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第79話 最後までしないけど…※

 ぐっすり眠っているキヨくんは、頬にキスしても目を覚さなかった。僕は疲れたキヨくんを寝かせて置きたい気持ちと、目を覚ましてイチャイチャしたい気持ちがせめぎ合って、結局キヨくんの隣に滑り込んだ。  僕のベッドは、いつもよりずっと温かくて、キヨくんの匂いでいっぱいだった。僕が嬉しい気持ちでクスッと笑うと、キヨくんが僕をぎゅっと抱き寄せた。そっと伺う様に見上げると、キヨくんは少し眠たげに目を開けて僕を見つめていた。 「…いい夢。毎日こんな夢見られたら最高なんだけど。」  そう言って、僕の唇に柔らかくキスした。キヨくん、寝ぼけてる?そう聞きたいのに、キヨくんは僕の唇を掻き分けて、舌で僕の声を奪った。甘い、えっちなキスが終わる前に、キヨくんの手が僕の生尻に触れた。  すると急にキヨくんが顔を離して、マジマジと僕を見つめた。 「…本物?」  僕は急に恥ずかしくなってしまって、キヨくんの腕の中で身じろぎした。抜け出そうとするのに、がっちり掴まれてしまってる。僕は照れ隠しに頬を膨らまして、キヨくんに言った。 「…キヨくん眠っちゃってたから。眠らせてあげたかったんだけど、くっつきたくってベッドに入っちゃった。邪魔してごめんね?」  するとキヨくんは急にギラついた眼差しで、掛け布団を捲り上げた。やばい、下半身スッポンポンだ!腰に巻いていたタオルは布団に入った時にズレて、今や外れてしまっていた。  キヨくんは縫い付けられた様に、僕の兆している、あらわなスッポンポンを見つめてゴクリと喉を鳴らした。 「マジか…。玲は俺の予想を遥かに越えてくるよ。」  僕が脱いだ下着を履くのが嫌だったと言う言い訳をする暇もなく、キヨくんは僕のトレーナーをサッと脱がせると、僕に跨ったまま、カーディガンとシャツを一気に脱いで放った。そして位置を変えると、ベルトをカチャカチャと外してズボンを勢いよく脱いだ。  さっきまで寝ぼけていたキヨくんは嘘の様に動きが良くて、僕はすっかり呆然とキヨくんを見つめていた。下着姿のキヨくんが僕にのし掛かって来て、笑いが込み上げて堪らない表情で僕に囁いた。 「すっかり目が覚めたし、元気出た。やっぱり玲は俺の元気の素だ。」  そう言うと僕の唇に触れる様なキスをして来た。キヨくんの繰り出す甘い口づけに僕はあっという間に夢中になってしまった。同時に胸が撫でられて、指先が僕の敏感になってしまった先端を悪戯に摘んで撫でると、僕は呻きながら、キヨくんの滑らかな背中に手を這わせた。  キヨくんが僕の顎や、首筋に唇を這わし下りていくと、僕はその先の快感を待ち望んだ。ああ、キヨくん大好き。

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