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1.Bump~運命の出会い
◆
いったいどれくらい走っただろうか。
オレを探す兵士たちの目をくぐり抜け、小道からさらに細い小へと逃げること30分くらい。
入り組んだ道を抜け、引っ張られるままにやって来たのは、この男の家だった。
男の家はやっぱり大きくて、オレが思ったとおりの金持ちだった。
男は木戸を開け、玄関を通った先の応接間にオレを通す。
目の前にあるテーブルには、リンゴやらバナナなんかがカゴの中で山積みになって入っている。
「腹が減っているだろう?」
男はそう言うと、掴んでいたオレの腕をやっとのことで解放し、果物が乗っている目の前のカゴを差し出した。
「…………」
引っ張られ、どこに連れて行かれるのかと思いきや、他人を――しかも、さっき会ったばかりの人間を軽々しく自分の家に上げるなんて、この男……。
頭がどうかしているんじゃないか?
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