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12.番外編~Passion

 そのたびに、はしたなく喘ぐオレ。  だけど、なんかヘン。  なんかおかしい。  まるで、大きな海原に放り出された気分だ。  不安定で、体が全部持って行かれそうな感覚……。  大きく揺れている。 「あっ、あっ、ヘサーム、ヘサームっ!!」  波に流されないよう、オレを捕まえていてほしい。  オレは手を伸ばしてヘサームを探す。  するとすぐに、ヘサームがオレの手を取ってくれた。 「アティファ、可愛い俺のアティファ」 「ヘサーム……すきっ、すき、すきっ、あい、してるっ!!」  ようやく思いの丈を言えたオレの口は、ヘサームの薄い唇によってすぐに塞がれた。  なんかすごくエッチだ。  ヘサームと繋がったまま、キス……されているなんて……。 「んっ、っふ……んっ」  目から流れるのは、嬉し涙。  離さないでと言う代わりに、オレはなめらかな髪に指を差し込んだ。

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