152 / 158
12.番外編~Passion
そのたびに、はしたなく喘ぐオレ。
だけど、なんかヘン。
なんかおかしい。
まるで、大きな海原に放り出された気分だ。
不安定で、体が全部持って行かれそうな感覚……。
大きく揺れている。
「あっ、あっ、ヘサーム、ヘサームっ!!」
波に流されないよう、オレを捕まえていてほしい。
オレは手を伸ばしてヘサームを探す。
するとすぐに、ヘサームがオレの手を取ってくれた。
「アティファ、可愛い俺のアティファ」
「ヘサーム……すきっ、すき、すきっ、あい、してるっ!!」
ようやく思いの丈を言えたオレの口は、ヘサームの薄い唇によってすぐに塞がれた。
なんかすごくエッチだ。
ヘサームと繋がったまま、キス……されているなんて……。
「んっ、っふ……んっ」
目から流れるのは、嬉し涙。
離さないでと言う代わりに、オレはなめらかな髪に指を差し込んだ。
ともだちにシェアしよう!