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第87話 「欲しいの一番奥にあげるね」甘々play R18
「奥っ……ぐりぐり……やぁ」
入口から胎内まで蠢く希逢の指先に翻弄され、由羽は息を荒らげて希逢の肩を掴む。ふるふると小刻みに身体が震えてしまい、どこかに掴まっていないと快感の濁流にのまれてしまいそうだった。
「ここ。由羽だーいすきなとこ」
ぽんぽんと胎内でしこりになっている場所を指の腹が優しく押し上げてきて由羽の我慢の糸がぷつりと切れてしまう。
「あっ……んん……も、はやく挿れて……」
由羽の意図していない扇情的な表情にあてられて希逢はごくりと小さく唾を飲み込む。喉仏がひくりと上下した。
「おねだりできて偉いな」
ぽんぽんと由羽のおでこを撫でてから自身のものを由羽の蕾にあてがう。入口を念入りにほぐしておいたから、腰を進めると抵抗なく開かれてすっぽりと収まった。由羽の中がきゅうきゅうと竿と先端に吸い付いてきて正直すぐにでもイってしまいそうだ。けれど由羽の淫らな声や顔が見たいがために希逢は自身の欲望を制御する。
「きつくないか?」
気遣わしげな声掛けに由羽は「うん」と微笑む。額に軽くキスをしてから動き始めた。由羽の大好きな正常位。キスをして、胸の突起を愛撫しながらされるのが好きらしいというのを最近知った。
(由羽の溶けそうな唇も、かわいい胸の飾りも、締め付けてくる胎内も全部好き。愛してる)
希逢はこの気持ちが伝わりますようにと、ただひたすら甘いplayをする。
普段よりももっと優しく抱いてくれる希逢のことが大好きでたまらない。由羽も希逢のキスに応えるようにして自分から舌を挿入して絡める。ぴく、と希逢の動きが一瞬止まったがその後は唇がふやけるまでキスをしてくれた。たら、と由羽の唇から2人の混じりあった唾液が垂れる。
「……ん……きもち」
とろんとした目の由羽が呟くのを希逢は聞き逃さない。
「俺も」
そう言うと由羽の足首を自分の肩にかけて律動を始める。奥まで深く挿入されて由羽は「ひゅぐ」と息を吸い込む。胎内をかき混ぜられるように激しく突かれて快感の渦に巻き込まれる。由羽のものはもうぷっくりと我慢汁を垂らして今にも果てそうだった。ぐ、と最奥に希逢の先端が届く。そのままゆるやかに腰を前後に揺らして中を押し広げていく。
「中、熱。溶けそ。出していい?」
熱を孕んだ瞳の希逢と目が合う。まるで発情期の獣のような視線に背筋がゾクゾクとわななき出す。
「いいよ。希逢くんのでいっぱいにして……」
勇気を出して甘えるようなことを言ってみたら、希逢はくしゃりと笑ってから
「欲しいの一番奥にあげるね」
と洩らして由羽の中にさらに押し入ってくる。ぐっぐっと腰を深く埋められて由羽の中がそれに呼応するようにきゅんと締まる。その刺激に希逢も「ん……」と短く息を洩らした。
「……っ出る」
「うん……俺も、イく」
「……イく」
どくんどくんと中で希逢のものが震えている。それと同時に熱い飛沫が中で飛散した。奥の肉壁をびゅ、びゅくと穿つ。由羽も達していた。中の刺激でイってしまったらしい。自身の腹や胸に白蜜が飛んでいる。
はあはあと2人の荒い息が部屋に落ちる。数分ほど挿入されたまま希逢に抱きしめられた。お互い何も言わない。何も言わなくても気持ちが通じあっていた。
「うわ。めっちゃ出た」
中からずるりと自身のものを引き出すと、由羽の後穴からとろっと自身の放った白蜜が溢れてきておしりを伝ってシーツに染み込む。またシーツを洗わなければと希逢は由羽と付き合ってから替えのシーツを3枚用意していることを思い出して微かに笑ってしまう。
(俺たちどんだけヤるんだよ)
内心くくくと笑っているとこちらをちらちらと見つめる由羽が見えた。
「……恥ずかしいからあんまり見ないで」
口元に手をあて恥ずかしがっている由羽に希逢はたまらなく愛おしさがこみ上げてくる。
(これが愛おしいって感情なのか)
由羽の身体をウェットティッシュで拭きながら考える。
「シャワー浴びよ」
由羽からの誘いに手を引かれてバスルームへ向かう。2人して浴びるシャワーの熱と肌の熱とが重なって、さらに愛おしい気持ちが溢れてきた。
(こういう朝も悪くないな)
湯船の中で由羽を後ろから羽交い締めにして抱きしめながら、そう思った。
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