60 / 172

第60話

 そうだ、王様との謁見が控えてたんだ。 「それでは勇者様。謁見が終わりましたら、こちらのお部屋へお戻り下さい。準備は万全です」 「……え?」  どういうこと?  お見合い写真が整然と並ぶテーブルにボックスティッシュが、  タン  タン  タン  3箱 「?」  疑問符が飛んでいる俺の隣で、ヒイロ様とゼフィルさんが声をかけてきた。 「あ、これ。『お鼻にやさしい♪やはらかシルキーティッシュ』じゃないですか!」 「えっと、俺……花粉症じゃないですよ」  肌心地の良い高級ティッシュは嬉しいが、普通のティッシュで大丈夫だし、3箱もいらない。 「いえいえ、これ。鼻だけでなく、亀頭にも優しいんですよ」 「………………へ?」 (なんつった?) 「吸収力バツグン、口コミナンバー1です。巷で評判なんですが、人気が出すぎて、なかなか手に入らなくて。これが3箱も!」 「あの〜」  嫌な予感しかしない。 「なにを吸収するんでしょうか〜?」  にっこり。  ゼフィルさんの笑顔が怖い。 「ザーメンです」 「キャアアアアー!!」  聞くんじゃなかった、俺♠ 「うずくムスコと右手がスキンシップ始めても安心。亀頭に優しい♪ふきふきシコティッシュがあれば、謁見が終わったら思う存分、お自慰できますね!♥」 「〜〜♠」 「という事で。ちゃっちゃと謁見済ませて、結婚相手を決めちゃって下さい」 「しません!」  するのはお見合いであって、結婚じゃない。 「伯爵、子爵、辺境伯。よりどりみどりの巨根を勿体ない」  チソコいらない……  大きくてもいらない……

ともだちにシェアしよう!