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第67話
パンツ一丁
略してパンイチ
(俺、おズボンはいてない)
辛うじて、おパンツが下半身、雄の象徴である大事な場所を守っている。
辛うじて……
(なんで?)
俺のおパンツ、小さいの?
念のために言うが、中身が育った訳ではない。
卑猥な事は考えていないし、思春期以上の速さでミスター象徴が成長するなんて夢物語は現実に存在しない。
第二次性徴は既に終わっているのだ。
(うぅぅ〜)
第二次性徴カムバック!
それはさておき、だ。
「ピッチピチ!!」
どうしてこんなにピッチピチなんだ??
こんなセクシーおパンツ持ってない。
なのに、はいている。
このおパンツ、誰のだ?
「素敵な勝負おパンツですね」
「ゼフィルさん、変なのはかせないで下さい」
「は?最初からはいておられましたが?」
「エエェエエーッ☆」
俺のおパンツどこ行った?
ほんとうのおパンツ。
「……ボクサーパンツ、知りませんか?」
「白ブリーフ?」
何をどうしたら聞き間違えるか。
「ボクサー」
「ふんどし」
「いいです」
何をはかせたがってるんだ、この人は?
つか、異世界にもふんどしあるんだ。
「セクシーおパンツは濡れ衣です!何者かにはかせられたんです。たぶん、魔法か何かで」
八ッ
(執事さん!)
確か魔法が得意だった。
宮廷魔導師も使えない空飛ぶ魔法《エーデル・フリューゲル》を、詠唱破棄で使ってたり……
「ヒイロ様?心当たりがおありで?」
「実は……」
ブンブンブン
だめだ、人を疑っては。幾ら執事さんでも、そこまで変態ではあるまい。
…………………………たぶん。
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