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第1話
人は器のようなものである。器の中は魔力で満ちている。
僕たちは生まれながらにしてその身に魔力を宿す。
けれども魔力の総数は生まれ持つ器の量に比例する。
僕の器は生まれながら穴が空いていた。
不完全な器を持って生まれるということはこの世界では絶望的な欠点である。なぜならいくら注いでも魔力は溢れていき、魔力が尽きればそれは死を意味する。けれども僕は恵まれていた。
なぜなら王国の五大公爵家の次男として生まれたから。
このレディエンス王国には五つの公爵家がある。王国の基礎を築いた五人の魔法使いの子孫たちである。それぞれ木・火・土・金・水の能力を得意とする。僕はその中でも木属性の魔法を得意とするフローリアン家に生まれた。父は王国を守る騎士団長、母はこの国の現王の妹にあたる王家の出である。巨大な魔力を有する父と、この国一の美貌と称される母の間に生まれた僕は巨大な魔力の器と、美しい美貌を持って生まれた。器に穴が空いている、ということ以外は生まれた瞬間から人生勝ち組と言っても他ならない。
けれども悲観することはなかった。なぜなら魔力は補充することができる。他人との接触によって。
・・・・・
「んっ……あ、もっと……♡」
白銀の長く美しい髪で覆い被さるように頭をかき抱きながら、短い黒髪の青年に口付ける。口付けられた青年には髪と同じ色の真っ黒な獣の耳と尻尾が生えており、それは獣人の特徴を表している。
しかし、フローリアン家の次男であるフローリアン・ミュゲはそんなことを気にする様子もなく、自らのお世話係兼護衛であるクロユリへとキスを強請る。
「もっと口を開けてください。」
「んっ♡クロ♡んんっ♡」
くちゅ……♡といやらしい音を立ててクロユリの舌がミュゲの口内を蹂躙する。唾液を流し込みながら、思う存分口内を舐め回すと、唇に軽いキスをしてクロユリが口を離す。
「はぁ……♡」
甘い吐息を吐きながらクロの胸元に倒れ込む。クロは獣人族なだけあり、がっしりとした体格で、易々とミュゲを受け止めた。
「満足しましたか?」
スリ……とクロは抱き止めたミュゲの頭へと甘えるように顔を寄せながら聞く。
「ん~、もっとしたくなってきちゃった……♡」
そう言ってクロの腹筋をなぞりさらに下へと伸ばしかけた手を、クロ本人によって遮られた。
「これ以上は遅刻します。魔力は十分ですか?」
「ちぇ、クロは真面目なんだから……。」
でもそこが好き♡と額にキスをすると、嬉しそうに尻尾が揺れる。このわんちゃんは、表情にこそ出ないが、身体の方はえらく正直なのだ。
「魔力ありがとう、昨日の夜もいっぱいシテ♡もらったし、魔法を使う授業もそんなになさそうだから午前中は持つかな……。お昼にまた待ち合わせしよ。」
頭を撫でてやると心地良さそうにクルル……と喉を鳴らした。
「俺の騎士科は午前は総当たり戦なので……さっさと終わらせてご主人様を待ちます。」
僕らが通うレディエンス王国立学園は学びたい内容や学生の素質に合わせて細かく学科が分けられている。獣人であり身体能力が高いかつ、将来は僕の護衛騎士になりたいというかわいいクロは騎士科へと通っている。僕はこの体質のことをもっと知るために魔法研究科へ……と表向きは言っている。
「急がなくてもいいよ。でもクロが優秀だと嬉しいな♡一番になったらご褒美あげるからね♡」
そう告げるとクロの尻尾はさらに取れそうなほど振られるのであった。
レディエンス王国立学園は王国立なだけあり、王国の貴族子女やその執事や護衛、平民の中でも特に秀でた能力を持つものたちが通う、この国一の学園である。そのため、学園に通う人数も膨大なため、学園都市が形成されている。王都のすぐ隣の街ではあるが、学園が丸々一つの街になっているのだ。
