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第80話 R18
裏筋の辺りを指で扱くと希逢の口元から「あっ」と可愛らしい声が飛び出た。すぐに目を逸らして口を閉じてしまうが、こういう素直じゃない一面のある希逢のことが可愛くて仕方ない。
「よしよし。希逢くんいい子だねー」
「……うん」
(赤ちゃんなのにもうこんなに自己肯定感高いんだなあ)
頭を撫でつつ、昂りを撫でつつしていると希逢が突如むくりと上半身を起こした。
「やべえ。孕ませたい」
「なっ……」
真顔でそう呟くとソファの上に由羽を座らせて希逢におしりを向けさせた。がばっと着ていた寝巻きを脱がされる。おしりにぬるぬるとしたものが擦り付けられ、それが何なのか由羽は見なくてもわかってしまう。昨夜もそれでたくさん鳴かされた。
「うわ、とろとろ。もう俺の形になってる」
ぐっぷりと希逢の昂りを難なく受け容れた身体は小刻みにプルプルと震えていた。ソファの背もたれに腕を預けておしりを突き出す姿勢に耐えていると、後ろから首元に手が回された。その瞬間、最奥に希逢が入ってくる。
「んん……っ深、い」
「だって深いの好きだろ?」
「……好き、だけどっ……顔見れないの悲しい」
「……はは。いいねそれ。俺のこと煽ってんの」
意地悪な口調だけど動きはまだ優しい。中が馴染むまで手加減してくれている。言葉にせず行動で示す希逢の優しさが由羽は大好きだった。そのままゆっくりと顔を持ち上げられ後ろを向かされる。後ろから静かなキスを受けた。
「ほら。こうすれば俺の顔見れるだろ」
「……うん」
安心して頷いた瞬間ぱんっ、と後ろから身体が飛び起きるくらい腰を揺さぶられた。
「あっ……ぐ……ぁあ」
肌と肌の重なる水を含む音が部屋に響く。腰を後ろから押さえつけられて固定される。自分はDomに従順なSubであることを認識させられているような心地だった。希逢はただ無言で身体を沈めてくる。由羽は中がひくひくと収縮して更なる快感を求めているのが嫌でもわかってはしたない声を洩らす。
(どうしよっ……このままされたら俺、イっちゃう)
きゅう、と無意識に後孔が締まるのを希逢も感じ取ったらしい。くすくす低い声で笑いながら耳元で囁いてくる。
「どうしたの? すごい締め付けてきてる。俺のもの離したくないみたい」
「イく……イっちゃう、からあ」
「あー。そゆことね。じゃあどうぞ天国見せてあげる」
不意に由羽の昂りを希逢が上下に動かしてきた。中イキもしそうなのに外イキもさせられそうで身体が歓喜する。待ちわびていた直接的な刺激に頭がイくことだけ考えてしまう。由羽は気づかずにへこへこと腰を振っていたらしい。くくく、と希逢が意地悪く口ずさむ。
「腰へこへこしてる。えっろ。そんなにイきたいのか。じゃあイかせてあげるね」
「はぁあ……っんん。出る……っ」
「いいよ。俺も中に出すね」
かくん、と由羽の膝の力が抜けた。先端から白蜜がぱたた、と持続的にソファの背もたれを濡らす。先端はひくひくとして収縮を繰り返している。後ろには希逢が大きく息を吐いて吐精していた。中がびくびくと震えている。雄の匂いが辺りに立ち込めた。由羽は背もたれに上半身を預けて余韻に浸る。中も外も同時にイくのは初めてだった。頭がくらくらとしてひよこが舞いそうだ。希逢が数分ほど挿入したまま抱きついていたが、ゆっくりと腰を動かして昂りを抜いた。するとぽたぽたと白い液体が中から下りてきてソファにシミを作る。
「朝ごはんは俺が準備するから由羽は休んでて」
スッキリ良い気分になった希逢は賢者タイムなど感じない体質らしく、元気よくキッチンへ向かった。
「やっぱり高校生って性欲強すぎだよ……」
へなへなとソファに座り込んで洩れた言葉は、きっと本心だった。希逢に朝から抱かれたのはこれが初めてだった。いつもは夜にすることが多かったから。由羽は胸に広がる多幸感の正体は希逢の存在そのものだということに気づいてから、その日の朝食を味わった。
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