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第62話 R18
ちゅ、ちゅる、ちゅくと水音がこだまする。耳の中で何度も響く粘着質な音に由羽の身体にじわじわと熱が生まれる。それは服越しでも膨らみ、由羽は無意識に希逢の腹筋の浮かび上がる腹に擦り付けていた。キスに無我夢中で食らいついていると、ぽんと希逢が由羽の背中をとんとんする。
「勃たせて俺に擦り付けんのえろ」
カッと火を吹くほど由羽の頬が熱くなる。気づかなかった。擦り付けていたなんて。
「続けて?」
勇気を出して希逢に抱きついて、首筋に舌を這わす。ぬる、ぬると喉仏の辺りまでいくと今度は希逢の左耳まで到達した。耳たぶをがじがじと甘く食み、そのぷるぷるとした感触を味わう。由羽は意を決して希逢の左耳に舌を侵入させる。ぢゅ、ぢゅう、ぢゅっと音を立てて吸い付き、舐める。希逢の胸がぴくっと反応して由羽のことを力強く抱きしめる。ふっふっ、と息を弾ませる様子を見て由羽はもっともっとと言わんばかりに希逢の着ていたTシャツを捲りあげ、胸の突起をいじる。かりかりと優しく弾き、乳頭の辺りを円を描くように撫でると希逢が息を詰まらせる音が聞こえてさらに興奮してしまう。耳元から口を離して希逢の表情を伺う。目を閉じて、眉をきつく顰めて快感に耐えている顔が美しくて由羽は希逢の服を脱がした。白い絹のようなつやつやとした肌は弾力があり、若々しい。骨が浮き上がっている鎖骨に口づけ、少し強く吸う。びくっと希逢の身体が震えて、その拍子に希逢の膨らみが由羽の膨らみに触れた。
「ぁっ」
短く喘げば希逢が由羽の腰を強く掴み自身のものに押し付ける。
「……っ」
キスは中断して希逢に身体を揺さぶられる。ぐりぐりとぶつかる膨らみは硬く熱い。
「由、羽」
とろっとした目で見つめられ、由羽も気がどうにかなってしまいそうだ。希逢は由羽の着ていた水色のニットを脱がし、着ていた白のスラックスも床に落とした。灰色のボクサーパンツ1枚になった由羽を希逢が1度ソファに寝転ばせる。
「とまんないかも」
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえる。由羽は自身のものに直接触れたい欲求を抑えて、希逢が服を脱ぎ去るのを見ていた。同じく灰色のボクサーパンツのみで由羽の上に覆い被さる希逢は、獣のように発情している。由羽の髪の毛、おでこにキスを落として、鎖骨に強く吸い付く。ぴりりとした痛みが走る。
「さっきのお返し。俺にキスマークつけたろ」
「……っ」
ぢゅ、ぢゅうと続けて何度も強く吸い付かれる。
「ほら、花びらみたいになった」
由羽を見下ろす希逢には、首筋と鎖骨に3つの花弁が開いたような赤いキスマークがのぞく。由羽はそれを慈しむように上からなぞった。
「キスマークされるの初めて」
「気が済むまで付けてやるよ」
にや、と口端を歪めて希逢が零す。今にも食べられてしまいそうな獰猛な瞳に由羽はゾクゾクと背中が震える。
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