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第100話

「公開キス?」 「そうだよ、大正解だ」  ヒューヒュー♪  ヒューヒュー♪  ヒューヒュー♪  ヒューヒュー♪  こ、これは……  周囲からヒューヒューコールが巻き起こっている! (ここの近衛騎士達は……)  魔王討伐前、騎士団に研修入隊していた時から思っていた事なのだが。 (時々、異様にノリが軽くなる)  ヒューヒュー♪  国王陛下、ばんざーい!  ヒューヒュー♪  お后様誕生、ばんざーい! 「キャアァアー」 「おやおや。皆が歓迎し始めてしまったね。まだ婚約発表前だよ」  と言いつつも。  お兄様、満更でもなさそう。若干悪ノリ気味の近衛騎士団を、本気で止める気配はない様子で〜 「だめですよ」 「なにが?」  なにが?って、全体的に〜 「俺はまだっ」 「未来のお后様だよ」  先に言われてしまった。うぐぐ。  あれ?ちょっと待って。  お后様って…… 「だめです!」  俺は本気でこの婚約を止めなければならない事に気づいてしまった。 「俺、子ども産めません!」  俺は男♂  お兄様も男♂  男同士で結婚したら、子どもが産めない♂×♂  王家の血脈が絶えてしまう。

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