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第101話 気怠さの中で※

 濡れてしまったベッドの上にタオルを乗せて、僕たちはもう一度ゆっくり温泉に入った。部屋のテラスに露天風呂があると、本当に便利だ。トイレでは出切らないキヨくんの一部を洗い場で掻き出されて、僕は夜の空気に声が溶けない様に口を手で覆った。 「んっ。…もう、大丈夫だから。」  キヨくんが念入りに掻き出してるのか、愛撫してるのか分からなくなる前に、僕はキヨくんを睨んで手を止めさせた。案の定キヨくんの股間は張り詰めていて、僕は喉を鳴らして顔を逸らした。 「…温泉入るんでしょ?」  キヨくんは始終ご機嫌で、僕の手を引いて桧の香りがする円形の露天風呂にザブリと入った。少し熱い湯は少しとろりとしていて、僕はキヨくんの隣に肩まで沈みながら、山際のライトアップされた木々を眺めた。 「ふー、生き返るね。僕こんな部屋付きの露天風呂初めてだけど癖になりそう。ちょっとお高いから、何か特別な時にって感じにはなるだろうけど。」  そんなことを呟くと、キヨくんが手の中の水を僕に飛ばして言った。 「毎年一緒に来よう。バイトしてさ。俺、玲とこんな風に馬鹿みたいにイチャイチャできるの、凄いご褒美だから。これのためなら色々頑張れそう。」  そう言って笑うキヨくんの肩に手を回して、僕は顔を覗き込んで言った。 「キヨくん、僕たちこれから一緒にシェアハウスすると思うんだけど、その言い方だと清い生活って感じ?」  するとキヨくんは慌てて僕の腰を引き寄せて言った。 「いや、違うから。もう、凄い爛れた生活。間違いない!それとこれとは違うっていうかさ。俺たちの記念行事的な?」  僕はキヨくんの慌てぶりにクスクス笑って、悪戯にキヨくんの形良い唇にそっと唇を押し付けた。腰に回したキヨくんの手が僕を這い回るのを感じながら、僕はキヨくんの顔を両手で覆って、何度も唇を押し当てた。  焦らしているのか受け身のキヨくんに我慢が出来なくなった僕は、少し開いたキヨくんの唇の入り口を何度も舌でなぞった。チロチロと呼びかける様なキヨくんの甘い舌に誘われて、その窪みに舌を伸ばすとあっという間に囚われて貪られてしまった。  終わりのない甘い時間にすっかりのぼせそうになった僕たちは、慌てて温泉から出ると、笑いながら裸でデッキの寝椅子に寝転がった。  筋肉の乗った美しいキヨくんの身体は、バランスが取れていてカッコよかった。僕はじわじわ欲望が湧き上がるのを感じながら、ヘソに向かって突き上がっているシンボルを見つめた。 「そんな風に見つめられると、俺も我慢出来ないけど。」  少し掠れたキヨくんの声に顔を上げると、欲望に駆られた鋭い眼差しが僕を見つめていた。ああ、キヨくん、僕も我慢できないよ。

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