王都から通うことももちろん可能だが、学生のほとんどが寮生活を送っている。もちろん僕もクロと共に寮の一室で暮らしている。
クロと別れて教室へと向かう。その途中で現王の次男、つまりこの国の第二王子であるリヒト王子と出会った。
「この国の光にご挨拶申し上げます。リヒト様、ごきげんよう。」
美しい所作で挨拶すると周りから息を呑む声が聞こえる。僕の一挙一動全ては周りの人々をうっとりとさせるのはわかりきっていることだ。なんせ母様の美貌を受け継ぎ、妖精姫の再来と呼ばれているほど僕はかわいい。
「やあ、ミュゲ、おはよう。今日も僕のいとこ殿は麗しいね。」
光にあたればキラキラと輝く金色の髪を軽く束ねた、僕に負けずを取らず美しい顔をした青年が微笑む。僕の母は現王の妹にあたるため、第二王子であるリヒト王子は従兄弟に当たる。
「お褒めいただき光栄です。リヒト様もお美しいです。」
微笑み返すと周りからさらに感嘆の声が上がる。なんて美しい二人なのかしら、本当にまるで一枚の絵画のよう、お似合いの二人だわ……なんて声が上がるのは日常茶飯事のことである。
「いとこ殿は今日の講義後の予定はあるかな?」
「ええと……午後に一つ魔法薬学の授業があって、それが終われば何もないです。」
「よかった、私の魔法実技科のクラスは今日は午前だけでね。最近なかなかかまってもらえなかったから私に時間をくれないかな?」
キラキラと効果音が鳴りそうなほどの王子様ウィンクでキメ顔をされて思わず笑ってしまう。
「ふふっ、王子様にそんなこと言われたら断れないですね。」
ツン、とほっぺをつつく。周りから黄色い歓声が上がる。僕たちがそういう関係だという噂が流れているらしいがお互いに人目を気にしていない。というよりも、衆目に晒されていることに慣れているからこそ、王家の人間と公爵家の人間の繋がりが強いことを見せておくのは重要だ。お互いに次男坊であるため、そこまで強いプレッシャーを感じているわけではないが、貴族に生まれたからには円滑に国を導く義務はある。
「ではいつも通り、生徒会室で待っているよ。」
「はい、リヒト様に早く会えるように急いで参りますね。」
第二王子と別れ、各々のクラスへと向かう。二人のやりとりをうっとりと眺めていた生徒たちも、はっと我に帰ると自らのクラスへと蜘蛛の子を散らすように散っていった。
・・・・・
午前の講義が終わり、少しだけ重い足取りで学園の中心にある巨大な中庭へと向かった。今日のクラスは思いの外魔法を使うことが多く、ただ暮らしているだけでも徐々に魔力が漏れてしまうミュゲにはそれだけで疲労感が伴う。
いつもクロと待ち合わせをしている、中庭の奥の人気のない場所へと向かう。クロはあまり人目が好きではない。クロユリの黒い髪と赤い瞳は人によっては魔族を連想させるらしく、差別の対象になる。そのためにクロユリは幼いときに実の親から奴隷市場へと売られた。それを買ったのがミュゲである。好みの男を連れて帰ろうと不純な動機で奴隷市に行き、見事好みの男を見つけたのだ。そんな碌でもない貴族の次男坊の典型的なパターンではあるが、ミュゲはクロを性奴隷として扱わず、自らの世話係として教育を受けさせ衣食住を与えた。それから、デロッデロに甘やかした。もちろん性的な悪戯も含めてである。無事に好みの男へと育ったクロユリは、ミュゲにとって最高のパートナーとなった。
いつもの木の下へと向かうと、先に来ていたらしいクロが目を閉じて眠っていた。眠っていた、のだろうが可愛らしい耳はピンと立てられている。常日頃警戒を怠らないクロは足音ですでに目覚めているのだろう。もちろん愛しいご主人様の足音であることも気付いているからこそ眠ったふりをしているのだ。
あまりにもかわいい甘え方に、悪戯をしたい気持ちがむくむくと湧き上がり、クロの前に座るとそっと服の中へ手を入れた。
