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17.
その遠慮がちに触れてくる手をぼくは両手で取った。
驚いて引こうとした手をぼくは離さなかった。
離したくなかった。
嬉しい。とても嬉しい。ここで一緒に踊りたくなるくらい嬉しい気持ちでいっぱいになった。
大河くんの初めての友達。そうだと分かることをしたい。いわゆる記念というものだ。
何がいいかな。あ、そういえば、幼稚園でそうしているのを見て憧れていたものがあった。
「たーちゃん。ともだちになってうれしいから、これからはたいがくんのことたーちゃんってよんでいい?」
少し迷うような素振りを見せた後、小さく頷いた。
「やったー! じゃあよろしくね、たーちゃん」
嬉しくてたまらず、ぼくはせめてその手を上下に振った。
大河くんは驚いて、でもどうしたらいいのか分からなくてぼくにされるがままだった。
誰に対しても心を開かない子だと思っていた。でも、思っていたよりも戸惑いも見せてくれる可愛い子だった。
この子の表情をいっぱい見たい。もっと願うなら、声を聞きたい。
その願いはいつ叶うかは分からないけれど、ずっと一緒にいたら叶うはず。
だって、ぼくはたいがくんのいちばんのともだちだから!
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