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エピローグ「 」
いつかの、どこか。
さわさわ、さわさわ。緑が揺れている。
オレンジ色の屋根に、クリーム色の壁の一軒家。
庭に続く掃き出し窓に、穏やかな顔の男が座っている。
男は春の陽射しを浴びて、ゆっくりと呼吸していた。
ふと、左の手のひらに傷を持った男が、庭からゆっくりと近づいてくる。
傷を持った男は穏やかな男の隣に座り、その身体を優しく抱き寄せた。
ふたりの視線が交わって、静かに唇が触れ合う。
十数秒して、ゆっくりと唇を離して、ふたりは互いを愛おしげに見つめて、笑いあった。
これは、わがままになった甘やかしたがりの男と、甘えんぼうになった愛を知る男の、幸福の物語。
ふたりの想いは、いつまでも、どこまでも。
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