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第94話

 お兄様のサプライズ?  何だろう。  もう十分今まで色々ありすぎて、ちょっとやそっとじゃ驚かないけど。 「実はね、君へのご褒美はもう決めていたんだ」 「俺へ?」 「そうだよ。君が帰ってきたら渡そう……そうずっと思って、君の帰還を願っていた」 「ありがとうございます」  改めて言われて思う。帰りを待っていてくれる人がいるのは嬉しいと。 「受け取ってくれるかな?」 「もちろんです!」  仮面の下の眼差しがゆっくり頷いた。 「晩餐は祝勝会を兼ねていると言ったね」 「はい」  魔王討伐のお祝いだと。 「そう。もう一つのお祝いは、婚約発表だよ」 「こんやく?」  こんにゃく……じゃないよね?  新作のこんにゃく料理発表とか、微妙だ。 (じゃあ、やっぱり婚約?) 「誰のでしょう?」 「もちろん、君のだよ」 「………………」  ………………  ………………  ……………… 「エエエェェエエーッ!!」

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