47 / 158
9.Night~捕らえられて
オレはありったけの力を振り絞って暴れまくる。
だけど、オレを取り押さえる男2人の力には敵わない。
されるがままだ。
「ほら、全量入ったぜ?」
男は掲げて見せた。
注射器の中にあった液はすべてオレの中だ。
それがすごく怖くて暴れる。
……だけど、なにかがおかしい。
さっき射された部分がじくじく疼くんだ。
「――っ!」
(なんだよ、これ!!)
「頃合いか?」
オレの表情の変化を見た頭は、手を伸ばし、乳首を摘んだ。
そうかと思えば指の腹を使ってクリクリと弄られる。
いくらか指で擦られていると、腹の奥底で何かが疼くような、そんな気さえしてくる。
「……んっ!」
オレの腰が、ビクンと震えてしまった。
後ろに縛られた腕の痛みが、おかしな疼きと入れ替わりにやってきた。
「やっと媚薬の効果があらわれたな……」
「な、に……!?」
(媚薬だって?)
それを聞いたオレの背筋に悪寒が走った。
男のオレにとって、胸の飾りは無いのと同じだ。
ともだちにシェアしよう!