……ハズ、だった。 　それなのに、今のオレはどうかしている。 　飾りを弄られて、たしかに体が疼いている。 （媚薬って、ひょっとして奴らが持っていた小瓶の液体か？） 　 　それを考えると、恐ろしくてたまらない。 　もし、コイツらの目的が、オレを女の体のようにさせるつもりなら――。 　売られた先にあるものは、オレが考えていたようなこととまるっきり違うものになる。 　だってオレは、下僕のように力尽きるまでコキ使われるとばかり思っていたんだ。 　だけどこの行為の意味は、オレの体が労働だけじゃなくて、他のことにも使われるっていうことになるんじゃないのか。 （こいつらにとっての、『商品価値』って、そういうことなのか） 「――っつ！」 　……そんなの、イヤだ。 （オレは男で、女じゃないっ！！）