ピクリ、と体が震えるが、彼は今眠っているのだから気にしない。そのまま逞しく鍛え上げられた腹の筋肉へと手を伸ばす。見事に割られた腹筋を撫でる。トーナメント戦の後のためか、うっすらと汗ばんでいるのがまた情欲を誘う。そのまま手を上へとジリジリと伸ばし、柔らかな胸筋に触れる。以前はひょろっとしていて硬く平らだった胸筋が、今は柔らかでふわふわの雄っぱいへと変わっている。クロが鍛え上げた成果か、僕が揉みしだいた成果かはわからないが。
胸に手をかけるとさらにぴく、と身動きをしたがまだ寝たふりを続けていた。クロはエッチ♡なのでこの先をきっと期待しているのだ。そのまま柔らかな胸を優しく揉んでやるとすぐに感じていることを我慢するような密かな吐息が聞こえてくる。鍛え上げられたためであっても、そのトレーニングは全て僕を守るためのものだ。つまりこの雄っぱいは僕のためだけにこんなに大きく育てられている。そう思うと雄っぱいさえも非常に愛おしく感じ、思わずその胸の中心で下品に大きく膨れ上がった乳首を両方の指でキュッとつまんだ。
ビクビクビクッ♡
と体が電気を流されたかのように跳ねる。クロは乳首でも気持ち良くなれるようにすでに調教済みだ。寝たふりをしたせいで起きるタイミングを失ったのであろうクロを、好き勝手に弄る。乳首をこねくりまわし刺激を与えてやれば、クロの下半身がむくむくと熱を帯び始める。すっかり乳首で気持ち良くなっちゃう体になったね♡これじゃ雌はもう抱けないね♡と以前言ったらご主人を抱きますと反撃され大変な目に遭った♡♡♡のは良い思い出だ。
乳首だけでも勿論イケるように調教済みではあるが、流石に時間がかかるため熱を持ち始めた下半身へと手を伸ばす。カチャカチャとベルトを外そうとすると、腕が掴まれ、
「何するつもりですか!」
と顔をほのかに紅潮させたクロが慌てて止めに入った。
「ナニって……フェラ♡」
「魔力の補充ならキスで充分なはずでしょ!」
「午前中ちょっと魔法を使いすぎて疲れちゃって~クロの濃いのが欲しいの♡」
そのままお構いなしにパンツごとズボンを下ろすとブルン!と凶暴な屹立がお目見えする。獣人であるクロのそれは、通常の人間のものより遥かに大きい。その昂りにスリスリ……と頬擦りをする。
「かわいい……♡♡♡」
「こんなグロテスクなモノをかわいいなんて言う人はあなたくらいでしょ……。」
魔力が欲しいと言うとクロはすぐに言うことを聞く。外気に晒されて敏感になったソコはビクビクと震えている。
「いただきます♡」
ちゅ♡と亀頭の先端にキスをしてそのまま口に含む。塩気のある先走りを丁寧に舐めてやると気持ち良さそうにクロが吐息を漏らす。ベッドでヤル時は思う存分に可愛らしく喘ぐので声を我慢しているのだろう。そんなところも慎ましくて好ましい。
「ふろ、おいひいよ♡(クロ、おいしいよ♡)」
「んあっ♡咥えながら話さないでください!あんっ♡」
かわいい声を漏らすクロの裏筋を丁寧に舐めてやるとクロの手がミュゲの顔へと伸びる。そのまま顔にかかっていた髪を丁寧に避けてくれた。その行為があまりにも優しくて、嬉しくなったので、ジュジュ……と亀頭の先へと吸い付くとそのまま先端を舌でちろちろと刺激してやる。手でゴシゴシと竿をしごいてやれば、すぐに限界に近くなったのであろうビクビクと震えながら先走りをダラダラとたらし始める。
「うっうっ、もっ、むり♡イキそう♡出ちゃう♡」
「いっぱいビュッビュッしようね♡ほら、イッて♡」
そのまま激しくしごいてやりながら先端を思い切り吸い上げてやる。
限界を迎えた高まりは一気に精液を噴出した。
口の中に出された精子を味わい、丁寧におちんちんを舐めとってやると、クロは僕の口の周りをハンカチで丁寧に拭き取る。
「っはぁ……はぁ……足りますか……?」
「うん、午後は一つしか講義がないから大丈夫。ところでクロは午前はどうだったの?」
そう聞くと、乱れた衣服を直しながらクロは当然といった顔で言う。
「全勝です。俺はご主人様の犬なので。」
「優秀でかわいいわんこだ♡」
