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第104話

 Ω性はα性の逆……  というと〜 「雌雄の区別に関わらず妊娠できる性質を持つのがΩだよ」 「ひゃっ」 「だから雄でも妊娠が可能だ。Ω性になれば、君も妊娠できる」 「ひゃひゃひゃひゃァァァー!!」 「嬉しくて歓喜しているのか。君は可愛いね」  ちがーう!  斜め上過ぎて、悲鳴しか出ないんだ。 (俺が、妊・娠) 「ちょちょちょっ」 「無論、精子は私が提供する」 「てて、ていきょー?」 「試験管で人工妊娠なんて野暮はしないよ。自然妊娠させる」 「自然……というと?」 「性交するよ」 「フギャアァァアーッ!!」 「おやおや。挿入前なのに、歓喜は早いよ。それとも待ちきれないのかな?」  プシューしそう。 (だめだ)  今ここで気を失ったら、このまま結婚、そして初夜まで持ってかれる。  お兄様ならやりかねない。  次、目覚めた時はベッドの中。  お兄様と二人きり。  視界に映るお兄様の上半身は裸で、少し汗ばんでいて…… 「ウキャ!」  ん?とお兄様は小首を傾げた。

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