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3 性悪年下ホストにしつこくされる
北斗に抱えられ、寝室に連れて行かれる。互いの体温を感じながら移動するのは、なんだか気恥ずかしい。
「俺、重いはずなんだけどな……?」
「アキラくらい、片手でも余裕」
「片手はやめろよ!? 落とすなよ!?」
思わずしがみつくと、北斗は意地悪そうな顔で笑った。俺があたふたしてるのが面白いんだろう。本当に、性悪ホストめ。
ベッドに着くと、落とすなと散々言っていたせいか、存外と丁寧に寝かせられた。そのままの流れで覆い被さり、北斗が再びキスをしてくる。
「んっ、ぁ……、んむ……」
「舌、逃げんなって」
「ん、はっ……、しつこ」
キスだけで息が上がってしまう。何が楽しいのか、北斗は薄く笑っている。
(ムカつく顔してんな……)
少し苛立つが、文句は北斗が乳首をつねったので、出てこなかった。
「んぁ♥」
服の上から弄くられ、ビクンと肩が揺れる。服の摩擦が、快感を生んでいる。
「アキラ、ここ弱いよな」
「んっ、バカっ……、あっ♥」
刺激され、背中が弓なりにしなる。乳首が感じるのは、北斗がしつこくしてきたからだ。最初から弱いわけじゃない。最も、そんなことを言えるわけがないが。
「っ、ん、んん……、ぅ♥」
「気持ち良さそうな顔」
「ふ、あっ……ん♥」
ゾク、快感に身体が震える。北斗は俺の服を強引に引っ張って脱がせると、胸に吸い付いた。舌先でチロチロと弄くられる感覚に、腰が揺れる。
「ふ、んっ……♥ あ、あ……っ。あ、そ、だ北斗……っ」
「あん?」
「んっ……、眠いから、一回な」
「はあ!?」
ガリッ。北斗が乳首を噛む。
「イテ! おま、噛むなよ!」
「なんで!」
「眠いからだって言ってんだろ! くそ、赤くなってる……」
乳首がジンジンする。俺は痛いのは苦手なのに。
「なんで」
「話聞け」
北斗はかなり不満そうだ。
「シャワー室でもしただろ」
「あんなの数に入んねえよ」
「言わないとお前、朝までコースだろうがっ!」
「それの何が悪いんだよ。ああ、歳?」
「ぶっ殺すぞ」
殴ろうとしたが、パシッと手を取られて頭の上に縫い止められた。馬鹿力のせいで、びくともしない。
「おいっ……!」
「まあ良いや。勝手にする。寝てて良いよ」
「おまっ……」
北斗の発言に、ゾッとする。実際、寝落ちしても犯されていることが多いので、恐らく本当に実行するだろう。北斗のやつは、穴さえあれば良いのだ。
だがあれは、身体がキツイのだ。意識がない分、好き勝手されるし、そのくせ擦られ過ぎて敏感になって、立っているのもしんどくなる。
「おい、ふざけ――んぁ♥」
先ほど噛まれて敏感になった乳首を、北斗の舌がねっとりと嬲ってくる。
「身体の方は、嫌がってないみたいだけど」
「んっ、う♥ 感性がオッサン……いあっ♥」
悪口を言ったら、とたんに反撃される。乳首を齧るなと言ったのに!
