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2.Seek~傷負い人

 ヘサームの腹部には真っ白な包帯が何重にもわたってしっかり巻かれていた。  ヘサームが重傷を負ってこの部屋にやって来てから、2時間が経過した。  真上にあったギラギラと照りつく太陽は今、少し傾きかけている。  バシラさんと従者の人たちは、ヘサームのことを気にかけながらも、この場に複数いるのはかえって良くないことだとそう言って、部屋を出た。  ナジさんとオレ以外、この家には誰もいない。  オレは、というと……。  5分に1回くらいのペースで、隣に置いている冷たい水が入った容器に布を浸してうなされているヘサームの額に当てる作業を繰り返していた。 「……いくら好いた人のためだといってもな、自分の身に危険が迫っている中承知で悪党の巣穴に乗り込む馬鹿がどこにいるっていうんだ……」 『好いた人』  ナジさんの言葉に、オレはドキッとした。

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