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第93話

「それでは私の気がおさまらないよ。私は国の頂点に立つ君主なのだからね」 「じゃあ、今夜の祝勝会がご褒美です。皆で飲みましょう!」  オウ!……と右の拳を振り上げた瞬間、怒涛の歓声が沸き起こった。 「勇者様、ばんざーい!」 「国王陛下、ばんざーい!」 「アルファング王国、ばんざーい!」  近衛騎士の皆が歓喜の雄叫びを上げる。 「ヒャッホー!」  ガキンッ  金属の共鳴が轟く。甲冑の拳と拳を付き合わせてお祭りモードだ。  ザッ  お兄様が右手を水平にかざした瞬間、水を打ったかのような静寂が広間を支配した。 「承知した。今宵は無礼講である」  ウオオォォオオー!!  拳を突き上げ歓喜する近衛騎士達。 「国王陛下、万歳!!」 「国王陛下、万歳!!」  拳に敬意を込めて頭上に掲げる。  ザッ  お兄様の右手が敬意を受け取る。  再び水を打ったかのような静謐。 「サプライズにしようと思っていたのだが、飲み過ぎてサプライズどころでなくなるといけない。この場を借りて発表しようと思う」

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