頭をくしゃくしゃと撫でると嬉しそうに尻尾が振られる。
「とっても偉いわんちゃんにはご褒美をあげなきゃね……♡今日の夜は楽しみにしておいて……♡」
「はい……♡」
クロがぎゅっと僕の腰に手を回す。それを愛おしく感じながら頭を撫でる。
「授業後、リヒト様に呼ばれているから生徒会室に向かうよ。」
そう告げるとげ、と言いながらあからさまに嫌そうな顔をする。
「そんな嫌そうなお顔しないで♡」
ほっぺをむぎゅと両手で包むと嗜めるように鼻先にキスをする。
「わかってはいるのですが……あの人は……ちょっと……。」
苦虫を噛み潰したかのような顔をするクロに思わず笑いが込み上げる。嫌悪されがちなクロユリの見た目を昔から一切リヒト様は気にすることがなかった。それどころかむしろミュゲとクロユリ二人を可愛がっていた。その可愛がり方に多少難があるのが問題なのだが。
「ふふっ……いとこ殿は僕ら"ふたり"がお気に入りだからねぇ……僕は好きだけど。」
「ご主人様がそう言うなら……。」
引き続き渋い顔をしながらも、クロは午後の予定に渋々頷いた。
・・・・・
午後の講義が終わって校舎を出ると、五月の爽やかな風が髪を揺らして心地よい。僕を待っていたクロが駆け寄ってくる。
「風が気持ち良いねぇ。」
「そうですね。」
クロの耳を風がふわふわと撫でて、その度にぴこぴこと動く髪が可愛らしくて思わずその耳をさわさわと触る。
「ンンッ耳はっやめてくださあんっ♡」
思わず可愛らしい声をあげるクロにニコニコとしながら上機嫌で生徒会室へと向かう。
生徒会室は学園中央の最上階に位置する。生徒会室があるエリアは特別に分かれていて、生徒会の人間がいなければ入れないようになっている。ミュゲもその生まれ故に一年生の頃から生徒会に所属し、二年に上がった今ではすでに慣れたものである。
生徒会エリアへと繋がる扉へと手をかざすとじわ……と魔力が流れ扉に紋様が現れる。これは一人一人がもつ魔法の印を表すものであり、ミュゲの場合はその名の通り白い鈴蘭の花が浮かび上がる。
「何度見ても綺麗ですね。」
クロユリがそう呟く。
「僕はクロのクロユリの花も好きだよ。」
「ご主人様はちょっと……好みが変わってますからね。」
「あらら、照れちゃうな♡」
そんなじゃれあいをしながら通路を奥に進むと、一番奥に生徒会室がある。周りには給湯室や資料室などがある。扉を叩こうとするとクロがぴたりと歩みを止める。
「俺は扉の前で控えております。何かありましたらお呼びください。」
「どうせ後から呼ばれるよ。」
「……そうならないことを祈っています。」
番犬のように控えて立つクロを横目に扉を軽く叩く。
「ミュゲです。参りました。」
「どうぞ、入って。」
扉を開けると生徒会長の椅子ではなく、応接のソファにリヒトは腰掛けていた。
「今お茶を淹れたんだ、よかったらどうぞ。」
「では、いただきます。」
「ここには私とミュゲ、それから扉の前のわんちゃんしかいないよ。」
お茶を淹れてくれながら穏やかにリヒトは微笑む。その言葉の意味することを理解して少し力を抜く。
「わ、ハニートースト?嬉しい、好きって覚えてくれてたの?」
「勿論だよ、いとこ殿の凜とした顔が緩む瞬間が見たいからね。」
「それはリヒト様だってそうでしょ。」
近しいもの同士の会話をしながら、大好きなハニートーストに蜂蜜をかける。
「最近はなかなか忙しくてゆっくり話せなかったね。」
「会長様が忙しかったんでしょ。」
「おや、いとこ殿はご機嫌斜めのようだ。ハニートーストだけじゃご機嫌は取れなかったかな?」
好物のハニートーストをすっかり平らげると、ミュゲはわざとらしくお腹をさすりながらリヒトを見た。
「まだこれだけじゃ足りないかな。」
「おや、いとこ殿は大食漢のようだ。」
すっと立ち上がるとリヒトの座っていたソファへと移動してその膝へと座る。
「もっと僕が好きなもの、くれますか……♡」
