67 / 172

第67話

 パンツ一丁  略してパンイチ (俺、おズボンはいてない)  辛うじて、おパンツが下半身、雄の象徴である大事な場所を守っている。  辛うじて…… (なんで?)  俺のおパンツ、小さいの?  念のために言うが、中身が育った訳ではない。  卑猥な事は考えていないし、思春期以上の速さでミスター象徴が成長するなんて夢物語は現実に存在しない。  第二次性徴は既に終わっているのだ。 (うぅぅ〜)  第二次性徴カムバック!  それはさておき、だ。 「ピッチピチ!!」  どうしてこんなにピッチピチなんだ??  こんなセクシーおパンツ持ってない。  なのに、はいている。  このおパンツ、誰のだ? 「素敵な勝負おパンツですね」 「ゼフィルさん、変なのはかせないで下さい」 「は?最初からはいておられましたが?」 「エエェエエーッ☆」  俺のおパンツどこ行った?  ほんとうのおパンツ。 「……ボクサーパンツ、知りませんか?」 「白ブリーフ?」  何をどうしたら聞き間違えるか。 「ボクサー」 「ふんどし」 「いいです」  何をはかせたがってるんだ、この人は?  つか、異世界にもふんどしあるんだ。 「セクシーおパンツは濡れ衣です!何者かにはかせられたんです。たぶん、魔法か何かで」  八ッ (執事さん!)  確か魔法が得意だった。  宮廷魔導師も使えない空飛ぶ魔法《エーデル・フリューゲル》を、詠唱破棄で使ってたり…… 「ヒイロ様?心当たりがおありで?」 「実は……」  ブンブンブン  だめだ、人を疑っては。幾ら執事さんでも、そこまで変態ではあるまい。  …………………………たぶん。

ともだちにシェアしよう!