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6.番外編~Passion
「ああっ、ヘサーム!! もっ、おねがいっ!」
熱くて太いヘサームが欲しい。
オレは身をくねらせ、この先を強請る。
すると孔の中に圧迫感を伴ってそれは入ってきた。
だけど、中に挿し込まれたものは、オレが欲しがっているものじゃない。
ヘサームの骨張った指だ。
「やっ、ちがっ、ゆびじゃなっ!!」
「アティファ、だけどね、しっかり馴らしておかないと中が傷ついてしまうだろう? 君を傷つけたくはないんだ」
左右に首を振り、駄々をこねるオレ。
ヘサームは、聞き分けのない子供に言い聞かせるようにして、そう言った。
そうやってオレを気遣うヘサームは冷静なように見えるけど、声は掠れている。
まるで我慢しているみたいだ。
もしかして、さっきのセリフはオレに言ったんじゃなくって、自分に言い聞かせるためだったのかな?
自分の欲望よりもオレを心配してくれるヘサームが愛おしい。
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