める。  てつやの声が上がり、打ち付ける音とてつやの声と京介の息遣いだけが部屋に満ちていた。  てつやはその感覚に酔い、朝からクラクラするほどの快感をもたらしてくれる京介を本当に大事にしようと思う。  京介も今回の事は、自分の至らなさが大半だったのにこんなに可愛くて愛しい人を一瞬でも離したことを後悔し、今はてつやが喜んでくれる行為をすることが自分の罪滅ぼしだとてつやの肌を撫で快感を煽ってゆく。  何度目かの絶頂が二人を襲い、今度は同時に達する。  てつやの背で荒い息を吐く京介が、自分を庇うように両手をベッドに張っているのに気づいて、てつやはゆっくりとと仰向けになり、両手を広げて京介を引き寄せ抱きしめた。 「大丈夫重くない。お前の重みなら平気」  そう言われて京介もてつやの頭を抱えるように抱きしめ 「無理はするなよ」  と荒い息の中そんな会話をする。 「喧嘩っていうか…こんな考えの違いはこれからもあると思うけど…」  とてつやが話し出し 「今回のことで俺は一つ勉強した。得ることはまだまだいっぱいありそうだわ」  抱きついた耳元で、きっと真面目な顔をしているだろうてつやを想像して、京介はその髪を撫でた。 「こうやって、一個一個乗り越えてさ…関係が堅固になっていくんだろうな。嫌な思いさせて本当に悪かった」 「もういいって。俺だって簡単に別れるとかいう言葉使って…ごめん。ほんとにそんなこと思って無いんだけどさ…あの言葉言った自分が1番辛かったわ」  笑ってそう言って、京介の顔を見る。 「毎回毎回おんなじこと確認し合ってるな俺たち」 「ん?」  そして恥ずかしいことを言おうとしてるのかもう一度抱きついて、 「離さないからなって…」  そう言われて京介も笑って 「うん、俺も離さないから。ってやつな」 「そうそう」  ぎゅっと抱きしめて、ついでに京介の腰に足も絡める。 「おいおい?」  今度は京介が起き上がって顔を見た。 「離さないって言ったろ…もう一回…」  にっと笑って、もう既に半分立ち上がっている自分を京介に押し付けて誘うと 「お前俺のこといつも絶倫とかいうけど…お前も大概だぞ」  と言いながらキスをして…深く深くキスをしてもう何回目になるかわからない行為をまた始めようとしていた。  本日金曜日はまだ始まったばかりの午前7時半。 「今日はお前とずっとくっついててやるからな」  てつやのベタベタ宣言にー受けてたつぞーとそのままてつやの中へとはいりこみ、再びいい声をあげさせて行った。

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