そのまま首に手を回すとリヒトの口へとキスを落とす。蜂蜜の味を移すように口内を舐め回すと口を離した。
「甘いね。」
リヒトは親指で口から垂れた雫を拭うとそう言った。
「王子様も甘いものが好きでしょ♡」
「あぁ、たまらなく好きだよ♡」
そう言うと膝に乗っているミュゲを抱きしめ、再びディープキスをする。
「んっ♡ふあ、んんん、ぷはっ♡リヒト様の魔力も甘くて好きです……♡」
「そう言われると照れるな。」
そのまま首筋へと唇を動かし、そして胸元へと移動する。ブレザーとワイシャツはあっという間にボタンをはずされ、その胸をあらわにされていた。
「美しいな、その胸の飾りもまるで宝石のようだ。」
「宝石のような王子様に言われるなら光栄で、あんっ♡」
急にその胸の飾りを弾かれて、思わず甘い声をあげる。
「私も味合わせてもらうよ。」
クチュ……と乳首に吸い付くと歯先で軽く噛みついたりと遊びながら、もう片方の乳首を指でくにくにとこねくり回す。
「ひゃっ……!アッ♡リヒト様♡んっお乳美味しいですかぁっ♡いっぱい吸えて良い子良い子♡あんっ♡」
「ああ、ミュゲママの雌おっぱいすごく美味しいよ……♡」
相変わらずキラキラと王子様体裁を崩さずに下品なことを言う様を見て、お腹の中がジュク……と疼き出す。
我慢しきれなくなって、そっとリヒトの下半身へと手を伸ばすと、準備万端と言わんばかりに固い膨らみがあった。
「ママのこと、ママにして♡」
する……とズボンを脱ぎ捨てると下半身を露わにする。そしてそのままリヒトの目の前で足を広げ、入れやすいように後ろの穴をクパ♡と広げて見せる。
「なんで淫乱なママだ……♡」
ぐちゅ……と粘り気の多い音がして穴に指が差し込まれる。その指には何やらベタベタとしたものがつけられている。
「なっなに!?ンンッアッ、ネチョネチョするッ♡」
「私のは大きいから、切れないように蜂蜜を塗り込んでおこうね……かわいいかわいいハニーポットに……♡」
ぐちゅぐちゃぐちゃぐちょ。
指が穴の中を縦横無尽に駆け回る。
気持ちの良いスポットに来るぞ、と期待をすると途端に指はそこには触れずに周りを擦って言ってしまう。
甘い感覚に焦らされすぎてとうとう耐え切れずおねだりをした。
「あぅ……もうっ、がまんできないっ!めちゃくちゃについて欲しいのっ!おちんちん、リヒト様の種付けおちんちん、僕の雄まんこにください♡♡♡」
そう懇願すると、リヒトは昂った顔をして自らの竿を取り出す。すでにビンビンに勃起している。クロの獣凶暴ちんこ♡とはまた違い、立派な大きさをしていて、特に長さが群を抜いてでかい。上品な王子様フェイスにこんな巨根がぶるん、とついていたらお姫様はきっと泣いてしまうだろう。
「まったく、困ったちゃんだね、僕のいとこ殿は♡ほら見て、この長さならここまで届いちゃうね♡」
すりすりと腹部にバキバキに屹立したちんこを擦り付ける。そしてその先端でお腹をトントンと叩いた。
一番奥まで届くその快感を思い出し、ごくりと唾を飲みこむ。それから期待した雌顔のまま、
「入れて……♡」
と懇願すると、リヒトは微笑み、ゆっくりと亀頭をアナルへと嵌め込む。
ずぷっ、と音がして先端が入ると、その圧迫感に思わず声が漏れる。
「あっ……♡リヒト様の先っぽ……入ってくる……♡」
「うん、ミュゲがちゃーんと、形がわかるようにゆっくり入れてあげるからね♡」
そのままじゅぷ、じゅぷといやらしい音を立てて緩慢な動きで抽挿を繰り返しつつ、徐々に奥へ奥へと侵入する。
「んんんっ……!はぁっあっ!あぅ……ふぇ、奥、切ないよぉ……早くついてぐちゃぐちゃにして……!」
その焦ったさにたまらずに涙目になりながら懇願するも、ゆっくりとかつ良いところに当てられないままの行為が続けられる。
「長く君の中を味わっていたいんだ……♡がまんがまん♡」
