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第2話 おじいさまのパートナー

「正木《まさき》、次の週末はどこか出かけようよ」  今日は修己《おさみ》の部屋でデートだ。修己の部屋は高層マンションの十五階だ。用意した紅茶とクッキーでもてなされ、テーブルに向き合って座った。 修己は低音のセクシーな声で話かける。 「でも修己は仕事が忙しいだろ?」  修己はまだ五十七歳で、不動産関係の仕事をしている。元は親戚の会社だったが、今では修己が社長だ。少数精鋭にこだわっているようで、なかなか多忙にしている。  「まぁ忙しいのは忙しいけど ・・・・・休みが取れない訳でもないから」  修己はそう言うと、にっこり笑って正木を見つめた。じっと整った顔に見つめられると、思わず正木は恥ずかしくて赤面してしまう。まさか自分が男性と付き合うとは思ってもみなかったが、それは修己も同じだったようだ。修己はバイだが、同性で年上のおじいさんと付き合うとは想定していなかっただろう。  修己は正木の隣に移動するど、頭を肩に乗せて甘えてきた。 「おいおい、いい歳して・・・・・」  正木はそう言いつつ恥じらう。正木の方が十二も歳上なので自分こそいい年だ。 「本当に正木は恥ずかしがりだな。可愛い」 「なっ・・・・・」  修己は性欲が強いので正木は注意していた。気をつけないと、腹上死《ふくじょうし》させられる。  死んだあとも、娘や親族に発見されて見られたらと思うと顔から火が出そうだ。  ・・・・・死んだ後だから関係ないとは言えども。ある意味では正木の一人娘は理解しているから良いのだろうか?正木は妻と死別して子供は娘一人なので、のん気なものだ。  一方修己は妻と離婚しており、息子二人の養育費を養いきった。今は孫までいるので定期的に息子と孫には会っていると修己は包み隠さず正木に話した。  いい歳して若干元妻や息子や孫にヤキモチを焼いてしまった事がある正木は、すっかり修己のペースにはまってしまいショックを受ける。しかしヤキモチを焼く正木も可愛い、可愛いとクォーターの彼に思い切り愛されてしまった。  男同志の行為も始めは抵抗でいっぱいだったが、修己の優しさで乗り越え、今では正木はすっかり慣れてしまった。修己なしではならない身体にこの歳で造り変えられた。

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