「北、斗っ……! 痛くすんなら、やらな――んぁ♥」
「喜んでるくせに」
そう言って、北斗が股間を握ってきた。服の上から擦られ、ビクンと肩が揺れる。既に軽く勃ちあがった性器が、刺激されて硬度を増す。
「っん、ん、あっ……」
「素直なのは身体だけじゃん?」
どっちが。そう口から出かかったが、声にはならなかった。北斗が服をすべて取り去ってしまう。裸で転がされるのは、少し心許ない。受け入れる側というのは、未だに慣れないものだ。
(そもそも、なんでこんなことになったんだよ……)
身体の方は、北斗の味を覚えてしまった。けれど、精神が追い付かない。なんで俺は、コイツを受け入れているんだろうか。それで、なんで北斗は、俺を抱くのか。
良く解っていない。
ハァハァと息を切らせている間に、北斗も服を脱いだ。着痩せする方なのか、脱ぐと案外、引き締まった身体をしている。運動などしている姿を見たことがないので、体質なのだろう。
(ズルい身体)
こっちは、酒で腹が出ないように気を遣ってるのに。身体が恵まれている分、性格が悪いに違いないと、脳内で悪口を言っておく。
「おい」
「んむ、なんだよっ」
唇を指で摘ままれ、北斗を睨む。
「悪口考えてただろ」
(何故解る)
解せぬ。そう思いながら、反論も肯定もしないでおいた。どうせバレている。
「お前な。北斗。少しは歳上を敬えよっ。何歳上だと思ってんだ?」
「ああ? 知らねー。七歳なんか誤差だろ」
(解ってんじゃねえか……)
北斗の唇が、腹をなぞる。腹筋をなぞるように舌が皮膚を擽るのが、くすぐったいような、気持ち良いような、微妙な感覚を生み出していく。
「っ、あ……」
乱暴なくせに、時々、妙に優しく愛撫される。そんなもの良いから、さっさと突っ込んで終わりにして欲しくもあったが、俺が乱暴にされたいみたいで、口に出すことは憚られる。
(これ……慣れねえ、なぁ……っ)
びく、びくと身体を震わせる。北斗は今夜は、長く楽しむ気らしい。丁寧な愛撫に、息が上がる。
「あ、あ……、北斗……っ」
つっ、と長い指がアナルのヒダを撫でた。
「ん? あ――なんだ。ココ、綺麗にしてなかったの」
「……んな、ヒマ、ねえよ」
窄まりに指が這う感覚に、ゾクと背筋が粟立つ。仕事前に北斗が注いだ精液が、まだ奥に残っていた。
「仕事中、腹ン中に僕の入ったままだったの? 女の子の接客しながら?」
クスと北斗が笑う。
「……お前のせいだろ」
「エロいじゃん」
不可抗力だ。
「っあ、ん……」
つぷ、と北斗の指先が入り込んで来る。慣らされた身体に、いまだ濡れそぼった内部。抵抗もなく受け入れてしまう身体に、自分が嫌になる。
「柔らか……。準備なしで入りそうじゃん」
「っ、ん……! そういうの、良い、からっ……!」
北斗は、俺を辱しめたいのか、わざとらしくそう言う。嫌がる顔に満足したのか、指を引き抜いて肉棒を押し当てた。
北斗の性器は、既に硬く勃ちあがっている。ゴツゴツしたあの塊に貫かれる快感を覚えている身体は、勝手に期待してキュンと疼く。自分でも、アナルがヒクついているのがわかった。
北斗が荒い息を吐きながら、肉棒を穴に押し当てる。
「ふっ――んっ……!」
ずぷ。先端が押し込まれる。楔のような質量で貫かれて、身体が震える。
「っあ♥」
自分でも解っている。これは、歓喜だ。身体が、北斗を求めて、熱い塊で擦って欲しくて、浅ましく食いついてしまう。
「ん、あ、あ、ぁっ……♥ あ、んぅ、んっ♥」
挿入と同時に、北斗が容赦なく腰を打ち付ける。肉がぶつかる音。結合部の濡れた淫靡な音。ベッドの軋む音。喘ぎ声。荒々しく腰を振る、北斗の吐息。
(あ、たま……、おかしくなる……っ)
「ひあ、あ、あっ♥ ん、そこ、ばっか……っあ♥」
「好きだろ? ここ、ガンガン突かれんの」
「いぅっ♥」
先端で弱い部分を執拗に擦られ、ビクン、ビクンと身体がしなる。ナカを擦られる気持ち良さに、意識が飛びそうになる。
「あ、あっ♥ 北斗っ……! 北斗、っ……!」
北斗の指が、乳首を押し潰したり、引っ張ったり、捏ねたりと、弄くり始める。同時に攻められ、ヒクヒクと膝が震えた。
「あ、あっ――、あっ」
先端から、白濁が飛ぶ。激しい快楽に、訳が解らなくなってくる。
「アキラっ……、アキラ……」
うわ言のように名前を呼びながら、ドチュ、ずちゅっ、抽挿を繰り返す。擦られ過ぎて、ナカがビクビクと痙攣する。
「あ、あ――、あっ!」
瞬間、ナカでジワリと、熱いものが弾けた感じがあった。北斗はすべて中に注ぎ込むように、がっしりと腰を掴んだ。注ぎ込まれる感触に、ビクビクと尻が震える。
「っ……♥」
ゾクゾクと、皮膚が震える。ナカに出される気持ち良さに、恍惚とした顔で北斗を見た。
北斗の唇が、俺の唇を貪る。舌を啄み、何度もキスを繰り返しているうちに、突き刺さったままの性器が再び硬度を取り戻す。
「っ……、一回って、言ったろ……」
「アキラ、満足してねえじゃん。それに」
グッと腿を捕まれ、グリグリと内壁を擦られる。
「僕が一回で終わらすわけないだろ」
「っ……」
疲労しているのに、北斗の宣言に身体が快感に震える。
(だからそれ、朝までコースじゃん……)
げんなりしながら、身体の奥底が、ほの暗い快楽に期待している自分を感じていた。
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