ちゅ、と額にキスを落とされる。そのキスに幸福感を覚えつつ、なんとも言えないお腹のムズムズした感覚に頭がおかしくなりそうになりつつ小さな喘ぎ声を漏らしていた。
ゆっくりとした抜き差しが窄まりで止まるとリヒトは愛おしそうにお腹をなぞる。
「ほら、わかる?私の形……♡」
お腹をギュッと押されると内側から押される感覚がして、リヒトの高まりの形がはっきりとわかる。
「ふわっ♡わ、わかる、おちんちんの形でお腹がいっぱいになってるっ♡」
「ちゃんと我慢できてえらいね♡ミュゲの中、すごくあったかくて私のちんちんをきゅんと締め付けてきて本当に可愛いよ♡」
「うーーー、はぁはぁ、あぅ……!もう、辛いよぅ……!うぇぇん……!」
中の圧迫の形を意識すればするほど、お腹がキュンとして、気持ち良くなりたいと言う気持ちが湧いてどうしようもなくて、ギュッとリヒトの服を握りながら涙をポロポロと流す。自身の息子は触ってもいないのに、期待で先走りを溢れさせていた。
「はは、流石にいじめすぎたね。ごめんごめん、じゃあそろそろいとこ殿に気持ち良くなってもらおうかナッ!!!」
急にズクンッ!と前立腺を勢いよく押し上げられ、突然の快楽がミュゲの身を襲う。
「お、お゛ッ、――ッ♡♡♡」
ビクンビクンビクン!!!と体が震えたかと思うとミュゲの中心からビュル、ビュルルルル!!!と精液が飛び出した。
「おちんぽミルク、いっぱい出たね♡」
二人の腹部にかかった精液を指で拭いとると、ちゅぱ……と口に含む。その扇情的な光景を、射精したばかりの気怠さの中でぼんやりと眺めていると、ぐるんと体を回転させられて、テーブルに手をつき、尻をリヒトに向ける形で固定される。
「さ♡妊娠させてあげるね♡」
そう言うとまだ先ほどの余韻が残っているミュゲにお構いなしに、自身を突っ込んだ。
「んんんっ……!?!?♡♡♡あ゛っ、ん、んふぅっ♡♡ひッあ゛ああァッ♡♡♡あ゛ッ、んああ゛あぁッ!?♡待ってうぉっッ♡♡イ゛ッて゛る゛のに゛ッ♡♡♡」
ミュゲのちんこからはダラダラと勢いなく精液が溢れている。けれども止まる様子はなく、むしろガンガンとつくスピードは早くなっていく。
「おちんぽミルクッッッ♡このままだと赤ちゃんの分なくなっちゃうね♡♡♡そうなる前に妊娠しなきゃね♡♡♡奥のお部屋の入り口コンコンしてあげるからね!!!♡♡♡ちゃんと開いて赤ちゃんくださいって言って♡♡♡」
結腸の入り口をずっぽずっぽと突かれ、体の奥が熱くなる。
「んんん……っ!はぁーッ……っ!あぅ……ッふぇ、きもち゛ぃぃぃッ…!♡♡ぎゅ、ッて♡し゛て゛ッ♡♡も、おく、ん゛っ、せつない、からぁ……ッ♡」
「わかったよ!!!ほら!!!確実に孕ませてあげるからから赤ちゃん部屋ひらいて♡♡♡!!!」
後ろからギュッと腰を抱きしめられ、そのはずみでグポ……とリヒトの先端が結腸の入り口に入り込む。
「ちんぽ♡ちんぽぉお゛♡お、お゛ッ、――ッは♡♡♡あ゛、あ、奥、おぐッ、ぅ♡♡♡やだっやだやだやだぁあ゛あ!!!」
あまりの快感におかしくなりそうで、嫌々と首を振るとガツガツと腰を振るスピードは緩めないまま、慰めるようにちゅ、ちゅと耳元にキスを落として囁く。
「嫌じゃないよね、いとこ殿は赤ちゃん部屋をいっぱいにしてもらうのが大好きだもんね♡」
「ひっ♡ふぁ、あ゛あっ♡♡そうですっ♡♡♡赤ちゃん部屋いっぱいにリヒト様の♡♡♡雄せーし欲しい゛い゛い゛!!!!!!♡」
「お望み通りいっぱい出してあげるよ♡♡♡ほら!!!いくぞ!!!孕め!!!孕め!!!王族の血筋の赤ちゃん♡♡♡孕んじゃえ♡♡♡!!!」
穴からちんこを引き抜くと、そのまま容赦なく結腸の奥まで一直線に貫き射精した。
「ひう゛ぅう゛う……ッあっあ゛あっ♡♡イッイグッ!!!!♡♡♡」
突き上げの衝撃に自身も達すると、お腹の中で熱い精液が放出される感覚に幸福を覚える。
「あっ……♡いっぱい出てる……♡孕んじゃう……♡」
