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5.Escape~逃亡の果て
そうしたらこの世界も幸せなものに思えてくる。
この世界の頂点にいる奴らは、そういう汚い奴らばっかりだ。
だからオレは、そんな鼻持ちならない金持ちたちが大嫌いだ。
……いつか、きっと――。
こんな狭苦しい国から抜け出して、広い世界を見てみたい。
それが、オレの夢だ。
……なんて、語ってる場合じゃなかった。
「観念しろ、このコソ泥が!!」
目の前に広がる路地からは、ジャンビーアという名前の短剣を腰に差し、白い長衣のカンドーラを着て、頭にスカーフを巻いた細身の兵士がやって来ている。
後ろを振り向けば――。
まずい。
後ろからも3人、前からやって来る兵士と同じような格好をした奴らがオレを捕まえようと向かってきている。
オレとしたことがしくじったぜ。挟み撃ちにされた!
今日のオレはツいてない。
オレらしくもねぇ!
こんなヘマをするなんてっ!!
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