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第70話

 パチンッ  指を鳴らす音に、意識がハッと目覚めた。 「どうぞ、お召替えを。ヒイロ様には、こちらがお似合いです」  ………………  ………………  ……………… (勇者、視線を下に移す) (勇者、己が下半身をまじまじと凝視する)  ……………… (お花はきれいだなぁ) (でも、どうしてここにお花?) (ん?……と思う)  ………………  ………………  ……………… (勇者、言葉を失う) 「花柄レースのひらひらおパンツです。黒のレースなので、はみ毛もしっかりカバー!陰毛も気になりません」 「カバーしとらんわ!」  って、そうじゃない!  勇者たる者が、花柄レースのひらひらおパンツ〜  セクシーおパンツ〜 「キィヤァァァー!!」 「おっと、気絶している暇はありませんよ。さっさとこれはいて」  パチンッ  指を鳴らすと同時に、ベルベットの優しい感覚が下半身を包む。上衣とおそろいの紫盧遮那装のおズボンが下肢を覆った。 (なんだか魔法少女みたい)  って、関心してちゃいけない。  紫盧遮那装の下は、ひらひらおパンツである。 「ゼフィルさん!」 「文句は言わない。時間が押しています」 「押しているのは誰のせいですか」 「息を整えて。このまま謁見の間まで飛ばしてあげます」 「また聞いてない」 「それでは行ってらっしゃいませ!転送」  パチンッ  ひゃん!

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