お腹を撫でると、その手のひらの上からリヒトの手も重ねられる。そして後ろからキスをされた。リヒトの魔力がじんわりと体を満たしてゆく満足感に満たされながら、交尾の相手を労るようなキスを貪っていた。
ちゅ……くちゅ……。後ろから抱き抱えられたまま、何度も唇を交わす。幾たびかの射精で少し気だるげな肉体をリヒトに預けて、その温もりを享受する。
「ミュゲ、このまま本当に、私の子を孕みませんか?」
お腹をさすさすと優しくなぞりながらリヒトは言う。
この世界では男性も孕むことが可能だ。魔力で胎の作りを変え、子宮を作ることは高難易度の魔法に分類されるが、リヒトにとっては造作もないことだろう。そしてミュゲ自身、存分な魔力を与えられていれば子を孕むことなど造作もない。現に今でも、クロユリからもらった魔力とリヒトから注がれた魔力を使えば孕むことはできる。
「うーん、それはリヒト様と婚約し、いずれは妻となれと言うことですか?」
「あぁ、私の子を君に産んで欲しいと心から思っているんだ。君と一緒になりたい。ダメかな?」
うなじにちゅ……とキスをしながらリヒトは甘えたような声を出す。
「ダメですね!」
「ははっ!第二王子の提案をそこまですぐに断るのは君くらいのものだよ。」
「だってリヒト様も本気じゃないでしょ。僕らの結婚は……メリットがない。」
「わかってはいるけどそこまでドライなのもすごいなぁ。君は多少なりとも私のことが好きだと思っていたんだけど。」
「多少?」
その言葉を聞いてそう答えると、くるっと向きを変えて座り直す。
体面坐位のような形で抱き合いながらコツンとひたいを合わせる。
「多少どころではないですよ。僕のいとこはこんなにもかっこよくて美しいのに、好きにならないわけが無いじゃないですか。」
ちゅ、と唇が触れるだけのバードキスをする。
「でも僕たちはすでに従兄弟という密な繋がりがある。結婚とはつまり繋がりを結ぶこと。僕らが結婚すれば、すでにある繋がりがさらに強くなる。それはすなわち、王家からの我が一族への比重が強くなってしまうと捉えられかねない。」
「そうなれば他の貴族からの反感を買ってしまう、と。」
「そうです。だから……イグニス家のご子息なんてどうです?今年の一年生で入ってきた。あの子は三男坊ですし、五代公爵家の一つ、火のイグニスとの繋がりは有益では?」
「うーん、確かにあの子はかわいいんだけどね……。」
と言葉を詰まらせる。それもそのはず、イグニス家の三男坊、イグニス・アッシュは入学したばかりだというのにすでに問題児として教員たちの頭を悩ませている。
「いいじゃないですか♡元気いっぱいで♡」
「元気はいっぱいだけどね……。」
「僕がリヒト様好みに仕込んであげましょうか?」
「随分と怖いことを言うね。まあ、アッシュが良いならそれもありかなぁ。」
自らの知らないところで、自らの貞操の危機が生まれてしまっていたアッシュは、くしゅん!と厳つい見た目には似合わない可愛らしいくしゃみをしていた。
「まあ、結婚はしなくても子を産んであげることはできますよ。純粋にリヒト様の子を孕むのは幸せそうなので♡」
「おや、じゃあこの胎は私が予約しても良いのかな♡?」
「いいえ♡一番最初に孕むのは違う人の赤ちゃんって決めてるんです♡」
「そうだろうね、君たちは本当に相思相愛だもの♡ほら、君は耳が良いから聞こえてるんでしょ?中に入っておいでよ。」
そう言ってリヒトが扉へと声をかけると、しばらくした後、観念したかのようにクロユリが中へと入ってくる。
「扉の鍵は閉めてね。大丈夫、君が扉の前に立っていなくとも人には聞かれないように防音魔法をかけてあげるから。」
パチン!とリヒトが指を鳴らすと周囲に防音壁が張り巡らされる。あからさまなセックス部屋の完成に、クロユリはこれからのことを考えて密かに尻尾を足の間に丸めた。
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