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第103話

 α性はほかの第2性と比較して、全ての能力が突出している。  そしてカリスマ性とも言えるオーラを生まれながらに持つ。 (お兄様は王様だし、確かにそうかも)  αだと言われて納得する。  そしてαは稀少種で滅多に生まれない。 「歴史に名を残す才気ある芸術家も、実はα性だったのかも知れないね」  自分自身が気づいていないだけで。  数の比率は、αが一握り……いや、一つまみすらいない。砂漠で砂金を探す程だと言う。  全てと言って良い程ほとんどがβ。  Ωは存在しない。 「そう言われてきた」  含みのある言葉。 「これからは、この人口比率が変化するだろうね」 「どういう事……ですか?」 「君が人類初のΩになるんだよ」  Ωって? 「さぁ、ここからが重要だ。第1性と第2性の関係性について話すよ」  ドキドキ、ドキドキ (何だろう?胸の奥が)  ザワザワする。 「第1性である雌雄の区別に基づき生殖するのがβ性だ。大多数のヒトがこれにあたる。これに対してα性は、雌雄両性共に孕ませる側になる。雄も雌も精子を生産できるんだよ」 「エエェェエーッ!!」 「フフ、驚くのも無理ないね。そしてΩ性だが、Ω性はα性の逆だと考えれば分かりやすいだろう」

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