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【番外編】隠しごと 1. | 兎森うさ子@オメガシリーズ三作品目連載中の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
【番外編】隠しごと
1.
作者:
兎森うさ子@オメガシリーズ三作品目連載中
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発情期
(
ヒート
)
の愛賀が不意に服をたくし上げた時に見てしまったもの。 「⋯⋯あれは⋯⋯」 幼い頃に怪我でもしたのだろうか。──いや、あの無数の古傷はさすがに怪我どころの話ではなさそうだ。 そう思ったのは、今度はズボンを下ろした時。 同様の古傷があったことから、活発な子どもだった、というより虐待か同級生による酷いことをされたか。 それらだとしたら、想像を絶する惨たらしいことをされてきたのかもしれない。 それらに関連づいて思い出したのは、再会できると思わなかった際にも、最近できたような頬に青あざを作っていたことだ。 ──こんなことをされる人間ですよ。 こんなことをされる人間、というのは、自身がオメガであることを自虐にも似たことを指しているのだろう。 オメガであろうがなかろうが、どんな人間に殴られたかは分からないが、どんな理由であれあのようなことをされていいはずがない。 あのようなことをされてもいいと思ってしまうのは、周りがそう言い、一方的に暴力行為をしてきたからなのだろう。 あの頬は、身体中の傷とはまた違うきっかけで作られてしまったのだろうか。 再会するまでの間、何をされたかは深く追及しなかった。が、今回の発情期の件で愛賀の過去を知りたいと思った。 愛賀をあれ以上傷つけないためにも。 入院中もそうだったが、普段でも自身のことを話したがらないため、本人に直接訊くのは憚られる。ならば、松下に頼んで調べてもらうか。 調べるのは、容易い。 だが、本人に訊くのを躊躇うものを勝手に調べるものはいかなるものか。
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兎森うさ子@オメガシリーズ三作品目連載中
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