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第92話 7日目 「愛してるよ」R18
ついに迎えた週7日セックス生活7日目の夜。希逢は新品のシーツに替えたベッドのシワをなくすようにピンと張る。今日のために柄にもなくアロマキャンドルを焚いてみた。ふんわりとした甘いわたあめのような匂いが部屋を包む。それをベッド横のサイドチェストに飾りつけてから照明を調整する。由羽が仕事から帰宅したらすぐにでも襲う作戦だ。念入りに寝室の準備をしてキッチンへ向かう。作り置きしておいたトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼをひとくち口に含む。
「うん。OK」
行為の前後どちらでも夕食を食べられるように冷蔵庫にあらかじめ作っておいたおかずの入ったタッパーを覗く。由羽と出会って以来自分のために作る飯よりも由羽のために作る飯とでは料理へのモチベーションが180度変わっていた。おかげで毎日健康に気をつけた栄養バランスの整った食事を食べることができている。由羽と出会ってからは全ていいことづくしだ。
そんなことを思い耽っていると、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。焦る気持ちを隠しきれずにぱたぱたとスリッパを鳴らしてインターフォンに出る。
「おかえり」
「うん。ただいま」
マンションのエントランスで画面越しにマフラーに顔を埋める由羽を見て胸が高鳴る。
そうだよな。外、寒いよな。
希逢は由羽がエレベーターで部屋まで上がってくるまでにブランケットを手に取り準備をする。ガチャ、とドアが開く音と共に最愛の人を胸の中に抱きしめる。
「わっ」
「おかえり。寒かったろ」
由羽の身体にブランケットを巻き付けて抱きしめる。
俺の体温分けてやらねえと……。
ぎゅ、と抱きしめたまま無言でいると由羽がもぞもぞと動き始めた。
「……外寒かったから希逢くんにあっためて欲しいな。早くシよ?」
我慢できないと言わんばかりに由羽の瞳がうるうると膜を張っている。希逢は反射的に喉仏がひくりと跳ねた。まさか由羽から積極的に誘われるとは思ってもみなくて嬉しくて胸がこそばゆい。
「っ……お前なあ……あっためてやるからこっち来い」
希逢は由羽の手のひらを握って寝室へ押し込む。どちらともなく腰に手を回してキスをねだった。希逢は由羽の腰から背中にかけてさするように触れる。ついでに腰からおしりまでも触ってみたが由羽が嫌がる素振りは見せない。それを良いことに由羽の着ている黒のロングコートとマフラーを脱がす。床に音もなく落ちていき、由羽が舌を吸ってきた。ちゅちゅ、と何度も吸い付いてきて決して離さないという強い意志を感じて身体に熱が籠る。それは下半身に集まって由羽のものと服越しに擦れた。ぴく、と由羽の身体が反応する。服越しに手で触ってみれば既に十分固くなっていて黒のスキニーを押し上げている。
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