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第81話 自分じゃ出来ない※

 僕が差し出したジェルを戸惑いながら受け取ったキヨくんを見て、僕は自分が自己開発していると告白したも同然だと気がついた。もしかして僕、とんでもないこと言ってしまった?  恐る恐るキヨくんの顔を見ると、キヨくんは酷く興奮して、荒い息遣いとギラついた眼差しで僕を見つめていた。 「玲が勉強熱心なのは知ってたけど、こっちにも発揮してたとか興奮する。あー、どうして玲はそんなにエロ可愛いんだ。しかも狙ってないとか。玲、もし俺が無理矢理しそうになったら蹴ってくれ。我慢できるか自信無くなってきた…。」  そう言って、僕をうつ伏せに転がしたキヨくんはとっても切羽詰まってるように見えて、僕は普段冷静なキヨくんが僕にしか見せないその姿にドキドキして、唾液が口の中に溢れた。  少しお尻を上げさせられた僕の窄みら辺に、キヨくんはたっぷりのジェルを塗りつけた。ひんやりしたのは最初だけで、直ぐにヌルヌルした感触がキヨくんの指の動きと共に感じられた。  僕自身の昂りから、くすぐったい場所を通って、すっかり卑猥に感じる窄みへと指がなぞっていくので、僕はビクビクと腰を震わせた。僕が自分で触れた時はちっとも気持ち良くなかったそこは、今はゾクゾクするほど敏感になっていた。 「…あ、ん。」  キヨくんは僕を抱き寄せて、唇を柔らかく押し付けながら、僕の敏感なそこを撫で続けた。僕たちは夢中になって舌を絡め合った。キヨくんの指先が僕の後ろを撫で回しやすい様に、僕の片脚はキヨくんに抱え上げられていた。  時々キヨくんの指が僕の中にグッと入り込む度に、僕はビクンと身体が反り返って、甘い息が出た。怖いけど、その先に行ってみたい場所がある気がして、僕はキヨくんに頼んだ。 「…キヨくん、もっと挿れて…。」  キヨくんは僕に噛み付く様なキスを落とすと、赤い顔をして呟いた。 「ヤバい。玲が…。くそっ、知らないからなっ。」  そう言うと、僕をまたうつ伏せにして腰を引き上げた。この格好は酷く恥ずかしいけれど、キヨくんの手が僕の胸をなぞると、気持ち良さに直ぐにそれどころじゃなくなった。  そしてゆっくりとキヨくんの指が僕をグチグチと抉ってきて、僕は異物感とそれ以外の何かを感じて、背中を震わせた。するとキヨくんがのし掛かって来て、僕の背中にキスしてくれて、僕はふと力を抜いた。  その時にグッと奥に入ったキヨくんの指が、僕をビクンと震わせた。思わず甘い声を出した僕に、キヨくんはゆっくりとだけど確実に指をグッと押しつけながら僕の中を撫でた。それは僕の未知の快感への扉が開いた瞬間だった。

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