105 / 172
第105話
「ななっ、なんでもありませにゅっ」
ウゥ、舌噛んで変な時代劇語口調(?)になってしまったではないか。
まさか事後の想像をしてたなんて、口が裂けても言えない。
恥ずかしい……のもあるが〜
(言ったらお兄様、喜びそう)
知ったら、めちゃくちゃノリノリになりそうだ...…
断固阻止せねば!
ぎゅっと拳を握りしめた。
「?」
「あの、ええっと」
何を言えばいいんだ?この状況。
「俺、結婚しません」
………………
………………
………………
言っちゃった。
………………
………………
………………
まるで水を打ったような静けさだ。
静寂が白く見えるほど物音一つない。
異様な空気になってしまった。
(どうしよう)
何かフォローしないと。
フォローってあるのか。
「王さ……お兄様とは結婚とは違う形で良い関係を築けたら、と〜」
フォローになってる?
(なってない……よね)
ともだちにシェアしよう!

