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11.Night~捕らえられて
しかもオレにとって、毎日は生きるか死ぬかの瀬戸際だったから、そういうケイケンなんてない。
そりゃ、オレだって一物が疼いたら触っていたりもしたけど、ただそれだけだ。
乳首を弄るとかそんなのしない。
オレが生きてきた今まで、誰かと体を重ねたりとか、恋愛すらも考えたことがなかった。
無知なオレが、大嫌いな奴らによって暴かれるなんて――。
(冗談じゃないっ!!)
「っ、はなせ、はなせよっ!!」
怖くなったオレは、全身を拘束されて動けない体の代わりに言葉で拒絶する。
だけど、ココは人買いという名の巣の中だ。
当然、オレを助けてくれる奴なんていない。
ココにいる連中はオレの言葉をまるっきり無視して、ただオレを女に変える作業を続ける。
「おい、このまま弄っておけ。今夜参加する手はずになっている闇の市場ですぐ売れるようにな」
「へい」
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